[SONY] TC-K501ESとTC-R502の比較 [オートリバース]

2023年7月27日

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1985年と1986年の1年違いで登場したオートリバース機、TC-K501ESとTC-R502の比較。

関連:[SONY] TC-R502(1986年発売) レビュー [カセットデッキ]

イベント

1985年(昭和60年)

つくば万博(3月17日-9月16日)
日本電信電話公社(電電公社)が民営化されNTTに(4月1日)
豊田商事会長●●事件(6月18日)
・米国で「バック・トゥ・ザ・フューチャー」公開(7月3日)
地附山の地辷災害(7月26日)
日本航空123便墜落事故(8月12日)
スーパーマリオブラザーズ発売(9月13日)
・C-C-B「Romanticが止まらない」(1月25日)
・中村あゆみ「翼の折れたエンジェル」(4月21日)
・レベッカ「フレンズ」(10月21日)
・荻野目洋子「ダンシング・ヒーロー
・小泉今日子「なんてったってアイドル」(11月21日)


↑「マジだぜ。」タコヤキラーメン(日清食品) ダンプ松本

1986年(昭和61年)

スペースシャトル「チャレンジャー号」爆発(1月28日)
ハレー彗星接近(2月9日)
岡田有希子が以下略(4月8日)
チェルノブイリ原子力発電所事故(4月26日)
ドラゴンクエスト発売(5月27日)
・「太陽にほえろ!」が終了、14年4ヶ月の歴史に幕(11月14日)
・伊豆大島の三原山が噴火、全島民が島外に避難(11月15日)
フライデー襲撃事件(12月9日)
余部鉄橋の列車転落事故(12月28日)
・渡辺美里「My Revolution」(1月22日)
・国生さゆりwithおニャン子クラブ「バレンタイン・キッス」(2月1日)
・テレサ・テン「時の流れに身をまかせ」(2月21日)
・吉幾三「雪國」(2月25日)
・アン・ルイス「あゝ無情」(4月21日)
・レベッカ「RASPBERRY DREAM」(5月2日)
・荻野目洋子「六本木純情派」(10月29日)

発売年と価格

TC-K501ES_フルカタログ
↑TC-K501ES(1985年) 79,800円

TC-R502_フルカタログ
↑TC-R502(1986年) 69,800円

TC-K501ESは、1985年2月のカタログで「新製品」。

79,800円という価格は、前年登場で同じカタログにも載っていた時期もあるTC-K333ES(1984年)と同額。

TC-K333ES_カタログ
↑TC-K333ES(1984年) 79,800円

オートリバースを取るか、3ヘッドを取るか?

TC-K501ESは、ES機で唯一のオートリバース機である。

その後、ES機ではオートリバース機が出なかったため、後継機「風」のTC-R502は1万円安くなっている。

TC-K501ESはES機でありながら早期にカタログから消えたので、あまり売れなかった?

関連:[SONY] カセットデッキ 総合カタログ [1985年2月]

関連:[SONY] カセットデッキ 総合カタログ [1986年10月]

なお、1986年6月の「カセットデッキ 総合カタログ」には、両機とも掲載されている(TC-R502は「新製品」)。

外観

TC-K501ES
↑TC-K501ES(1985年)

TC-R502_カタログ
↑TC-R502(1986年)

TC-K501ESは、1985年にグッドデザイン賞を受賞している。

関連:1985年 グッドデザイン賞 テープデッキ TC-K501ES

そして、TC-R502も、グッドデザイン賞を受賞しているが、

関連:1986年 グッドデザイン賞 テープデッキ TC-R502

こんなレベルでグッドですか、そうですか。

TC-R502は「RXシリーズ」の前の「Rシリーズ」になる。

関連:[SONY] ESシリーズの変遷と比較(ESG→ESL→ESA→ESJ→KA*ES) [カセットデッキ]

関連:[SONY] TC-RXシリーズの変遷と比較 [オートリバース機]

カセットリッド

カセットリッド内のテープ方向は…

・TC-K501ES:重複透過型
・TC-R502:左右分離型

透過型は裏が透けて見えるので、左右分離型の方が好み。

メカデッキ

・TC-K501ES:TCM-110R3
・TC-R502:TCM-CMAY x(xは不明)

TC-K501ESはES機なので上位メカ、TC-R502はそうではないので下位メカ、この差が大きい。

関連:[SONY] メカデッキ(TCM-110/TCM-CMAY/TCM-170/TCM-200/TCM-190)について [カセットデッキ]

SN比

両機とも同じ。

・56dB(EIAJ)
・59dB(Dolby off、ピークレベル、メタルテープ)
・72dB(Dolby NR C)

周波数特性

両機とも同じ。

・30Hz-17kHz ±3dB(EIAJ、メタルテープ)

周波数範囲

・TC-K501ES:20Hz-19kHz(EIAJ、メタルテープ)
・TC-R502:20Hz-18kHz(EIAJ、メタルテープ)

TC-R502の方が上が1kHz低い。

ワウ・フラッター

メカの違いによるものだが、差は小さい。

・TC-K501ES:±0.06%Wpeak 0.04%WRMS
・TC-R502:±0.07%Wpeak 0.05%WRMS

キャプスタンベルトは、両機とも平ベルト。

歪率

両機とも同じ。

・0.5%(EIAJ、メタルテープ)

