MPX FILTER(マルチプレックスフィルター)の使い方
MPX FILTERは、RXシリーズではTC-RX55から搭載された。
↑TC-RX55(1989年) 36,900円
関連:[SONY] TC-RX55(1989年発売)のレビュー [カセットデッキ]
以下は、TC-RX70(1990年発売)の取扱説明書にある、MPX FILTER(MPXフィルター)の使い方の説明。
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FM放送をドルビーNR録音する時、MPX FILTERスイッチをONにします。
↑左上が、MPX FILTERのON/OFFボタン(TC-K222ESJ)
ONにすると、フィルターが働き、ステレオ信号中の19kHzのパイロット信号と、38kHzのサブキャリアがカットされますので、これらの信号でドルビー回路が誤作動するのを防ぎます。
ほとんどの高性能チューナーには同等のフィルターが内蔵されていますので、通常はこのスイッチをOFFにしておきます。
しかし、チューナーにこのフィルターが内蔵されていない時や、フィルターの性能が十分でない時(聴感上、ドルビーNR録音の音質が損なわれた感じがしたら)、このスイッチをONにします。
ドルビーNRスイッチがOFFの時は、MPX FILTERスイッチをONにしても、フィルターは働きません。
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19kHzのパイロット信号が、高音と判断され、ドルビーNRが「誤作動」するのを防ぐということですね。
上述のように、MPX FILTERはドルビーNRがONの時しか働かないので、TC-K222ESJやTC-K710S、TC-K700Sのように、MPX FILTERボタンが独立したものよりも、TC-RX715やTC-RX1000Tのように、ドルビーNRツマミと連動したものの方が、理解しやすい。
↑ドルビーNRツマミ(TC-RX715/TC-RX1000T)
オートリバース機に於いて、MPX FILTERボタンは、TC-RX70/TC-RX77/TC-RX79/TC-RX711では独立しており、TC-RX715以降、上のように、ドルビーNRツマミに統合された。
但し、TC-RX311は独立であり、TC-RX2000TはドルビーNRがないのでMPX FILTERもない。
関連:[SONY] TC-RXシリーズの変遷と比較 [オートリバース機]
ディスカッション
コメント一覧
以前から疑問なのですが、FMをエアチェックする時だけMPXフィルターをONにする。他のソースの録音時には必要ないとは言え、そのままONにして録音したらどうなりますか? ハイカットフィルターなので、高域が減少した音になりますか? ちなみに、ドルビーと互換性を持つと言われる、ビクターのANRSにはMPXフィルターのモードは無かったです。