[SONY] TC-K501ESとTC-R502の比較 [オートリバース]
1985年と1986年の1年違いで登場したオートリバース機、TC-K501ESとTC-R502の比較。
関連:[SONY] TC-R502(1986年発売) レビュー [カセットデッキ]
イベント
1985年(昭和60年)
・つくば万博(3月17日-9月16日)
・日本電信電話公社(電電公社)が民営化されNTTに(4月1日)
・豊田商事会長●●事件(6月18日)
・米国で「バック・トゥ・ザ・フューチャー」公開(7月3日)
・地附山の地辷災害(7月26日)
・日本航空123便墜落事故(8月12日)
・スーパーマリオブラザーズ発売(9月13日)
・C-C-B「Romanticが止まらない」(1月25日)
・中村あゆみ「翼の折れたエンジェル」(4月21日)
・レベッカ「フレンズ」(10月21日)
・荻野目洋子「ダンシング・ヒーロー」
・小泉今日子「なんてったってアイドル」(11月21日)
↑「マジだぜ。」タコヤキラーメン(日清食品) ダンプ松本
1986年(昭和61年)
・スペースシャトル「チャレンジャー号」爆発(1月28日)
・ハレー彗星接近(2月9日)
・岡田有希子が以下略(4月8日)
・チェルノブイリ原子力発電所事故(4月26日)
・ドラゴンクエスト発売(5月27日)
・「太陽にほえろ!」が終了、14年4ヶ月の歴史に幕(11月14日)
・伊豆大島の三原山が噴火、全島民が島外に避難(11月15日)
・フライデー襲撃事件(12月9日)
・余部鉄橋の列車転落事故(12月28日)
・渡辺美里「My Revolution」(1月22日)
・国生さゆりwithおニャン子クラブ「バレンタイン・キッス」(2月1日)
・テレサ・テン「時の流れに身をまかせ」(2月21日)
・吉幾三「雪國」(2月25日)
・アン・ルイス「あゝ無情」(4月21日)
・レベッカ「RASPBERRY DREAM」(5月2日)
・荻野目洋子「六本木純情派」(10月29日)
発売年と価格
↑TC-K501ES(1985年) 79,800円
↑TC-R502(1986年) 69,800円
TC-K501ESは、1985年2月のカタログで「新製品」。
79,800円という価格は、前年登場で同じカタログにも載っていた時期もあるTC-K333ES(1984年)と同額。
↑TC-K333ES(1984年) 79,800円
オートリバースを取るか、3ヘッドを取るか?
TC-K501ESは、ES機で唯一のオートリバース機である。
その後、ES機ではオートリバース機が出なかったため、後継機「風」のTC-R502は1万円安くなっている。
TC-K501ESはES機でありながら早期にカタログから消えたので、あまり売れなかった?
関連:[SONY] カセットデッキ 総合カタログ [1985年2月]
関連:[SONY] カセットデッキ 総合カタログ [1986年10月]
なお、1986年6月の「カセットデッキ 総合カタログ」には、両機とも掲載されている(TC-R502は「新製品」)。
外観
↑TC-K501ES(1985年)
↑TC-R502(1986年)
TC-K501ESは、1985年にグッドデザイン賞を受賞している。
関連:1985年 グッドデザイン賞 テープデッキ TC-K501ES
そして、TC-R502も、グッドデザイン賞を受賞しているが、
関連:1986年 グッドデザイン賞 テープデッキ TC-R502
こんなレベルでグッドですか、そうですか。
TC-R502は「RXシリーズ」の前の「Rシリーズ」になる。
関連:[SONY] ESシリーズの変遷と比較(ESG→ESL→ESA→ESJ→KA*ES) [カセットデッキ]
関連:[SONY] TC-RXシリーズの変遷と比較 [オートリバース機]
カセットリッド
カセットリッド内のテープ方向は…
・TC-K501ES:重複透過型
・TC-R502:左右分離型
透過型は裏が透けて見えるので、左右分離型の方が好み。
メカデッキ
・TC-K501ES:TCM-110R3
・TC-R502:TCM-CMAY x(xは不明)
TC-K501ESはES機なので上位メカ、TC-R502はそうではないので下位メカ、この差が大きい。
関連:[SONY] メカデッキ(TCM-110/TCM-CMAY/TCM-170/TCM-200/TCM-190)について [カセットデッキ]
SN比
両機とも同じ。
・56dB(EIAJ)
・59dB(Dolby off、ピークレベル、メタルテープ)
・72dB(Dolby NR C)
周波数特性
両機とも同じ。
・30Hz-17kHz ±3dB(EIAJ、メタルテープ)
周波数範囲
・TC-K501ES:20Hz-19kHz(EIAJ、メタルテープ)
・TC-R502:20Hz-18kHz(EIAJ、メタルテープ)
TC-R502の方が上が1kHz低い。
ワウ・フラッター
メカの違いによるものだが、差は小さい。
・TC-K501ES:±0.06%Wpeak 0.04%WRMS
・TC-R502:±0.07%Wpeak 0.05%WRMS
キャプスタンベルトは、両機とも平ベルト。
歪率
両機とも同じ。
・0.5%(EIAJ、メタルテープ)
重量
・TC-K501ES:6.2kg
