[SONY] 海外モデルについて [カセットデッキ]

2023年7月3日



SONYのカセットデッキは、海外(専用)モデルの方が、種類が多くて面白い。

・ES機ではない、廉価版の3ヘッド機が豊富。
・日本では全くES機に達しないようなレベルの機種にもESが付いていることがある(TC-RX50ES等)。
・QS(Quality Series)が付く機種がある(日本にはない)。
・LEDのピークメーターと回転式カウンター搭載のような廉価機が多数。

但し、入手には手間と費用がかかり、電圧(100/120/220/240V)や周波数(50/60Hz)にも注意する必要がある。

当方が気になる海外モデル

・1位:TC-K690≒TC-K679ES
・2位:TC-K670≒TC-K677ES
・3位:TC-K590

TC-K690
↑TC-K690(1991年-1992年)

日本では発売されていない、TC-RX77/TC-RX79風の見た目の3ヘッド機が気になる。

詳細は以下にて。

TC-K690≒TC-K679ES

当方が気になる海外モデル第1位。

1991年-1992年


↑TC-K690


↑TC-K679ES

メカデッキ
・TC-K690:TCM-200V10
・TC-K679ES:TCM-200V9

TC-RX77/TC-RX79風の見た目だが、3ヘッド機。

TC-K690のカセットリッドはTC-RX77風で、TC-K679ESはTC-RX79風。

平ベルト2本による、クローズドループ デュアルキャプスタン。

モニター(SOURCE/TAPE)可能。

CALIBRATION機能あり(BIASとREC LEVEL)。

ヘッドホン端子あり、音量調整可能。

表示切替(DISPLAY MODE)あり。

キャプスタンモーター:X-3356-635-1 MOTOR(CAPSTAN R2) ASSY

AC 120V 60Hz 19W

以下、TC-K690の写真。

TC-K690
↑前面

TC-K690
↑カセットリッドはTC-RX77

TC-K690
↑「TAPE」は緑色

TC-K690
↑CALIBRATION(BIASとREC LEVEL)可能

TC-K690
↑ヘッド部

TC-K690
↑ヘッド部拡大

TC-K690
↑AC 120V 60Hz 19W

TC-K670≒TC-K677ES

当方が気になる海外モデル第2位。

1990年


↑TC-K670


↑TC-K670


↑TC-K670

メカデッキ
・TC-K670:TCM-200V5
・TC-K677ES:TCM-200V4

TC-K670は、カセットリッドがTC-RX77風、TC-K677ESはカセットリッドがTC-K222ESL風の、光沢のあるものとなっている。

3ヘッド
左メカ

モーターは3個
平ベルト2本による、クローズドループ デュアルキャプスタン

1本のベルトは左右のフライホイールに、もう1本は送り側のフライホイール(正面から見て左)とモーターにかける。

2本のベルトをかけるので、フライホイールが太い。

ドルビーBとCに対応。
MPX FILTER搭載。
表示切替(DISPLAY MODE)あり。

ヘッドホン端子があり、音量調整可能。

INPUTはLINEとCD DIRECTがあり、切り替え可能。

キャリブレーション(BIASとREC LEVEL)が可能だが、キャリブレーションボタンがなく、ピークメーター上の矢印に合わせて…のような調整はできない!

下の動画のように、録音しながらMONITORを押してテープに切り替え、耳でキャリブレーションする必要がある。

このように、キャリブレーション機能が貧弱(後からすると意味不明)なので、第2位となった次第である。


↑TC-K677ES


↑TC-K677ES

レーザーアモルファスヘッド搭載は、TC-K677ESの方だけ?


