[SONY] クイックリバース(QUICK REVERSE)機能 [カセットデッキ]
クイックリバースとは
クイックリバース機能が搭載されているカセットデッキがある。
↑カセットリッドに「QUICK REVERSE」の文字列(TC-RX711/TC-RX715/TC-RX1000T)
クイックリバース機能というのは、テープ終端のリーダーテープに入った瞬間に、リバースする機能のこと。
再生時だけでなく、録音時にも有効だ。
テープ末端を待たずにリバースするので、再生時の音切れが少なくなり、録音時には音の欠落が少なく済む。
クイックリバース機能を搭載しているシングルカセットデッキは、以下の通り。
・TC-FX707R:1983年発売
・TC-K501ES:1985年発売
・TC-R502:1986年発売
・TC-RX80:1988年発売
・TC-K500R:1989年発売
・TC-RX70:1990年発売
・TC-RX77:1991年発売
・TC-RX79:1992年発売
・TC-RX711:1993年発売
・TC-RX715:1994年発売
・TC-RX1000T:1994年から2003年8月まで生産
当然ながら、リバース機ではない機種は含まれない。
↑「QUICK REVERSE」の文字列がない(TC-RX2000T)
リバース機であっても、旧メカ(TCM-170)以前や、廉価メカ(TCM-190)だと非搭載。
前者はTC-RX55(1989年)までの機種、後者はTC-RX311(1995年)、TC-RX300(1996年)など。
特にTC-RX311は、外観がTC-RX7xxに見えるが廉価メカなので注意が必要である。
関連:[SONY] メカデッキ(TCM-110/TCM-CMAY/TCM-170/TCM-200/TCM-190)について [カセットデッキ]
クイックリバースの仕組み
クイックリバースは、消去ヘッドの隣にあるテープガイドの底から赤外線を上に向けて発射し、ミラー(鏡)で反射して返ってくるか否かで判別している。
↑左のテープガイドに注目
↑中央突起の裏にミラー(鏡)
普通の(黒/茶)のテープは赤外線を透過しないが、リーダーテープは赤外線を透過するので、それで検知している。
赤外線を検知→リーダーテープと判断→リバース、という処理である。
なので、赤外線発射部分や、対向にあるミラーが汚れていると、クイックリバースが機能しない。
ヘッド側はくぼみになっていてホコリが溜まりやすいのだが、狭い箇所のため、綿棒では掃除できないことがある。
爪楊枝の先などで、掃除しておこう。
赤外線部は、消去ヘッド側のテープガイドにしかないので、反対側の留意は不要。
ミラー側は、下を向いているのでホコリは溜まらないが、修理やメンテナンスの際にグリスが付着してしまうことがある。
掃除をしてもクイックリバースが機能しない場合、クイックリバースに係る線(3本)が切れていないかを確認する。
↑左側の3本がクイックリバース用
搭載機には、基板上に、クイックリバース調整用のVRがある。
RV801(QuickReverse):1-238-019-11 RES,ADJ,CARBON,47K(TC-RX715)
なお、テープの終端付近で再生/録音を開始した場合はクイックリバースが機能しないが、これは仕様なので、クイックリバースの動作チェック時には注意されたい。
当然ながら、リーダーテープのない特殊なカセットや、自分でリーダーテープ除去したようなカセットでも動作しない。
関連:[SONY] TC-RXシリーズの変遷と比較 [オートリバース機]
関連:[SONY] TC-RX715とTC-RX1000Tの比較 [兄弟機]
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません