[Quansheng] UV-K5系受信機の編集ソフトと本体の設定 [CHIRP_EGZUMER]

2024年11月26日



編集ソフト

「CHIRP_EGZUMER」という編集ソフトがあり、無料である。

CHIRP_EGZUMER

CHIRP egzumer v1.0.1
on Python 3.9.13
wxPython 4.2.1 msw (phoenix) wxWidgets 3.2.2.1

周波数の登録や本体の設定をパソコンで編集したり、それらをパソコンに保存することが可能。

2024年10月時点での最新版はv1.0.1(2024-02-17)。

関連:https://github.com/egzumer/uvk5-chirp-driver/releases/tag/v1.0.1

CHIRP_egzumer.exe(約20MB)をダウンロードして実行。

インストーラーではなく、このファイルが実行ファイルである。

File>Newで新規作成。

表示>追加フィールドを表示 にチェックを入れる。 ← 重要

メモリー

「メモリー」タブで、周波数の登録/編集ができる。

メモリー

受信に必要なのは、以下の通り。

・周波数(MHz):
・Name(表示名):
・受信モード:FM/NFM(Narrow FM)/AM/NAM(Narrow AM)/USB
・ステップ(kHz):空欄にできないので「5(kHz)」で
・出力:空欄にできないので「High」で
・BCLO:空欄にできないので「Disabled」で
・Freqrev:空欄にできないので「Disabled」で
・PTTID:空欄にできないので「Off」で
・DTMFデコード:空欄にできないので「Disabled」で
・スクランブル:空欄にできないので「Off」で
・スキャンリスト:None/1/2/1+2
・Compander(Compnd):空欄にできないので「Off」で
・コメント:本体には表示されないメモ(例:東京TWR)

スキャンリストは、表示>追加フィールドを表示 にチェックを入れないと表示されない!

上記以外の項目(下記)は、空欄にできるので空欄とする。

・トーンモード
・トーン(Hz)
・トーンスケルチ
・DTCS
・RX DTCS
・DTCS極性
・Cross mode
・Duplex
・オフセット
・Skip

「Skip」はスキャンリストに入れてスキャン時にパスできる機能かと思われるが、何も入力できない。

無音等でスキャンが止まってしまう場合は、「5」ボタン長押しでその周波数をスキャンリストから外すか、メモリーそのものを削除するしかない。

スキャンリストは、メモリーした周波数が入った「バンク」のようなもので、使用方法は後述する。

周波数は、最大で200件まで登録可能。

周波数の行をCtrl/Shiftで複数選んで 右クリック>プロパティ を選ぶと、複数行に対して同じ値を反映させられる。

例えば、選んだ行を全てスキャンリスト1に入れるなど。

これを利用することで、1行1行編集する必要がなくなる。

200行は詰める必要はなく、空行があっても良い。

空行を区切り目的とし、種類毎に分けることができる。

200行の下にF1、F2、F3…F7の箇所がある。

これは、スキャンレンジ(範囲)の設定である。

F1が2行、F2が2行…F7が2行と、各2行あるが、各々のAが下端、Bが上端を示している。

例えば、

430.000-440.000MHz 10kHzステップ FMモード

の間をサーチする場合、

・F1 A:430.000000 受信モード:FM ステップ:10kHz
・F1 B:440.000000 受信モード:FM ステップ:10kHz

と登録しておく。

VFOモードでVFO A(液晶上側)を選択し、「F」ボタン→「1」ボタンを繰り返し、430MHzを選ぶ。

VFOモードでVFO B(液晶下側)を選択し、「F」ボタン→「1」ボタンを繰り返し、440MHzを選ぶ。

「5」ボタンを長押しすると、選んだScnRng(スキャンレンジ:スキャン範囲)が表示される。

スキャンボタンを押すと、その範囲内、受信モード、ステップでスキャンが開始される。

このような分かりにくい設定となっているのは、本機には元々このような機能がないため?

設定

「設定」タブで、本体の設定が変更できる。

設定

本体の設定は、「M」ボタンでも可能だが、項目が60以上もあって大変であり、ソフトでしか設定できない項目もあるので、編集ソフトを使うべきだろう。

# 逆に本体でしか設定できない項目もある。

関連:Menu – EGZUMER

以下、●●番は、本体メニュー中の番号である。

項目の番号は、メニュー選択時の左下に表示されている。

全60項目中の10番目

この写真(「10.60」)の場合、全60項目中の10番目であることを示している。

項目は69番まであるのだが、61-69番は「隠しメニュー」として隠れている(後述)。

Basic Settings

Squelch(60番、Sql):1

スケルチの設定、0(なし)、1(浅い)-9(深い)。

1も9も変わらない感があるので、1とする。

RX Mode(59番、RxMode):

RX Mode(59番、RxMode)

① MAIN ONLY:常にメイン周波数(上側)で送信および受信する。
② MAIN TX DUAL RX(DW):常にメイン周波数で送信し、両方を受信する。
③ CROSSBAND(XB):常にメイン周波数で送信し、サブ周波数(下側)で受信する。
④ DUAL RX RESPOND(DWR):メインとサブの両方で受信し、受信した方で送信する。