↑TC-K670のメカ部分解


↑TC-K670の調整

クローズドループ デュアルキャプスタンではあるが、モーターはMMI-6S2LKSであり、リアルタイムの回転制御はできない。

TC-K670とTC-K690

TC-K670にキャリブレーションボタンを追加したのがTC-K690なのだろうが、入力切替(LINE/CD DIRECT)が削除されてしまった。

TC-K690

スイッチのスペースはあるのだから、そのまま残せばよかったものを…

TC-K590

当方が気になる海外モデル第3位。

1992年-1994年

下の動画は、カセットリッドが異なり、「3HEAD」とも書かれていないが、最初からなのか、傷や破損等の理由から、別機と交換したのかは不明。

TC-K590は3ヘッド機なので、普通なら「3HEAD」と書くはずであり、「3 MOTOR MECHANISM」だけということはないだろう。

メカデッキ:TCM-200V8

TC-RX77/TC-RX79風の見た目だが、3ヘッド機。

カセットリッドはTC-RX79風。

シングルキャプスタン。

ドルビーB/C搭載。

モニター(SOURCE/TAPE)可能。

CALIBRATION機能あり(BIASとREC LEVEL)。

ヘッドホン端子あり、音量調整可能。

MPX FILTER ON/OFF可。

表示切替(DISPLAY MODE)あり。

日本では、廉価3ヘッド機はTC-K600(1988年)の後は1993年のTC-K700Sまで出なかったが(ES機へ誘導するため)、もし出ていたら左メカの本機のようなものだっただろう。

関連:[SONY] 廉価の3ヘッド機(TC-K600,TC-K700S,TC-K710S) [カセットデッキ]

TC-K570

1991年-1992年

メカデッキ:TCM-200V7

TC-RX77/TC-RX79風の見た目だが、3ヘッド機。

カセットリッドはTC-RX77風。

シングルキャプスタン。

ドルビーB/C搭載。

モニター(SOURCE/TAPE)可能。

MPX FILTER ON/OFF可。

BIAS調整可能だが、CALIBRATION機能はない。

ヘッドホン端子(金メッキ)あり、音量調整可能。

表示切替(DISPLAY MODE)あり。

INPUT(LINE/CD DIRECT)切替可。

TC-K620=TC-K650ES

1989年-1990年

TC-K620
↑TC-K620

メカデッキ
・TC-K620:TCM-200V2
・TC-K650ES:TCM-200V3

TC-RX70風の見た目だが、3ヘッド機。

シングルキャプスタン。

モニター(SOURCE/TAPE)可能。

BIAS調整可能だが、CALIBRATION機能はない。


↑TC-K620の内部

ヘッドホン端子あり、音量調整可能。

表示切替(DISPLAY MODE)あり。

TC-RX370

1991年-1992年

メカデッキ:TCM-190RB12C

一見、TC-RX77/TC-RX79風に見えるが、テープカウンターはアナログ式で、表示部はFL管ではなくLED。

オートリバース機。

BIAS調整可能。

ヘッドホン端子はあるが、音量調整は不可。

メカは廉価版のTCM-190であり、テープ窓は光らず、扉も手動式。

LEDのピークメーターと回転式カウンターであり、相当な廉価機種だと思われる。

TC-K370

1991年-1992年

TC-K370

メカデッキ:TCM-190VB12C

一見、TC-RX77/TC-RX79風に見えるが、テープカウンターはアナログ式で、表示部はFL管ではなくLED。

2ヘッドだがリバース機構はなく片方走行。

BALANCEあり。

BIAS調整可能。

ヘッドホン端子はあるが、音量調整は不可。

メカは廉価版のTCM-190であり、テープ窓は光らず、扉も手動式。

TC-RX370からリバース機構を廃したモデル?

日本では電動メカ(TCM-200)に移行後の1991年に於いてもこのチープさ(特にLEDのピークメーターと回転式カウンター)であり、相当な廉価機種だと思われる。

TC-K490

1992年

TC-K490

メカデッキ:TCM-190VB11

TC-RX77/TC-RX79風の見た目だが、3ヘッド機。

シングルキャプスタン。

廉価メカなので、手動扉であり、テープ窓も光らない。

モニター(SOURCE/TAPE)可能。

BIAS調整可能。

CALIBRATION機能なし。

ヘッドホン端子ありだが、音量調整不可。

表示切替(DISPLAY MODE)なし。

TC-K500

1990年

メカデッキ:TCM-CMAY B26

日本のオートリバース機であるTC-K500R(1989年)と外観は似るが、オートリバースではなく(片方走行)、BALANCEがなく(意味不明)、REC LEVELが電動ではなく、リモコン受光部もない。

ドイツ専用?

