[SONY] ツマミの固着と解消方法 [カセットデッキ]
前面操作部にあるツマミが固着し、回しづらい/回せなくなる現象がある。
部品内部のグリスの固着が原因で、気温が下がり、グリスが固くなる冬場に顕著になる。
固着発生機
1992年発売のTC-RX79で頻発するが、
↑TC-RX79(1992年) 39,800円
関連:[SONY] TC-RX79(1992年発売) レビュー [カセットデッキ]
同じ部品を使っているTC-RX77(1991年)でも発生するかもしれない。
固くなるツマミは、「BALANCE」と「BIAS」の2個。
↑縦に並ぶのが「BALANCE」と「BIAS」。
翌年発売の、TC-RX711以降のモデルよりもツマミが小さいので、固くなると回しづらい。
「BALANCE」は中央のままで済むことが多いので問題にならないかもしれないが、「BIAS」は回すことが多いから、回らないと困る。
固着の解消方法
天板を開け、前面パネルを外し分解、該当箇所一式を外す。
この部位を取り外すには「BALANCE」と「BIAS」のツマミだけでなく、「DOLBY NR」と「REC LEVEL」のツマミも外す必要がある。
ツマミが固くて抜けない場合は、傷が付かないよう、ツマミをゴムシートで挟み、ペンチ掴んで抜く。
「REC LEVEL」は、ツマミを引き抜いた後、ナットで固定されているので注意。
「BALANCE」と「BIAS」の軸の隙間(目視できる幅はない)から、パーツクリーナーか無水アルコールを流し込み、ツマミを回し、固着したグリスを溶かしていく。
パーツクリーナーは付属のノズルで隙間に吹き付けるが、無水アルコールはノズルがないから、以下のような注射器風のスポイトで送り込む。
金属パイプのスポイトは、100円ショップの化粧品売場に置かれている(化粧品等の容器詰替用)。
流し込んで回し、流し込んで回す。
これを何度か行うと、かなり回しやすくなるはずだ。
だが、回しやすくなったことの確認後に組み立て、数時間後に確認すると、回らないほどではないが、固くなっている。
パーツクリーナーや無水アルコールが軸の内部に残っている間は、グリスが溶けて回りやすくなるが、その後、これらが蒸発してしまうと、再びグリスが固着してしまうのだ。
1時間くらいかけて何度も溶かしても、やはり時間を置くと固くなってしまう。
グリスが部品内から出ない限り、何度繰り返しても同じだと思われる。
分解を伴うため、都度溶かすのは無理(面倒)なので、別機を入手し、該当部品だけ交換するとか。
無水アルコールを器(うつわ)に入れ、その中に該当部分を浸けて放置するという方法も考えられるが、グリスが外部に出るとは考えにくいので、結局無駄に終わる?
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