RX Mode

日本では送信不可なので、②(DW)と③(XB)は選ぶ意味がない。

④(DWR)を選んでも、メインとサブを高速に切り替えて「2波同時受信『風』」にしているだけであり、2波同時受信はできず、音が出るのは片方のみである。

片方しか受信しないなら①を、2波受信風でイク(HNDとNRTとか)なら④(DWR)を選択。

One Key call channel(44番、1 Call):メモリーを選択

「9」ボタンを長押しすると、設定した周波数を呼び出せる、一発ボタン的なもの。

Auto keypad lock(28番、KeyLck):チェックしない

Max talk, TX Time Out(29番、TxTOuT):

Battery save(30番、BatSav):1:4

アクティブ時間とスリープ時間の割合

Scan resume mode(22番、ScnRev):Listen until carrier disappears

・Listen 5 seconds and resume(TIMEOUT):受信したら5秒間聴き、音声があってもスキャンに移行
・Listen until carrier disappears(CARRIER):音声が消えるまで受信を続け、消えたらスキャンを再開
・Stop scanning after receiving a signal(STOP):受信したらスキャンを停止、周波数はそのまま

AM reception fix(56番、AM Fix):チェック

AMモードの際のオートゲイン機能

Battery Level Display(35番、BatTxt):Percentage

Microphone Bar display(32番、MicBar):

Channel display mode(33番、ChDisp):Name + Frequency

・Frequency:周波数のみ
・Channel Number:メモリー番号のみ
・Name:名前のみ
・Name + Frequency:名前と周波数

名前と周波数がベストだろう。

メモリーモード

名前は10文字までしか付けられないので、工夫して付けること。

例:TOKYO→HND、NARITA→NRT

Power ON display message(34番、POnMsg):Battery voltage

・Full Screen test:真っ黒画面(パターン欠落チェック用?)
・User message:任意の文字列(後述)
・Battery voltage:バッテリーの電圧
・None:なし

2行に渡り、任意の文字列が設定可能なので、複数台所持の場合、個体の判別(1号機/2号機)等に使える。

Message line 1(なし):任意の文字列(1行目) 12文字まで
Message line 2(なし):任意の文字列(2行目) 12文字まで

Backlight time(36番、BackLt):1 min

・Off
・5 s
・10 s
・20 s
・1 min
・2 min
・4 min
・Always On

操作後や受信終了後、バックライトが暗くなるまでの時間を設定。
各々の明るさは、以下で設定可能。

Backlight level min(37番、BLMin):2
Backlight level max(38番、BLMax):5

各々0(消灯)-10(最大)の間で設定可能。

屋外使用の場合は10(最大)にしないと見えないかも。

Backlight on TX/RX(39番、BltTRX):RX または TX/RX

TX(送信)及びRX(受信)するとバックライトが光る

送信不可にしているので、TX/RXとRXは同じである。

Voice-operated switch(57番、VOX):Off

Mic Gain(31番、Mic):

Key press beep sound(40番、Beep):

ボタンを押した際のビープ音

End of transmission beep(41番、Roger):

Squelch tail elimination(42番、STE):

送信終了時のノイズを除去

Repeater squelch tail elimination(43番、RP STE):Off

・Off
・100/200/300/…/800/900/1000 ms

スケルチ後の保持時間だが、これが長いと尻余りになるのでオフで。

VFO A current channel/band(なし):メモリーを選択
VFO B current channel/band(なし):メモリーを選択
Main VFO(なし):A
Keypad locked(なし):チェックしない

VFO AとVFO Bの周波数は、電源を切っても保持されるが、長時間電源を切った際などのこと?

Advanced Settings

Frequency mode allowed:チェック

Battery Type(68番:BatTyp):1600mAh/2200mAh

バッテリーの容量は、バッテリー(BPK5)の内側に書いてあるので、それに合わせる。

バッテリー内_UV-5R PLUS_UV-K5(8)

UV-5R PLUSの場合は、2200mAhに設定する。

BatTypを2200mAhに設定

関連:[Quansheng] UV-5R PLUSの入手レビュー [受信機]

S-Meter S0 level:-130(初期値)

S-Meter S9 level:-76(初期値)

Programmable Keys

Side key 1 short press(23番、F1Shrt):Scan
Side key 1 long press(24番、F1Long):Switch frequency/memory mode
Side key 2 short press(25番、F2Shrt):Monitor
Side key 2 long press(26番、F2Long):Switch demodulation
Menu key long press(27番、M Long):Switch main VFO

選択肢は以下の通り。

・None:何も割り当てない
・Flashlight:LEDライト(本体上部)
・TX power:
・Monitor:モニター(スケルチを切る)
・Scan:スキャン
・VOX:
・FM broadcast radio:FM放送
・Lock keypad:
・Switch main VFO:VFO A(液晶上段)とVFO B(液晶下段)の切り替え
・Switch frequency/memory mode:VFOとメモリーモードの切り替え
・Switch demodulation:FM/AM/USBの切り替え