関連:[SONY] TC-K500R(1989年発売)のレビュー [カセットデッキ]

TC-K600ES

1988年

メカデッキ:TCM-CMAY B-27

廉価3ヘッド機であるTC-K600の海外版。

関連:[SONY] 廉価の3ヘッド機(TC-K600,TC-K700S,TC-K710S) [カセットデッキ]

TC-K630ES

1989年

メカデッキ:TCM-CMAY B-27

TC-RX400

1988年

オートリバース機。

カウンターはアナログ。

TC-RX50(1988年)の廉価版のような機種。

TC-RX50ES

1988年

メカデッキ:TCM-170RB2

オートリバース機。

TC-RX50(1988年)の海外版。

何が「ES」なのか分からない(笑)

TC-RX55ES

1989年

メカデッキ:TCM-170RB11

オートリバース機。

TC-RX55(1989年)の海外版。

関連:[SONY] TC-K500RとTC-RX55の比較 [1989年]

TC-RX410

1989年

TC-RX410

オートリバース機。

メカデッキ:TCM-170RB13

廉価ヘッド、TIMERナシ、カウンターがアナログ、表示部はFL管ではなくLED。

TC-RX55(1989年)の廉価版のような機種。

TC-RX420

1990年

メカデッキ:TCM-190RB12

オートリバース機。

外観はTC-RX55に類似しており、FL管は同じ。

FL501 1-519-493-11 INDICATOR TUBE, FLUORESCENT

だが、2モーター、平ベルトなので、メカは全く別物であり、TC-RX300の系統。

TC-RX470/TC-K470

1991年前後

TC-K470
↑TC-K470

メカデッキ
・TC-RX470:TCM-200R7
・TC-K470:TCM-200V6

見た目はTC-RX77に類似した機種。


↑TC-K470

TC-RX470がリバース機で、TC-K470は片方走行。

関連:[SONY] TC-RX470とTC-K470 [海外モデル]

TC-K520

1990年-1992年

TC-K520

メカデッキ:TCM-200V1

左メカの2ヘッド機。

外観はTC-RX70、FL管はTC-RX77、片方向再生の廉価機。


↑カセットではなくスマホのフェイク

メカはTCM-200なので、オートリバースを無理矢理無効にした機種?

TC-K411

1993年-1994年


↑TC-K411


↑TC-K411


↑TC-K411の内部

メカデッキ:TCM-190VB11

センターメカの3ヘッド機。

廉価メカであり、扉は手動で、テープ窓も光らない。

キャリブレーション(BIAS、REC LEVEL)可。

ヘッドホン端子はあるが、音量調整は不可。

メカはTC-RX300の3ヘッド版的な感じ。

クォーツロックサーボやピッチコントロール機能はないモデルだが、キャプスタンモーターには4線のMMI-6H2LWKが使われている。

M2 X-3365-377-1 MOTOR ASSY, CAPSTAN

関連:[SONY] キャプスタンモーター(MMI-6S2LKS/MMI-6S2LK/MMI-6H2LWK) [カセットデッキ]

TC-K511S

1993年-1994年

3ヘッド、Dolby S。

TC-K511S
↑TC-K511S


↑TC-K511Sの内部

メカデッキ:TCM-190VB11

TC-K411にDolby Sを追加したモデル。

廉価メカであり、扉は手動で、テープ窓も光らない。

キャリブレーション(BIAS、REC LEVEL)可。

ヘッドホン端子はあるが、音量調整は不可。

メカはTC-RX300の3ヘッド版的な感じ。

M2 X-3365-377-1 MOTOR ASSY, CAPSTAN

クォーツロックサーボやピッチコントロール機能はないモデルだが、キャプスタンモーターには4線のMMI-6H2LWKが使われている。

関連:[SONY] キャプスタンモーター(MMI-6S2LKS/MMI-6S2LK/MMI-6H2LWK) [カセットデッキ]

