[SONY] 海外モデルについて [カセットデッキ]
SONYのカセットデッキは、海外(専用)モデルの方が、種類が多くて面白い。
・ES機ではない、廉価版の3ヘッド機が豊富。
・日本では全くES機に達しないようなレベルの機種にもESが付いていることがある(TC-RX50ES等)。
・QS(Quality Series)が付く機種がある(日本にはない)。
・LEDのピークメーターと回転式カウンター搭載のような廉価機が多数。
但し、入手には手間と費用がかかり、電圧(100/120/220/240V)や周波数(50/60Hz)にも注意する必要がある。
当方が気になる海外モデル
・1位:TC-K690≒TC-K679ES
・2位:TC-K670≒TC-K677ES
・3位:TC-K590
↑TC-K690(1991年-1992年)
日本では発売されていない、TC-RX77/TC-RX79風の見た目の3ヘッド機が気になる。
詳細は以下にて。
TC-K690≒TC-K679ES
当方が気になる海外モデル第1位。
1991年-1992年
↑TC-K690
↑TC-K679ES
メカデッキ
・TC-K690:TCM-200V10
・TC-K679ES:TCM-200V9
TC-K690のカセットリッドはTC-RX77風で、TC-K679ESはTC-RX79風。
平ベルト2本による、クローズドループ デュアルキャプスタン。
モニター(SOURCE/TAPE)可能。
CALIBRATION機能あり(BIASとREC LEVEL)。
ヘッドホン端子あり、音量調整可能。
表示切替(DISPLAY MODE)あり。
キャプスタンモーター:X-3356-635-1 MOTOR(CAPSTAN R2) ASSY
AC 120V 60Hz 19W
以下、TC-K690の写真。
↑前面
↑カセットリッドはTC-RX77風
↑「TAPE」は緑色
↑CALIBRATION(BIASとREC LEVEL)可能
↑ヘッド部
↑ヘッド部拡大
↑AC 120V 60Hz 19W
TC-K670≒TC-K677ES
当方が気になる海外モデル第2位。
1990年
↑TC-K670
↑TC-K670
↑TC-K670
メカデッキ
・TC-K670:TCM-200V5
・TC-K677ES:TCM-200V4
TC-K670は、カセットリッドがTC-RX77風、TC-K677ESはカセットリッドがTC-K222ESL風の、光沢のあるものとなっている。
3ヘッド
左メカ
モーターは3個
平ベルト2本による、クローズドループ デュアルキャプスタン
1本のベルトは左右のフライホイールに、もう1本は送り側のフライホイール(正面から見て左)とモーターにかける。
2本のベルトをかけるので、フライホイールが太い。
ドルビーBとCに対応。
MPX FILTER搭載。
表示切替(DISPLAY MODE)あり。
ヘッドホン端子があり、音量調整可能。
INPUTはLINEとCD DIRECTがあり、切り替え可能。
キャリブレーション(BIASとREC LEVEL)が可能だが、キャリブレーションボタンがなく、ピークメーター上の矢印に合わせて…のような調整はできない!
下の動画のように、録音しながらMONITORを押してテープに切り替え、耳でキャリブレーションする必要がある。
このように、キャリブレーション機能が貧弱(後からすると意味不明)なので、第2位となった次第である。
↑TC-K677ES
↑TC-K677ES
レーザーアモルファスヘッド搭載は、TC-K677ESの方だけ?
