[SONY] TC-K222ESAの分解修理と怪奇現象 [カセットデッキ]
1991年に発売された、SONYのカセットデッキである、TC-K222ESAを手に入れた。
後継のTC-K222ESJ(1993年発売)を持ってるのに(笑)
TC-K222ESAは、税別6万円で、TC-K222ESL(1990年)の後継機。
1991年のイベント
・千代の富士引退
・東京都庁が西新宿に移転
・ジュリアナ東京オープン
・小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」
・CHAGE and ASKA「SAY YES」
・中山美穂「遠い街のどこかで…」
・海部俊樹首相が退陣表明、後継首相は宮澤喜一
・信楽高原鐵道列車衝突事故
・長崎県の雲仙普賢岳で火砕流発生
・クウェートで湾岸戦争が勃発
1991年10月23日
・眞子内親王 御誕生!!
1991年には、オートリバース機では、TC-RX77(39,800円)が発売されている。
TC-RX77も持ってる(笑)
今回のTC-K222ESA、扉開閉、早送り、巻き戻しはできるが、再生ができない状態。
また、テープ検出(NORMAL/CrO2/METAL)が、素早くランダムに切り替わってしまう不良。
ケースを開け、メカ部を取り出す。
取り出したメカ部を分解。
アイドラーのギア欠けはないようだが、色が不穏?
関連:[SONY] アイドラーのギア欠け(X-3356-641-1) [カセットデッキ]
若干伸びていた、モードベルトの交換を行った。
キャプスタンベルトは、おそらく当時のままのようだ。
長さを測ると、折長115mm(直径計算73mm)なので、若干伸びているかもしれないが、テンション的にそのまま使えそうなので、交換はせず。
関連:[SONY] ゴムベルトの交換(型式と長さ) [カセットデッキ]
フライホイールとキャプスタンを掃除。
ロータリーエンコーダーの分解掃除は、今はしない。
関連:[SONY] ロータリーエンコーダー(1-466-238-11,1-466-525-11)の分解と清掃 [カセットデッキ]
テープ検出用のリーフスイッチには、接触不良が生じていると思われるので、
関連:[SONY] リーフスイッチの不良と修理 [カセットデッキ]
分解し、接点ブライトを付け、紙をはさんで接点を磨いた。
分解/組立時に注意しないと、突起が破損し、カバーが固定できなくなるので注意。
カバーを広げながら外し、磨き後、カバーを広げながら付ける!
液漏れしがちなキャプスタンモーター裏の2個のコンデンサは、液漏れはしていない模様。
関連:[SONY] ES機の電解コンデンサの液漏れについて [カセットデッキ]
予防措置として交換すべきだが、動作確認を優先するため、とりあえずそのまま。
ピンチローラーは両方とも掃除すれば使えるレベルだったので、交換はせず。
関連:[SONY] ピンチローラーの交換(型式と大きさ) [カセットデッキ]
送り側は、位置を正しくしないと、テープを噛んでしまうので、しっかり合わせること。
カセットホルダーは、ESJ(黒)とは異なり白色。
カセットホルダーの内側にはソルボセインが使われている。
ヘッドの青い4点は、パッドプレッシャーリダクション(詳細はコチラ)だが、あまり意味はないと思われる(笑)
組み直し、再生できることを確認した。
再生できなかったのは、モードベルトが伸びていたため、ヘッドが上がらなかったのが原因だろう。
だが、どのテープを入れても「METAL」になってしまう。
リーフスイッチは磨いており、スイッチ単体の導通も確認したはずでは?
色々悩んだが、メカ部につながるケーブルに触れると「METAL」が消えるので、接触不良?
見た目的には問題なさそうだが、該当箇所に再ハンダを行う。
これで、テープ検出の問題は直った。
だが、LINE IN に何も入れていない状態で「SOURCE」にすると、メーターが振れる、謎の怪奇現象!
ヘッドホンを接続するも、不審な音は出ていないので、メーターだけの問題?
INPUTを押して、入力を切り替えても同じ。
そのためか、CALIBRATIONがフラついて調整できない。
再生(TAPE)時は問題ないかと思われたが、リーダーテープのような無音部分で、やはり振れている。
振れ方が怪しげな脈動、これは霊の叫びだろうか?
基板上の銅板のハンダ割れが原因ではないかという情報があった。
ハンダ面を見るには基板を取り外さないとならないので、調査は後日…
関連:[SONY] TC-K222ESAの基板修理 [カセットデッキ]
TC-K222ESAとTC-K222ESJの比較
TC-K222ESAがTC-K222ESJに比べ優れていると思う点。
・FL管内のピークメーターが長い
ESJはセンターメカのため小さくなった
・入力が2系統(LINE INとCD DIRECT)ある
ESJは1系統(LINE INとCD DIRECTの切替えは可能)
↑TC-K222ESAの背面端子
入力が2系統あると、CD DIRECTをにUSB DAC(PC)、LINE INにラジオをつなげたりと、何かと便利なのだ。
・DISPLAY MODEボタンがある
ESJでは本体から削除されたので、リモコンでやるしかない
・MPX FILTER/DOLBY HX PRO/CALIBRATIONなどのボタンが大きく押しやすい
ESJは小さすぎ
↑TC-K222ESJのボタン
・DOLBYの種類/MPX FILTER/DOLBY HX PRO/INPUTがFL管に表示される
ESJでは表示されない!
↑TC-K222ESJのFL管のパターン
TC-K222ESJのFL管の意味不明さ(大幅劣化)については、以下の記事に詳しく書いている。
逆に、TC-K222ESJが優れている点。
・DOLBY Sに対応している
ESAはCまで
関連:[SONY] Dolby S NR 対応機種 [カセットデッキ]
・MONITORボタンの形状
ESAは薄く押しにくい上に、押した感触も悪い
その他
ESAは、若干見下ろす角度の時、FL管の下部に変な映り込みがある。
AMS(オートマチックミュージックセンサー)は、TC-K222ESAもTC-K222ESJも前後1曲のみ、前後30曲になるのはKAシリーズ(TC-KA3ES/TC-KA5ES/TC-KA7ES)から。
どの機種を選択するか
TC-K222ESGは見た目が古臭いし、
↑TC-K222ESG(1989年)
TC-K222ESLの光沢(映り込み)のあるカセットリッドが気に食わん!という向きには、
↑TC-K222ESL(1990年)
現代風デザイン(謎)のTC-K222ESAやTC-K222ESJが狙い目。
↑TC-K222ESA(1991年)
↑TC-K222ESJ(1993年)
オートリバース機を上に積むなら、左メカのTC-K222ESAならTC-RX77、センターメカのTC-K222ESJならTC-RX711(1993年)/TC-RX715(1994年)/TC-RX1000Tなどが最適だ。
↑TC-RX715
TC-KA3ES(1995年)はFL管の劣化が解消されており、AMSも前後30曲と進化しているが、
カセットリッドのデザインが最悪であり、最後のES機ということで、中古価格が高すぎる!
関連:[SONY] ESシリーズの変遷と比較(ESG→ESL→ESA→ESJ→KA*ES) [カセットデッキ]
関連:[SONY] 3ヘッド機対決(比較) [TC-K222ESJ,TC-K710S,TC-K700S]
関連:[SONY] TC-RXシリーズの変遷と比較 [オートリバース機]
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