TC-K415

1994年

メカデッキ:TCM-190VB14

安価な3ヘッド機。

日本にはないカセットリッド形状。

TC-K700S/TC-K710Sに似るが、電動扉ではなく、カセット窓も光らない。

ドルビーBとCに対応。

MPX FILTER搭載。

BIASとREC LEVELのキャリブレーションは可能。

ヘッドホン端子はあるが、音量調整不可。

モーターは3個ではなく2個。

3ヘッド機なので、モニターはできる。

最廉価の3ヘッド機。

TC-K515S

1994年

TC-K415にDolby Sを追加したモデル。

メカデッキ:TCM-190VB14

TC-K411/TC-K511S/TC-K415/TC-K515S

TC-K411にDolby Sを追加したのがTC-K511Sであり、TC-K415にDolby Sを追加したのがTC-K515Sであるが、では、TC-K411とTC-K415、TC-K511SとTC-K515Sの違いは何?

カセットリッドの違いだけのように見えるが…

TC-K615S

1993年

メカデッキ:TCM-190VB13

3ヘッド
センターメカ(TCM-190VB13)、2モーター
シングルキャプスタン
Dolby B/C/S搭載
MPX FILTER搭載
BIASとREC LEVELのキャリブレーションが可能
クォーツロックサーボ搭載

ヘッドホン端子(金メッキ)はあるが、音量調整不可

ドルビーS、クォーツロック、カセットリッドという点でTC-K710Sに似るが、メカはTCM-190なのでガチャガチャとうるさく、電動扉ではなく、テープ窓も光らない。


↑TC-K615Sの内部


↑TC-K615Sの内部

このように、廉価メカでありながら、クォーツロックサーボ搭載という謎のバランスが、海外機に於いては面白い。

TC-RX300=TC-KE200=TC-KE300=TC-KE400S

1996年-2001年

TC-RX300_カタログ
↑TC-RX300


↑TC-KE200


↑TC-KE300


↑TC-KE300


↑TC-KE400S


↑TC-KE400Sのベルト交換

メカデッキ
・TC-RX300:TCM-190RB12C
・TC-KE200:TCM-190VB22CS
・TC-KE300:TCM-190VB12CS
・TC-KE400S:TCM-190VB12CS

TC-RX300は、日本では最後期(1996年)のオートリバース機であるが、世界では200/300/400と、数字がえらく広い。

メカがTCM-190、かつ、前面パネルもプラスチックの廉価機。

TC-K215

1994年

メカデッキ:TCM-190VB22CS

・片方走行
・カウンターは実時間ではない
・手動扉
・テープ窓は光らない

ヘッドを見るに、かなりの低価格機種?

TC-K315

1994年

メカデッキ:TCM-190VB12CS

TC-K215にAUTO CALを追加した機種。

TC-K311

1993年-1994年

メカデッキ:TCM-190VB12CS

TC-RX311(1995年)のリバースを無効にした機種?

TC-K361

1995年

メカデッキ:TCM-190VB12CS

2ヘッド機だが、片方再生のみ。

電動扉ではなく、テープ窓も光らない。

AUTO CAL搭載。

ヘッドホン端子はあるが、音量調整不可。

TC-RX361

1995年

メカデッキ:TCM-190RB12CL

TC-K361のオートリバース版。

TC-K390

1992年

メカデッキ:TCM-190VB12CS

2ヘッド機だが、片方再生のみ。

電動扉ではなく、テープ窓も光らない。

BIAS調整可能。

ヘッドホン端子はあるが、音量調整不可。

TC-K410

1989年

メカデッキ:TCM-CMAY B-28

片方再生のみ。

ヘッドホン端子はあるが、音量調整不可。

ピークメーターはLEDで、カウンターは回転式。

TC-K420

1990年-1991年

メカデッキ:TCM-CMAY B-28

TC-FX120

TC-FX120
↑TC-FX120

押込式(ピアノキー)の廉価機種。

TC-K461S

1995年

メカデッキ:TCM-190VB12CS

Dolby Sを搭載。

TC-K700ES

1987年-1989年

メカデッキ:TCM-110D2

TC-K333ESX(1987年)と同じ?