↑TC-K670のメカ部分解
↑TC-K670の調整
クローズドループ デュアルキャプスタンではあるが、モーターはMMI-6S2LKSであり、リアルタイムの回転制御はできない。
TC-K670とTC-K690
TC-K670にキャリブレーションボタンを追加したのがTC-K690なのだろうが、入力切替(LINE/CD DIRECT)が削除されてしまった。
スイッチのスペースはあるのだから、そのまま残せばよかったものを…
TC-K590
当方が気になる海外モデル第3位。
1992年-1994年
下の動画は、カセットリッドが異なり、「3HEAD」とも書かれていないが、最初からなのか、傷や破損等の理由から、別機と交換したのかは不明。
TC-K590は3ヘッド機なので、普通なら「3HEAD」と書くはずであり、「3 MOTOR MECHANISM」だけということはないだろう。
メカデッキ:TCM-200V8
カセットリッドはTC-RX79風。
シングルキャプスタン。
ドルビーB/C搭載。
モニター(SOURCE/TAPE)可能。
CALIBRATION機能あり(BIASとREC LEVEL)。
ヘッドホン端子あり、音量調整可能。
MPX FILTER ON/OFF可。
表示切替(DISPLAY MODE)あり。
日本では、廉価3ヘッド機はTC-K600(1988年)の後は1993年のTC-K700Sまで出なかったが(ES機へ誘導するため)、もし出ていたら左メカの本機のようなものだっただろう。
関連:[SONY] 廉価の3ヘッド機(TC-K600,TC-K700S,TC-K710S) [カセットデッキ]
TC-K570
1991年-1992年
メカデッキ:TCM-200V7
カセットリッドはTC-RX77風。
シングルキャプスタン。
ドルビーB/C搭載。
モニター(SOURCE/TAPE)可能。
MPX FILTER ON/OFF可。
BIAS調整可能だが、CALIBRATION機能はない。
ヘッドホン端子(金メッキ)あり、音量調整可能。
表示切替(DISPLAY MODE)あり。
INPUT(LINE/CD DIRECT)切替可。
TC-K620=TC-K650ES
1989年-1990年
↑TC-K620
メカデッキ
・TC-K620:TCM-200V2
・TC-K650ES:TCM-200V3
TC-RX70風の見た目だが、3ヘッド機。
シングルキャプスタン。
モニター(SOURCE/TAPE)可能。
BIAS調整可能だが、CALIBRATION機能はない。
↑TC-K620の内部
ヘッドホン端子あり、音量調整可能。
表示切替(DISPLAY MODE)あり。
TC-RX370
1991年-1992年
メカデッキ:TCM-190RB12C
一見、TC-RX77/TC-RX79風に見えるが、テープカウンターはアナログ式で、表示部はFL管ではなくLED。
オートリバース機。
BIAS調整可能。
ヘッドホン端子はあるが、音量調整は不可。
メカは廉価版のTCM-190であり、テープ窓は光らず、扉も手動式。
LEDのピークメーターと回転式カウンターであり、相当な廉価機種だと思われる。
TC-K370
1991年-1992年
メカデッキ:TCM-190VB12C
一見、TC-RX77/TC-RX79風に見えるが、テープカウンターはアナログ式で、表示部はFL管ではなくLED。
2ヘッドだがリバース機構はなく片方走行。
BALANCEあり。
BIAS調整可能。
ヘッドホン端子はあるが、音量調整は不可。
メカは廉価版のTCM-190であり、テープ窓は光らず、扉も手動式。
TC-RX370からリバース機構を廃したモデル?
日本では電動メカ(TCM-200)に移行後の1991年に於いてもこのチープさ(特にLEDのピークメーターと回転式カウンター)であり、相当な廉価機種だと思われる。
TC-K490
1992年
メカデッキ:TCM-190VB11
シングルキャプスタン。
廉価メカなので、手動扉であり、テープ窓も光らない。
モニター(SOURCE/TAPE)可能。
BIAS調整可能。
CALIBRATION機能なし。
ヘッドホン端子ありだが、音量調整不可。
表示切替(DISPLAY MODE)なし。
TC-K500
1990年
メカデッキ:TCM-CMAY B26
日本のオートリバース機であるTC-K500R(1989年)と外観は似るが、オートリバースではなく(片方走行)、BALANCEがなく(意味不明)、REC LEVELが電動ではなく、リモコン受光部もない。
ドイツ専用?
