[SONY] TC-K222ESJ [分解編]
1993年前後に発売された、SONYのTC-K222ESJ。
このチャンネルも、遂にES機に到達した(笑)
海外では「TC-K909ES」なのかな?
スペックは上記の通り。
Dolby NRがタイプSに対応。
だが、曲間検知(AMS)が1曲しかできない。
(複数対応は後継のTC-KAシリーズから)
重量は約7.4kg、重い。
K700S/K710SやRX(オートリバース機)は約4.8kgなので、持つとすぐに分かる。
側面だけでなく、天面にもネジがある。
他機にはない梁(はり)がある。
メカ部は、K700S/K710SやRXと差異はあるものの、事前にネットで情報を集めておけば、大きく迷うことはないレベル。
カセットホルダーの内側、ソルボセイン?
(他機にはない)
問題となるコンデンサを調べるも、液漏れしていないので、ひとまず放置。
モードベルトが溶けていた。
他機と同じくφ20mm(角型)である。
キャプスタンベルトは、まだ使えそう。
測ってみたところ、折長115mm、幅3.3mmであった。
折長115mm=φ73mmとなるが、劣化による伸びを考慮すると、交換するならφ70mmが妥当だろう。
幅はこのように余裕があるので、4mmや5mmでも大丈夫?
軸受けは高硬度・低摩擦係数のサファイアが使われている(Lapis)。
(但し、巻き取り側のみ)
他機とは異なり、送り(サプライ)側の機構がある。
(クローズドループ デュアルキャプスタン)
ピンチローラーは、左右とも清掃で使えそうなので、エタノールで掃除。
送り側のピンチローラーは、測ってみたところ、10.8mm、8mm、2mm。
交換するなら11mm、8mm、2mmだろうね。
送り側の土台は金属なので他機と同じ方法ではピンチローラーを外せない。
軸を打ち抜く。
(本体向かって奥から手前側に)
送り側は、その距離(21.1mm)に注意。
これが狂うと、テープがクシャクシャになってしまう。
調整後、例の緩み止め剤を付ける。
この十字部品はプラスチックなので、何度か調整するとネジ山が消えてバカになるだろう。
ソニータイマーは、あらゆるところに確実に漏れなく仕掛けられている。
軸抜けはない模様。
(工場出荷時は47.7mm?)
巻き取り(テイクアップ)側は13mm、8mm、2mmで、他機と同じようだが、軸が真鍮?
一通り組んで音出しを確認、録音その他の機能も確認。
ワウ・フラッターは、0.1%前後と優秀。
(但し、テープが信用できない)
クォーツロックサーボなので、モーターの速度を調整する必要がない。
まぁ、これはK710Sでも同じだが。
クォーツロックサーボ
Lapis(サファイアキャプスタンベース)
他機とは異なり、電源ON時の音が非常に静か。
他機は、テープを回していなくても、電源ON時にモーター音がするが、本機はほとんどしない。
アジマス調整は、ヘッドの向かって左下のネジ。
アジマスを調整して完了だが、再生開始時に、左側のリールが回っていないことに気付く。
再生後、しばらくすると回り出す。
どうも、早送り後の慣性で左側のリールが余計に回り、テープがケース内に余る(たるむ)ので、
再生時にそれが巻き取られるまでの間、リールが回らないものと思われる。
この症状は、K700S/K710SやRX(オートリバース機)では機構的に発生しない。
そういえば、分解した時に、左側のリールにパッドがあったが、これが慣性による回転を止める役目?
パッドに汚れは確認できなかったが、経年劣化で摩擦が失われているのか?
それとも、上昇(押さえ付け)が遅れているのか?
また分解か…
↑TC-K222ESJの基板
関連:[SONY] TC-K222ESJのメンテナンス [カセットデッキ]
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テープが慣性で回る問題は、リール間、かつ、アイドラーギアの下にあるリールをロックする白いY字型部品の動作不良?
テープの頭で時々イジェクトできない不具合もあることから、おそらくそうだと思われる。
関連:SONY TC-K222ESJ (1993年発売)
関連:左側ピンチローラー (TECHSPACE)
関連:右側ピンチローラー (TECHSPACE)
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