TC-K730ES

1989年


↑修理の様子

メカデッキ:TCM-110D3

TC-K333ESR(1988年)と同じ?

TC-KE240

2000年-2001年

メカデッキ:TCM-230ASV1

カセットリッドが昔のTEAC風?

TC-RE340

2000年-2001年

メカデッキ:TCM-230ASR4N

カセットリッドが昔のTEAC風?

TC-R503=TC-R503ES

1988年

メカは「TC-CMAY B-12」で、TC-R303と同じメカ。

なので、カセットホルダーがTC-R502のように歪んで閉まりにくいということはない。

TC-RX390

1992年

メカデッキ:TCM-190RB12CJ

TC-RX60ES

1988年-1989年

メカデッキ:TCM-CMAY B-22

外観はTC-RX50に似るが、TC-RX80のように再生ボタン等が光る(自照式)ので異なる。

TC-RX80ES

1988年-1989年

メカデッキ:TCM-CMAY B-22

スペクトラムアナライザーが特長の、TC-RX80(1988年)の海外版。

TC-K561S

1994年


↑TC-K561S


↑TC-K561S(修理の様子)

Dolby S搭載の3ヘッド機。

メカデッキ
・TC-KA1ES:TCM-190VB14
・TC-K561S:TCM-190VB14

テープ窓は光らず、扉も手動式。

ヘッドホン端子があるが、音量調整不可。

外観はTC-K700S/TC-K710S系だが、廉価メカを使った3ヘッド機。

関連:[SONY] TC-K710Sの分解とTC-K700Sとの比較 [カセットデッキ]

TC-KA1ES

1996年


↑TC-KA1ES

TC-K561Sとサービスマニュアルが同じなので、前面パネルが違うだけ?

TC-KA2ES=TC-KE600S

1996年-1999年


↑TC-KA2ES


↑TC-KE600S

メカデッキ
・TC-KA2ES:TCM-200V21
・TC-KE600S:TCM-200V21

ヘッドホン端子があるが、音量調整不可。

TC-WR670

1991年-1992年


↑TC-WR670

メカデッキ:TCM-190RB12C(両デッキとも)

・ダブルデッキ
・AMS
・DOLBY HX PRO
・電動扉ではない
・カウンターはアナログ式
・ヘッドホン端子あり(音量調整は不可)
・AC 120V 60Hz 29W

1991年という時期ながら、ピークメーターはLED、カウンターは回転式なので、相当な廉価機種だと思われる。

TC-WA9ES

1995年

メカデッキ:TCM-200R12(両デッキとも)

ダブルデッキであるTC-WR965S(1995年)の海外モデル。

TC-WR965S_カタログ
↑TC-WR965S

海外モデルではないが、TC-WR965Sのプロオーディオ(業務用機)として、SRP-CT3Wが存在する。

SRP-CT3W
↑SRP-CT3W

色が灰色になっている。

TC-WE405=TC-WR661=TC-WR350Z

1996年-1997年


↑TC-WE405


↑TC-WR661


↑TC-WR350Z

メカデッキ
・TC-WE405:TCM-220WR1(両デッキとも)
・TC-WR661:TCM-220WR4E(両デッキとも)
・TC-WR350Z:TCM-220WR4E(両デッキとも)

TC-RX300=TC-KE200=TC-KE300=TC-KE400Sをダブルデッキ化したような機種。

TC-WE435(1999年)などとは異なり、デッキが中央に隣接して並んでいるので、見た目が悪い。

TC-KA1ESA=TC-KE500S

1996年-1997年


↑TC-KA1ESA

TC-KE500S
↑TC-KE500S

メカデッキ
・TC-KA1ESA:TCM-190VB14
・TC-KE500S:TCM-190VB14

廉価メカの3ヘッド機。

外観は、TC-RX300に似ている。

TC-KA1ESAは、右下に金色のESロゴあり。

TC-K611S=TC-K700S

TC-K700S(1993年)の海外モデル。

メカデッキ:TCM-200V15

・3ヘッド
・センターメカ
・シングルキャプスタン
・Dolby S搭載

関連:[SONY] TC-K710Sの分解とTC-K700Sとの比較 [カセットデッキ]

