[SONY] TC-R302とTC-R303の比較 [オートリバース]
1986年に発売されたTC-R302と、翌年に発売されたTC-R303の比較。
TC-R303は1年後であり型式からも分かるように後継機、価格は39,800円で同じ、外観にも大差なしだが、両機の違いは?
1986年(昭和61年)のイベント
・スペースシャトル「チャレンジャー号」爆発(1月28日)
・ハレー彗星接近(2月9日)
・岡田有希子が以下略(4月8日)
・チェルノブイリ原子力発電所事故(4月26日)
・ドラゴンクエスト発売(5月27日)
・「太陽にほえろ!」が終了、14年4ヶ月の歴史に幕(11月14日)
・伊豆大島の三原山が噴火、全島民が島外に避難(11月15日)
・フライデー襲撃事件(12月9日)
・余部鉄橋の列車転落事故(12月28日)
・渡辺美里「My Revolution」(1月22日)
・国生さゆりwithおニャン子クラブ「バレンタイン・キッス」(2月1日)
・テレサ・テン「時の流れに身をまかせ」(2月21日)
・吉幾三「雪國」(2月25日)
・アン・ルイス「あゝ無情」(4月21日)
・レベッカ「RASPBERRY DREAM」(5月2日)
・荻野目洋子「六本木純情派」(10月29日)
1987年(昭和62年)のイベント
・国鉄分割民営化により日本国有鉄道が解散、JRに事業継承(4月1日)
・金賢姫による大韓航空機●●事件(11月29日)
・ファイナルファンタジー発売(12月18日)
・TM NETWORK 「Get Wild」(4月8日)
・アン・ルイス「天使よ故郷を見よ」(5月1日)
・光GENJI「ガラスの十代」(11月26日)←作詞・作曲:飛鳥涼
・柴田恭兵「ランニング・ショット」(12月21日)
発売年と価格
・TC-R302(1986年) 39,800円
・TC-R303(1987年) 39,800円
価格は両機とも同じ。
掲載カタログ
関連:[SONY] カセットデッキ 総合カタログ [1986年6月]
関連:[SONY] カセットデッキ 総合カタログ [1986年10月]
関連:[SONY] カセットデッキ 総合カタログ [1987年2月]
関連:[SONY] カセットデッキ 総合カタログ [1987年5月]
外観
↑TC-R302(1986年) 39,800円
TC-R303(1987年) 39,800円
機械式のカウンター、LCD(液晶)ピークレベルメーター、テープ種別手動選択等、外観には大差ない。
# LCD(Liquid Crystal)であり、LED(Light Emitting Diode)ではない。
動画
↑TC-R302
↑TC-R303
TC-R302(1986年)
TC-R302は、ソニーの最新のデッキ技術を投入したコストパフォーマンスの高い録再オートリバースデッキ。
デジタルソースに対応するハイレベルな基本性能をベースに、豊富な機能を使いやすくまとめ、シンプルな操作性を追求しました。
また、コンポサイズで風格を感じさせるデザインも魅力。
テープミュージックを、いい音で、とても気軽に楽しめます。
・片面だけの録音/再生、両面にわたる録音とBGMリスニング最適な両面連続再生の2モードが選べる録再オートリバース機能
・ドルビーNR B-Cタイプ搭載
・再生ポーズ状態で早送り、早送りをすると録音内容を素早く確認できるCUE&REVIEW機能
・FMエアチェック時などに、曲間の長さをそろえた録音が簡単にできるオートスペースつきREC MUTE
・巻戻し完了後、自動的に再生を始めるオートプレイ機能
・見やすい12セグメント×2chのLCD(液晶)ピークレベルメーター
・テープ走行状態がひと目でわかるテープオペレーション・インジケーター
・フェザータッチオペレーション
・別売ユニットRM-88(10,000円)によりワイヤレスリモコン可能
・ライン/マイク自動切替え機構つきマイク入力端子
・別売タイマーによる留守録音/目覚まし再生
・ヘッドホン端子
・ソニーのプレーヤー、CDプレーヤーとのシンクロプレイ可能
TC-R303(1987年)
LC-OFC巻線を採用して、さらに音質を磨いたレーザーアモルファス録再ヘッド搭載
録再ヘッドには、コア材に優れた磁気特性をもつアモルファス合金を使用し、さらにヘッド巻線にはLC-OFCを採用して音質を一段と磨き上げました。
LC-OFCは、純度99.995%以上の無酸素銅の結晶を巨大化し、容量リアクタンスによるひずみを激減させたもの。
優れたSN比と高域特性をもつこの高性能ヘッドが、デジタルソースのもつ高いクオリティを鮮やかに捉えます。
2タイプのテープ走行モードがワンタッチで選べるディレクションモード・スイッチを装備
TC-R303は、使用用途に合わせて、2タイプのテープ走行モードがワンタッチで選択可能。
モードでは片面だけの録音/再生、モードでは両面にわたる録音とBGMリスニングなどに便利な両面連続再生が行えます。
・ドルビーBR・Bタイプに加え、よりダイナミックレンジの広い録音/再生を可能にするCタイプも装備しました。
・カセット収納部に、テープ走行の安定性をさらに高める新機構ツインロック・カセットホールディングメカニズムを採用。
これにより、カセットハーフをより確実にホールドして、テープ走行中のハーフのカタつきや振動を軽減。
モジュレーション・ノイズの発生が減少し、一段と忠実度の高い録音/再生を可能にしています。
・CUE&REVIEW機能を装備。
STOP状態から、PAUSEを押して早送り、早戻しをすると録音内容を素早く確認でき、聴きたい曲を探すときやテープ編集時などにとても便利な機能です。
・FMエアチェック時などに、曲間の長さをそろえた録音が簡単にできるオートスペースつきREC MUTE。