・TC-R502:4.7kg
1.5kgもの差がある。
外形寸法
・TC-K501ES:幅430x高さ105x奥行275mm
・TC-R502:幅430x高さ105x奥行285mm
TC-R502の方が奥行が10mm(1cm)長い。
TC-RX55やTC-RX77等に比べて高さが低いように見えるのはデザインのせい?かと思いきや、実際に低い。
TC-RX55の高さは120mmなので、15mm低い。
TC-RX77の高さは123mmなので、18mm低い。
消費電力
・TC-K501ES:24W
・TC-R502:17W
TC-K501ESの方が7Wも大きい。
リモコン
両機ともRM-88(10,000円)であり、別売。
端子は裏面で背面にあり、角型4ピン。
扉
両機とも手動。
テープ窓
・TC-K501ES:光る
・TC-R502:光らない
メカが違うからね。
再生ボタン等
両機とも自照式。
関連:[SONY] テープオペレーション・インジケーター [カセットデッキ]
録再ヘッド
両機とも同じ。
・LC-OFC巻線レーザーアモルファスヘッド
「ソニーは音質向上を目指し、1986年11月以降発売の全モデルに、LC-OFC巻線レーザーアモルファスヘッドを採用」(当時)としたが、両機ともその前の機種。
関連:[SONY] LC-OFC/PC-OCC巻線レーザーアモルファスヘッド [カセットデッキ]
オートテープセレクター
両機とも搭載。
TC-RX51(1988年)まで、手動でテープ種別を設定する機種があった。
ドルビーHX PRO
・TC-K501ES:非搭載
・TC-R502:搭載(OFF不可)
ドルビーNR
両機とも同じ。
・ドルビーNR B/C
MPXフィルター
・TC-K501ES:搭載(OFF可)
・TC-R502:非搭載
関連:MPX FILTER(マルチプレックスフィルター)の使い方
FL管
↑TC-R502
TC-K501ESも同じFL管である。
↑1-519-340-11 INDICATOR TUBE, FLUORESCENT
カウンター
両機とも同じ。
・減算機能付きリニア電子カウンター
キャリブレーション
両機とも同じ。
・録音レベルキャリブレーション
内蔵オシレーターからの基準レベル信号を約10秒間録音→録音開始位置まで巻戻し→約10秒間の再生→巻戻し という一連の動作を自動的に行う。
約10秒間の再生中に、LとRのツマミを回して赤▲に合わせる。
BIAS調整
両機とも不可。
クイックリバース
両機とも搭載。
関連:[SONY] クイックリバース(QUICK REVERSE)機能 [カセットデッキ]
AMS等
両機とも同じ。
・AMS(選曲機能)、ブランクスキップ、ミュージックスキャン機能を搭載
マイク入力
両機ともなし。
製造打切年等
TC-K501ES
・製造打切年:1986年1月
・補修用性能部品保有期間:8年
・修理対応終了年:1994年1月
TC-R502
・製造打切年:1987年7月
・補修用性能部品保有期間:8年
・修理対応終了年:1995年7月
両機とも修理対応終了年から25年以上経過しており、SONYは修理を受けない。
関連:[SONY] 製造打切年/補修用性能部品保有期間/修理対応終了年 [オーディオ]
ヘッドホン端子と音量調整
両機とも同じで、左下、音量調整可能。
関連:[SONY] ヘッドホン端子と音量調整が可能なオートリバース機 [カセットデッキ]
海外モデル
海外には「TC-R503」「TC-R503ES」というモデルが存在し、メカは「TC-CMAY B-12」で、TC-R303と同じメカ。
↑TC-R503ES
DIRECTION MODEが2種類しか選べないが、BIAS調整ができる!
機種選択
大阪市北区のマンションで●●したい人は1985年のTC-K501ES、軍団を率いて●●したい人は1986年のTC-R502を選択しよう。
↑TC-K501ES(1985年) 79,800円
↑TC-R502(1986年) 69,800円
FL管は両機同じ部品であり、差はない。
TC-K501ESはドルビーHX PRO非搭載、TC-R502は搭載(OFF不可)だが、逆にMPXフィルターはTC-K501ESは搭載(OFF可)で、TC-R502は非搭載。
両機とも、BIAS調整ができないので、再生専用機として使うのがいいだろう。
ES(Extremely High Standard)にこだわるなら、TC-K501ES一択となるが、消費電力が7Wも大きい。
そうでないならTC-R502でも良いが、テープ窓が光らないので注意。
カセットリッド内のテープ方向がTC-K501ESは重複透過型、TC-R502は左右分離型なので、好みで。
TC-R502はのカセットホルダーはガタつきが出やすいので注意。
なお、入手相場は両機似たようなもので、ジャンク品で3千円から5千円くらい(2022年10月時点)。
3ヘッドではないため、TC-K501ESはES機でありながら人気がない。
関連:[SONY] TC-K500RとTC-RX55の比較 [1989年]
関連:2023年時点でも新品で手に入るカセットデッキやラジカセ、カセットテープ、クリーニングキット
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