TC-K715S=TC-K710S

TC-K710S(1995年)の海外モデル。

メカデッキ:TCM-200V18

・3ヘッド
・センターメカ
・シングルキャプスタン
・Dolby S搭載
・クォーツロックサーボ

関連:[SONY] TC-K710Sの分解とTC-K700Sとの比較 [カセットデッキ]

TC-KB820S QS

1998年

メカデッキ:TCM-190VB12CSS

2ヘッド機だが、オートリバースはできない。

AUTO CALあり。

左下にヘッドホン端子があるが、音量調整不可。

右下にQS(Quality Series)ロゴあり。

TC-KB920S QS

1997年-1998年

メカデッキ:TCM-190VB14

廉価メカの3ヘッド機。

扉は手動で、テープ窓も光らない。

3ヘッド機にしては珍しく、AUTO CALがある。

左下にヘッドホン端子があるが、音量調整不可。

右下にQS(Quality Series)ロゴあり。

ブラックとシルバーモデルがある。

廉価メカにESやQSを付けているのは、いかにも誤魔化しが通じる海外らしい(笑)。

日本での最後の3ヘッド機は、1995年のKAシリーズ(TC-KA3ES/TC-KA5ES/TC-KA7ES)とTC-K710Sであるが、海外では1997年になっても3ヘッド機を出しているのは、海外ではまだまだカセットが使われていたからだろう。

TC-K444ESII

3ヘッド機。

日本ではTC-K444(1982年)は存在するが、そのESやESIIは存在しない。

外観は、日本のTC-K333ES(1984年)に非常に似ているが…

TC-K333ES_カタログ
TC-K333ES(1984年) 79,800円

TC-FX150

1987-1988年

押込式(ピアノキー)の操作ボタン、機械式のカウンター、LEDのピークメーターと、本当にSONY?と思わせる機種。

下の動画を見ると分かるが、基板は全て前面パネルに付いており、ケース内にはない(笑)

AC 120V 60Hz 10W

だが、日本製(MADE IN JAPAN)という衝撃の事実!

TC-FX211

1993年頃に出た、究極の廉価機種で、マレーシア製。

押込式(ピアノキー)の操作ボタン、機械式のカウンター、LEDのピークメーターと、本当にSONY?と思わせる機種。

上の動画を見ると分かるが、内部はスカスカどころではない(笑)

ワウ・フラッター
・±0.16% W.peak(IEC)
・0.11% W.RMS(NAB)
・±0.20% W.peak(DIN)

デザインもメチャクチャであり、中華製のニセモノ(例:SQNY)と言われても違和感がない(笑)

それでもBIASは調整できるという、謎仕様。

TC-W365

1995年発売のダブルデッキ。

TC-W365

メカデッキ
・デッキA:TCM-180VA-H6
・デッキB:TCM-180VB-H6

カセットデッキ最後期ながら、ボタンが押込式(ピアノキー)という廉価具合!

そのチープさは、以下動画で確認されたい。

関連:[SONY] TC-W365 – 1995年発売の最廉価ダブルデッキ [海外モデル]

