[SONY] TC-K710Sの分解とTC-K700Sとの比較 [カセットデッキ]

2022年11月20日

>>コメント欄は各記事の最下部<<



TC-K710S:1995年発売
TC-K700S:1993年発売

TC-K710Sでテープを再生していると、音がゆがんだ気がしたので止めた。

その後、操作不能になり、取り出しもできなくなった。

テープを巻き込んだかな?

ピンチローラーは、半年ほど前に新品に交換したばかりだが…

関連:[SONY] ピンチローラーの交換(型式と大きさ) [カセットデッキ]

ケースを開けて、メカ部を取り出す。

幸いにも、テープは巻き込んでいない模様。

モードベルトがズレて外れていた。

この状態で掛けるのは難しいし、ベルトにグリスが付いているようなので、メカ部の分解に進む。

モードベルトにたどり着くには、カセットホルダーを外し、アイドラーも外す必要がある。

本機のアイドラーは、ギア欠けの起こりにくい白いギアだったが、TC-K710Sにも、欠けやすい茶色透明のギアが使われていることがあるので、要確認。

関連:[SONY] アイドラーのギア欠け(X-3356-641-1) [カセットデッキ]

モードベルトに到達。

やはり外れている。

外れたことにより、グリスが付いてしまっている。

ベルトだけでなく、ベルトが掛かるギアとモーター側のプーリーの溝も掃除する。

ベルトが若干太いので、外れたのかな?

φ22前後の1.5mm角であるが、もう少し細い方が外れにくいと思われる。

この部分に一時的に掛けておき、後でピンセットで掛ける。

メインギアの凸を下にし、エンコーダーの凹を下にして、噛み合わせる。

開閉ギアの凸を、若干右に寄せておく。

基板を載せた後、モードベルトをピンセットで掛けた。

キャプスタンベルトは、φ65×0.5×5mmのもの。

関連:[SONY] ゴムベルトの交換(型式と長さ) [カセットデッキ]

これも、ここに一時的に掛けておき、後でピンセットで掛ける。

TC-K710Sは、TC-K700Sとは異なり、フライホイールにミラーがある。

TC-K710Sのフライホイール

ここから赤外線を発し、ミラー反射を読み取り、回転速度を取得している。

これとクォーツ(水晶振動子)、そしてリアルタイムで回転制御可能なキャプスタンモーター(MMI-6H2LWK)により、シングルキャプスタンながらも、精度の高いテープ送りを実現している。

TC-K710Sのクォーツ(水晶振動子)
TC-K710Sのクォーツ(水晶振動子)

関連:[SONY] キャプスタンモーター(MMI-6S2LKS/MMI-6S2LK/MMI-6H2LWK/MMI-6H2LWKC) [カセットデッキ]

これが「クォーツロックサーボ」だ。

QUARTZ

TC-K710Sのキャプスタンの軸受けにはサファイアが使われている。

サファイアキャプスタンベース_TC-K710S

前モデルのTC-K700Sのキャプスタンモーター(MMI-6S2LK)は半固定抵抗なので、リアルタイムでの回転制御ができず、クォーツ(水晶振動子)もなく、回転取得もできない。

軸受けはサファイアではなく、単なる黒いプラスチックである。

以上の差により、ワウ・フラッターも改善している。

TC-K700S
 ±0.09% Wpeak
 0.045% WRMS

TC-K710S
 ±0.065% Wpeak
 0.045% WRMS

ということで、TC-K710SとTC-K700Sなら、TC-K710Sを選ぶべき。

メカ比較_TC-K710S_TC-K700S
↑(左)TC-K710STC-K700S(右)

唯一の難点は、TC-K710Sは、カセットリッドが飛び出ていて格好悪いことか…

カセットリッド_TC-K710S_TC-K700S
↑(左)TC-K710STC-K700S(右)

外国人向けのデザイン(=海外モデル)のカセットリッドを流用したため?

リサジュー図形

アジマス調整前/後のリサジュー図形。


関連:カセットデッキのアジマス調整の方法

関連:カセットデッキのアジマス調整用ネジの場所

関連:[SONY] TC-K710Sのコンデンサ劣化調査 [カセットデッキ]

TC-K710S:1995年発売
TC-K700S:1993年発売

2004年時点での、SONYによる消耗部品の交換:1万円強(TC-K710S/TC-K700Sとも同価格)

交換内容
キャプスタンモーター
キャプスタンベルト
モードベルト
リーフスイッチ(テープ検出等)
ロータリーエンコーダー
ピンチローラー

当時はSONYに部品の在庫があったこともあり、モーターやロータリーエンコーダーを分解して直すようなことはしない。

消耗部品の交換は2004年時点での話であり、2021年時点で、SONYは修理を受け付けていない。

補修用性能部品の保有期間が経過したからである。

関連:[SONY] 製造打切年/補修用性能部品保有期間/修理対応終了年 [オーディオ]

SONYの最後のカセットデッキ?である、2003年に発売のTC-RX2000Tでも、既に18年が経過しているので、SONYのカセットデッキは全て、もはや修理依頼ができないということだ。

よって、修理業者に依頼するか、自力で直すことになるが、ゴムベルトやピンチローラーのように互換品があるものは互換品を使い、キャプスタンモーターロータリーエンコーダーのように互換品がないものは、強引に分解して直すか、アイドラーギアのように直せないものは、ジャンク機から移植するしかない。

関連:[SONY] 3ヘッド機対決(比較) [TC-K222ESJ,TC-K710S,TC-K700S]

関連:[SONY] ゴムベルトの交換(型式と長さ) [カセットデッキ]

関連:[SONY] キャプスタンモーター(MMI-6S2LKS/MMI-6S2LK/MMI-6H2LWK) [カセットデッキ]

関連:[SONY] アイドラーのギア欠け(X-3356-641-1) [カセットデッキ]



2022年11月20日

Posted by nakamura