残念ながら、PTTボタンの設定は変えることができない。

受信専用にした場合、PTTボタンは使わないので、何か別の機能を割り当てられればいいのだが。

なお、送信不可化の状態で、スキャン中にPTTボタンを押すと、最後に受信した周波数に、スキャン停止時に押すと「TX DISABLE(送信不可)」と表示される。

DTMF Settings

Displays DTMF codes received in the middle of the screen(55番:D Live):チェックしない

チェックすると、無線で受信したDTMFコードが、画面中央に表示される。

DTMF Contacts

Scan Lists

Default scanlist(19番:SList):任意のリスト

・List 1
・List 2
・All channels

メモリーした周波数をまとめた「バンク」は本機にはなく、「リスト」と呼称し、リストは2つしか作成できない。

リストにメモリーを登録するには、メモリーモードで「5」ボタンを長押しすると、名前の右端に「I」「II」「IとII」が表示され、リストに入れることができる。

が、1個1個入れていると非常に時間がかかるため、編集ソフトでスキャンリストに入れるべきである(方法は上述)。

スキャンリストを切り替えるには先のProgrammable Keysで設定したスキャンボタンを使うと良い。

スキャンが無音などで止まってしまった場合は、スキャンボタンではなく上下ボタンで進める。

# スキャンボタンだとスキャンリストが切り替わってしまうため。

List 1 priority channel scan:チェック

List 1 priority channel 1:任意のメモリー

List 1 priority channel 2:任意のメモリー

List 2 priority channel scan:チェック

List 2 priority channel 1:任意のメモリー

List 2 priority channel 2:任意のメモリー

priority channel scanにチェックを入れ、priority channelにメモリーした周波数を設定しておくと、そのスキャンリストのスキャン時にpriority channelにメモリーした周波数を頻繁にチェックしてくれる。

スキャンリストに周波数A、周波数B、周波数C、周波数Dを入れた場合、

スキャン開始→周波数A→周波数B→周波数C→周波数D→周波数A→周波数B→周波数C→周波数D→…

スキャンリストに周波数A、周波数B、周波数C、周波数Dを入れ、priority channelに周波数Eを入れた場合、

スキャン開始→周波数E→周波数A→周波数E→周波数B→周波数E→周波数C→周波数E→周波数D→周波数E→…

と、常に周波数Eをチェックするようになる。

また、スキャンリストに周波数A、周波数B、周波数C、周波数Dを入れ、priority channelに周波数E、周波数Fを入れた場合、

スキャン開始→周波数E→周波数F→周波数A→周波数E→周波数F→周波数B→周波数E→周波数F→周波数C→周波数E→周波数F→周波数D→周波数E→周波数F→…

常に周波数Eと周波数Fをチェックするようになる。

priority channelを設定すると、その周波数を常にチェックするため、スキャンの進度が見かけ上遅くなるので、本当にチェックするべきかを良く考えること。

なお、priority channelに設定する周波数は、そのスキャンリスト内に存在する必要はない。

Unlock Settings

TX Frequency Lock(61番:F Lock):Disable ALL(全送信禁止)

・Default+(137-174, 400-470+Tx200, Tx350, Tx500)
・FCC HAM(144-148, 420-450)
・CE HAM(144-146, 430-440)
・GB HAM(144-148, 430-440)
・137-174, 400-430
・137-174, 400-438
・Disable ALL
・Unlock ALL

必ず「Disable ALL」にしておく。

DISABLE ALL

Unlock 174-350MHz TX(62番:Tx 200):チェックをしない
Unlock 350-400MHz TX(63番:Tx 350):チェックをしない
Unlock 500-600MHz TX(64番:Tx 500):チェックをしない
Unlock 350-400MHz RX(65番:350 En):チェック
Scrambler enabled(66番:ScraEn):チェック

設定メニューの61番以降は、PTTボタンとF1ボタンを押しながら電源を入れると出現する(隠しメニュー)。

「RELEASE ALL KEYS」と表示されるので、ボタンから手を放す。

「M」ボタンを押すと、通常は60までしかないメニューが、69まで出現する。

隠しメニュー内の以下は、編集ソフトでは設定できない。

・BatCal(67番):
・Reset(69番):VFO/ALL

FM Radio

Ch 1 – Ch 20までの20局の登録ができるが、放送局名は登録不可。

受信方法は先述

Driver Information

Calibration

編集が済んだら、Ctrl+Sで保存し、本体とパソコンをUSBプログラミングケーブルで接続し、無線機>無線機にアップロード で本体に送る。

アップロード手順

この時はファームウェアの書き換え時のようにボタンを押しながら接続する必要はなく、電源オンの状態で接続する。

無線機へ接続

本体へのアップロード後、本体が自動的に再起動されるので、USBプログラミングケーブルを本体から抜き(挿さっていると音が出ない)、送った周波数や設定が反映されているかを確認する。

次の記事では、実際に受信してみる。

次頁:[Quansheng] UV-K5系受信機の使い方や注意点 [EGZUMER]

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関連:[Quansheng] UV-K5(8),UV-K5(99),UV-K6の入手レビュー [受信機]



Posted by nakamura