日本と海外の逆転

海外モデルには、TC-K370のような圧倒的な低価格機や、TC-K490/TC-K570/TC-K590のような3ヘッドの廉価機が存在する。

1995年あたりまでの日本人にはカネがあったので、「低価格機よりもES機」という誘導がされていたが、海外は逆だったので、低価格機/廉価機が目に付くのだろう。

その後、海外は順調に成長する一方、日本は悪政により没落、平成から令和にかけて見事に貧乏国に転落、人口減少で滅亡必至の日本など、世界企業は相手にしていない。

「ES」の謎

日本では、型式に「ES(Extremely High Standard)」が付くES機は上位機種であるが、海外ではそうとも限らない。

例えば、TC-RX70は、海外ではTC-RX70ESという型式で出ているし、

TC-RX70_TC-RX70ES

同様に、TC-RX77はTC-RX77ES、

TC-RX77_TC-RX77ES

TC-RX79はTC-RX79ESという型式で出ている。

TC-RX79_TC-RX79ES

ご存じのように、TC-RX70/TC-RX77/TC-RX79はただのオートリバース機なので、日本の感覚だと「どこがESだ!」となるが、このような小手先で外国では通用したのだろう。


↑TC-RX77ES


↑TC-RX77ES

TC-RX77とTC-RX77ESの外観上の違いは、

・カセットリッド(TC-RX77ESはESL風の光沢のあるもの)
・TC-RX77ESは、前面のマイク端子とヘッドホン端子が金メッキ
・TC-RX77ESには、右下に「ES」のロゴがある

やはり海外では、安易に「ES」を振りすぎ!

TC-RX70とTC-RX70ES、TC-RX77とTC-RX77ESは、ES付きの方が、メタルテープ時の周波数特性が良い。

TC-RX70:25Hz-19kHz ±3dB
・TC-RX70ES:20Hz-20kHz ±3dB

TC-RX77:25Hz-19kHz ±3dB, IEC
・TC-RX77ES:20Hz-20kHz ±3dB, IEC

また、

TC-K333ESL=TC-K970ES
TC-K222ESL=TC-K870ES
TC-K333ESA=TC-K990ES
TC-K222ESA=TC-K890ES
TC-K222ESJ=TC-K909ES

からも分かるように、日本のES機は2/3/5/7であるが、海外では8や9が使われている。


↑TC-K870ES=TC-K222ESL

下位モデルは5/6/7なので、結果としてES機は8や9となったのだろう。

探せばまだまだある!

海外モデル、探せばまだまだある。

追加は、ページ最下部のコメント欄までご一報を…
(但し、メカデッキがTCM-200、TCM-190の機種に限る)

(以下、TCM-200以降)

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・TC-K850ES=TC-K222ESG:1989年:3ヘッド:左メカ:クローズドループ デュアルキャプスタン

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・TC-K950ES=TC-K333ESG:1989年:3ヘッド:センターメカ:クローズドループ デュアルキャプスタン

TC-K950ES
↑TC-K950ES

上の動画にもあるが、日本のTC-K333ESG同様、ELNAのコンデンサの液漏れで基板のパターンが破壊される。

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・TC-K750ES:1989年:3ヘッド:左メカ:クローズドループ デュアルキャプスタン

TC-K750ES
↑TC-K750ES

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・TC-K770ES:1990年:3ヘッド:左メカ:クローズドループ デュアルキャプスタン:TC-K222ESLからDolby HX PROのON/OFFボタンを抜いたもの?

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・TC-K790ES:1991年:3ヘッド:左メカ:クローズドループ デュアルキャプスタン:TC-K222ESAからDolby HX PROのON/OFFボタンを抜いたもの?

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・TC-K808ES:1992年:3ヘッド:センターメカ:クローズドループ デュアルキャプスタン:Dolby S搭載:TC-K222ESJからDolby HX PROのON/OFFボタンを抜いたもの?

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・TC-K707ES≒TC-K711S:1992年:3ヘッド:センターメカ:ベルト2本によるクローズドループ デュアルキャプスタン:Dolby S搭載

メカデッキ
・TC-K707ES:TCM-200V16
・TC-K711S:TCM-200V17

ヘッドが異なる(TC-K707ESの方が上)。

TC-K700S(1993年)にクローズドループ デュアルキャプスタンを搭載したような機種。

この外観の3ヘッド機は、日本ではTC-K700S(1993年)とTC-K710S(1995年)であり、クローズドループ デュアルキャプスタンではないが、TC-K707ES≒TC-K711Sはクローズドループ デュアルキャプスタンであり、より上位である。