・テープの走行方向をはじめ、PLAY、REC、PAUSEなどの操作状態を見やすく集中表示するテープオペレーション・インジケーター装備。
・見やすい12セグメント×2chのLCD(液晶)ピークレベルメーター
・巻戻し完了後、自動的に再生を始めるオートプレイ機能
・軽快な操作フィーリングのフェザータッチオペレーション
・ライン/マイク自動切替え機構つきマイク入力端子
・別売ユニットRM-88(10,000円)によるワイヤレスリモコン可能
・別売タイマーによる留守録音/目覚まし再生
・ソニーのプレーヤー、CDプレーヤーとのシンクロプレイ可能
・ヘッドホン端子
TC-R302とTC-R303の違い
上記説明にもあるように、ヘッドが異なる。
TC-R303は、レーザーアモルファス録再ヘッドを搭載。
ソニーは音質向上を目指し、1986年11月以降発売の全モデル(当時)に、LC-OFC巻線レーザーアモルファスヘッドを採用。
TC-R302は1986年10月のカタログに掲載されているので、これ以前であり、TC-R303は1987年の発売なので、これ以降となるので、この「宣言」が当てはまる。
関連:[SONY] LC-OFC/PC-OCC巻線レーザーアモルファスヘッド [カセットデッキ]
TC-R303は、「ツインロック・カセットホールディングメカニズムを採用」とあるが、TC-R302のロックは向かって左側のみで(右側は例のゴムリングであり、ロック機能はない)、カセットホルダーを開けると、下図のように、リール穴が開いているプレートが手前に出てくるが(後述のTC-R502も同じ)、TC-R303ではプレートが手前に出てくる機構は廃止され、シンプルな左右ロックとなった。
機構的には簡素化され、コストダウンに成功している。
TC-R303は、高さが5mm高い。
仕様
レーザーアモルファスヘッドの有(TC-R303)/無(TC-R302)の差はあるが、以下の仕様に於いては、外形寸法(高さ)以外は同じ。
ヘッド:消去×1 録再×1
モーター:DCサーボモーター×1 DCモーター×1
SN比
・56dB(ドルビー NR OFF)
・71dB(ドルビー NR C)
周波数特性:30Hz-15kHz ±3dB(METALカセット)
周波数範囲:20Hz-16kHz(METALカセット)
ワウ・フラッター:±0.1%Wpeak 0.07%WRMS
ひずみ率:0.5%(METALカセット)
外形寸法
・TC-R302:幅430x高さ105x奥行255mm
・TC-R303:幅430x高さ110x奥行255mm
重さ:3.9kg
消費電力:17W
製造打切年等
TC-R302
・製造打切年:1986年12月
・補修用性能部品保有期間:8年
・修理対応終了年:1994年12月
TC-R303
・製造打切年:1988年3月
・補修用性能部品保有期間:8年
・修理対応終了年:1996年3月
両機とも修理対応終了年から25年以上経過しており、SONYは修理を受けない。
関連:[SONY] 製造打切年/補修用性能部品保有期間/修理対応終了年 [オーディオ]
上位機種:TC-R502
TC-R302と同年の1986年に、上位機種(3万円高)であるTC-R502が発売されているが、
↑TC-R502(1986年) 69,800円
ドルビーHX PROやFL管、リニアカウンター搭載など、スペック的には上。
関連:[SONY] TC-R502(1986年発売) レビュー [カセットデッキ]
TC-R303もTC-R502も、レーザーアモルファスヘッド搭載だが、
TC-R303
102:X-3391-121-1 HEAD ASSY, ROTARY
TC-R502
224:X-3391-132-1 HEAD ASSY, ROTARY
と、回転ヘッドのパーツ番号が違う。
関連:[SONY] TC-K501ESとTC-R502の比較 [オートリバース]
海外モデル
海外には「TC-R503」「TC-R503ES」というモデルが存在し、メカは「TC-CMAY B-12」で、TC-R303と同じメカ。
↑TC-R503ES
後継機
TC-R303の後継として、
・TC-RX50(1988年) 39,800円
・TC-RX51(1988年) 39,800円
・TC-RX55(1989年) 36,900円
が出た。
カウンターが機械式からデジタルとなったものの、モーターが2個→1個へと減少し動作緩慢となり、平ベルト→角ベルトでワウ・フラッター悪化と、メカ部は劣化している。
↑TC-RX55の角ベルト
関連:[SONY] メカデッキ(TCM-110/TCM-CMAY/TCM-170/TCM-200/TCM-190)について [カセットデッキ]
どちらを選ぶか
当然、レーザーアモルファスヘッド搭載のTC-R303を選ぶことになろうか?
だが、機械式のカウンター、ピークメーターがFL管ではない、テープ種別手動選択等、当機に思い入れがない限り、使用には厳しい。
上述のように、後継機のTC-RX50/TC-RX51/TC-RX55は、低質メカで動作緩慢で悲惨。
↑TC-RX55(1989年) 36,900円
となると、選ぶべきは、メカが一新されたTC-RX70(1990年)以降となろう。
関連:[SONY] TC-RX70(1990年発売) レビュー [カセットデッキ]
電動扉など新し過ぎて嫌!なら、同じ系統のメカ(TCM-CMAY)搭載のTC-K500R(1989年)か…
↑TC-K500R(1989年) 54,800円
関連:[SONY] TC-K500R(1989年発売)のレビュー [カセットデッキ]
関連:[SONY] TC-K500RとTC-RX55の比較 [1989年]
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