重量

・TC-K501ES:6.2kg
・TC-R502:4.7kg

1.5kgもの差がある。

外形寸法

・TC-K501ES:幅430x高さ105x奥行275mm
・TC-R502:幅430x高さ105x奥行285mm

TC-R502の方が奥行が10mm(1cm)長い。

TC-RX55やTC-RX77等に比べて高さが低いように見えるのはデザインのせい?かと思いきや、実際に低い。

TC-RX55の高さは120mmなので、15mm低い。
TC-RX77の高さは123mmなので、18mm低い。

消費電力

・TC-K501ES:24W
・TC-R502:17W

TC-K501ESの方が7Wも大きい。

関連:カセットデッキの消費電力と電気代

リモコン

両機ともRM-88(10,000円)であり、別売。

端子は裏面で背面にあり、角型4ピン。

両機とも手動。

テープ窓

・TC-K501ES:光る
・TC-R502:光らない

メカが違うからね。

再生ボタン等

両機とも自照式。

関連:[SONY] テープオペレーション・インジケーター [カセットデッキ]

録再ヘッド

両機とも同じ。

・LC-OFC巻線レーザーアモルファスヘッド

「ソニーは音質向上を目指し、1986年11月以降発売の全モデルに、LC-OFC巻線レーザーアモルファスヘッドを採用」(当時)としたが、両機ともその前の機種。

LC-OFC Laseramorphous Head

関連:[SONY] LC-OFC/PC-OCC巻線レーザーアモルファスヘッド [カセットデッキ]

オートテープセレクター

両機とも搭載。

TC-RX51(1988年)まで、手動でテープ種別を設定する機種があった。

ドルビーHX PRO

・TC-K501ES:非搭載
・TC-R502:搭載(OFF不可)

関連:ドルビーHX PROシステムとは?

ドルビーNR

両機とも同じ。

・ドルビーNR B/C

MPXフィルター

・TC-K501ES:搭載(OFF可)
・TC-R502:非搭載

関連:MPX FILTER(マルチプレックスフィルター)の使い方

FL管

FL管_TC-R502
↑TC-R502

TC-K501ESも同じFL管である。

1-519-340-11 INDICATOR TUBE, FLUORESCENT
↑1-519-340-11 INDICATOR TUBE, FLUORESCENT

関連:FL管(蛍光表示管)について

カウンター

両機とも同じ。

・減算機能付きリニア電子カウンター

キャリブレーション

両機とも同じ。

・録音レベルキャリブレーション

内蔵オシレーターからの基準レベル信号を約10秒間録音→録音開始位置まで巻戻し→約10秒間の再生→巻戻し という一連の動作を自動的に行う。

約10秒間の再生中に、LとRのツマミを回して赤▲に合わせる。

BIAS調整

両機とも不可。

クイックリバース

両機とも搭載。

関連:[SONY] クイックリバース(QUICK REVERSE)機能 [カセットデッキ]

AMS等

両機とも同じ。

・AMS(選曲機能)、ブランクスキップ、ミュージックスキャン機能を搭載

マイク入力

両機ともなし。

製造打切年等

TC-K501ES
・製造打切年:1986年1月
・補修用性能部品保有期間:8年
・修理対応終了年:1994年1月

TC-R502
・製造打切年:1987年7月
・補修用性能部品保有期間:8年
・修理対応終了年:1995年7月

両機とも修理対応終了年から25年以上経過しており、SONYは修理を受けない。

関連:[SONY] 製造打切年/補修用性能部品保有期間/修理対応終了年 [オーディオ]

ヘッドホン端子と音量調整

両機とも同じで、左下、音量調整可能。

関連:[SONY] ヘッドホン端子と音量調整が可能なオートリバース機 [カセットデッキ]

海外モデル

海外には「TC-R503」「TC-R503ES」というモデルが存在し、メカは「TC-CMAY B-12」で、TC-R303と同じメカ。


↑TC-R503ES

DIRECTION MODEが2種類しか選べないが、BIAS調整ができる!

関連:[SONY] 海外モデルについて [カセットデッキ]

機種選択

大阪市北区のマンションで●●したい人は1985年のTC-K501ES、軍団を率いて●●したい人は1986年のTC-R502を選択しよう。

TC-K501ES
↑TC-K501ES(1985年) 79,800円

TC-R502_カタログ
↑TC-R502(1986年) 69,800円

FL管は両機同じ部品であり、差はない。

TC-K501ESはドルビーHX PRO非搭載、TC-R502は搭載(OFF不可)だが、逆にMPXフィルターはTC-K501ESは搭載(OFF可)で、TC-R502は非搭載。

両機とも、BIAS調整ができないので、再生専用機として使うのがいいだろう。

ES(Extremely High Standard)にこだわるなら、TC-K501ES一択となるが、消費電力が7Wも大きい。

そうでないならTC-R502でも良いが、テープ窓が光らないので注意。

カセットリッド内のテープ方向がTC-K501ESは重複透過型、TC-R502は左右分離型なので、好みで。

TC-R502はのカセットホルダーはガタつきが出やすいので注意。

なお、入手相場は両機似たようなもので、ジャンク品で3千円から5千円くらい(2022年10月時点)。

3ヘッドではないため、TC-K501ESはES機でありながら人気がない。

関連:[SONY] TC-K500RとTC-RX55の比較 [1989年]

関連:2023年時点でも新品で手に入るカセットデッキやラジカセ、カセットテープ、クリーニングキット



Posted by nakamura