日本ではES(最上位)にしか搭載しないクローズドループ デュアルキャプスタンを、海外ではベルト2本版ではあるが下位にも搭載する一方で、性能的に劣る機種にも「ES」を付したりと、海外ではESとそれ以外との境が曖昧となっている。

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・TC-K717ES≒TC-K815S:1993年:3ヘッド:センターメカ:ベルト2本によるクローズドループ デュアルキャプスタンクォーツロックサーボ:Dolby S搭載

TC-K717ES

メカデッキ
・TC-K717ES:TCM-200V19
・TC-K815S:TCM-200V20

ヘッドが異なる(TC-K717ESの方が上)。

TC-K710S(1995年)にクローズドループ デュアルキャプスタンを搭載したような機種。

この外観の3ヘッド機は、日本ではTC-K700S(1993年)とTC-K710S(1995年)であり、クローズドループ デュアルキャプスタンではないが、TC-K717ES≒TC-K815Sはクローズドループ デュアルキャプスタンであり、より上位である。

日本ではES(最上位)にしか搭載しないクローズドループ デュアルキャプスタンを、海外ではベルト2本版ではあるが下位にも搭載する一方で、性能的に劣る機種にも「ES」を付したりと、海外ではESとそれ以外との境が曖昧となっている。

TC-K717ES≒TC-K815Sは、クォーツロックサーボを搭載、クローズドループ デュアルキャプスタンはベルト2本によるものだが、日本のES機に迫る性能ではないだろうか。

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・TC-RX611S=TC-RX606ES:1993年:2ヘッド:センターメカ:Dolby S搭載

AUTO CAL(自動キャリブレーション)がある。

TC-RX715(1994年)からARL(Auto Rec Level)などを廃す一方、ドルビーSを搭載したような機種?

日本では、ドルビーSを搭載した通常型のオートリバース機は1台も存在しないので、これは貴重だが、カセットリッドの表記が

・LASERAMORPHOUS HEAD
・3 MOTOR TRANSPORT MECHANISM
・QUICK REVERSE
・DOLBY-S NR

と多すぎて目障り。

関連:[SONY] Dolby S NR 対応機種 [カセットデッキ]

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・TC-K661S:1994年:3ヘッド:センターメカ:シングルキャプスタン:Dolby S搭載

メカデッキ:TCM-200V21

キャリブレーション(BIAS/REC LEVEL)はできるが、何か安物臭がする…

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・TC-KA6ES:1995年:3ヘッド:センターメカ:クローズドループ デュアルキャプスタン:Dolby S搭載

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発売年は国によって異なるので、おおよそのもの。

デュアルキャプスタンとあっても、BSLモーターによるダイレクトドライブとは限らず、TC-K690=TC-K679ESのように、平ベルト2本によるデュアルキャプスタンという機種もある。

日本のES機は、1995年のTC-KA3ES/TC-KA5ES/TC-KA7ESで終了となったが、海外モデルのTC-KA6ESが気になるね…

TC-KA6ES
↑TC-KA6ES

TC-KA6ESはおそらく、TC-KA3ESからDolby HX PROのON/OFFボタンを抜いたものと思われる。

気になること

TC-RX711/TC-RX715の系統のセンターメカのモデルが海外機に多数あるが、

TC-RX711_カタログ
↑TC-RX711

日本とは異なり、ほとんどが3ヘッド機であり、2ヘッド(オートリバース)機はTC-RX611S=TC-RX606ESくらいしか存在しない?

関連:[SONY] ESシリーズの変遷と比較(ESG→ESL→ESA→ESJ→KA*ES) [カセットデッキ]

関連:[SONY] TC-RXシリーズの変遷と比較 [オートリバース機]

関連:[SONY] 3ヘッド機対決(比較) [TC-K222ESJ,TC-K710S,TC-K700S]

関連:[SONY] メカデッキ(TCM-110/TCM-CMAY/TCM-170/TCM-200/TCM-190)について [カセットデッキ]



Posted by nakamura