関連:[SONY] TC-K500R(1989年発売)のレビュー [カセットデッキ]
TC-K600ES
1988年
メカデッキ:TCM-CMAY B-27
廉価3ヘッド機であるTC-K600の海外版。
関連:[SONY] 廉価の3ヘッド機(TC-K600,TC-K700S,TC-K710S) [カセットデッキ]
TC-K630ES
1989年
メカデッキ:TCM-CMAY B-27
TC-RX400
1988年
オートリバース機。
カウンターはアナログ。
TC-RX50(1988年)の廉価版のような機種。
TC-RX50ES
1988年
メカデッキ:TCM-170RB2
オートリバース機。
TC-RX50(1988年)の海外版。
何が「ES」なのか分からない(笑)
TC-RX55ES
1989年
メカデッキ:TCM-170RB11
オートリバース機。
TC-RX55(1989年)の海外版。
関連:[SONY] TC-K500RとTC-RX55の比較 [1989年]
TC-RX410
1989年
オートリバース機。
メカデッキ:TCM-170RB13
廉価ヘッド、TIMERナシ、カウンターがアナログ、表示部はFL管ではなくLED。
TC-RX55(1989年)の廉価版のような機種。
TC-RX420
1990年
メカデッキ:TCM-190RB12
オートリバース機。
外観はTC-RX55に類似しており、FL管は同じ。
FL501 1-519-493-11 INDICATOR TUBE, FLUORESCENT
だが、2モーター、平ベルトなので、メカは全く別物であり、TC-RX300の系統。
TC-RX470/TC-K470
1991年前後
↑TC-K470
メカデッキ
・TC-RX470:TCM-200R7
・TC-K470:TCM-200V6
見た目はTC-RX77に類似した機種。
↑TC-K470
TC-RX470がリバース機で、TC-K470は片方走行。
関連:[SONY] TC-RX470とTC-K470 [海外モデル]
TC-K520
1990年-1992年
メカデッキ:TCM-200V1
左メカの2ヘッド機。
外観はTC-RX70、FL管はTC-RX77、片方向再生の廉価機。
↑カセットではなくスマホのフェイク
メカはTCM-200なので、オートリバースを無理矢理無効にした機種?
TC-K411
1993年-1994年
↑TC-K411
↑TC-K411
↑TC-K411の内部
メカデッキ:TCM-190VB11
センターメカの3ヘッド機。
廉価メカであり、扉は手動で、テープ窓も光らない。
キャリブレーション(BIAS、REC LEVEL)可。
ヘッドホン端子はあるが、音量調整は不可。
メカはTC-RX300の3ヘッド版的な感じ。
クォーツロックサーボやピッチコントロール機能はないモデルだが、キャプスタンモーターには4線のMMI-6H2LWKが使われている。
M2 X-3365-377-1 MOTOR ASSY, CAPSTAN
関連:[SONY] キャプスタンモーター(MMI-6S2LKS/MMI-6S2LK/MMI-6H2LWK) [カセットデッキ]
TC-K511S
1993年-1994年
3ヘッド、Dolby S。
↑TC-K511S
↑TC-K511Sの内部
メカデッキ:TCM-190VB11
TC-K411にDolby Sを追加したモデル。
廉価メカであり、扉は手動で、テープ窓も光らない。
キャリブレーション(BIAS、REC LEVEL)可。
ヘッドホン端子はあるが、音量調整は不可。
メカはTC-RX300の3ヘッド版的な感じ。
M2 X-3365-377-1 MOTOR ASSY, CAPSTAN
クォーツロックサーボやピッチコントロール機能はないモデルだが、キャプスタンモーターには4線のMMI-6H2LWKが使われている。
関連:[SONY] キャプスタンモーター(MMI-6S2LKS/MMI-6S2LK/MMI-6H2LWK) [カセットデッキ]
TC-K415
1994年
メカデッキ:TCM-190VB14
安価な3ヘッド機。
日本にはないカセットリッド形状。
TC-K700S/TC-K710Sに似るが、電動扉ではなく、カセット窓も光らない。
ドルビーBとCに対応。
MPX FILTER搭載。
BIASとREC LEVELのキャリブレーションは可能。
ヘッドホン端子はあるが、音量調整不可。
モーターは3個ではなく2個。
3ヘッド機なので、モニターはできる。
最廉価の3ヘッド機。
TC-K515S
1994年
TC-K415にDolby Sを追加したモデル。
メカデッキ:TCM-190VB14
TC-K411/TC-K511S/TC-K415/TC-K515S
TC-K411にDolby Sを追加したのがTC-K511Sであり、TC-K415にDolby Sを追加したのがTC-K515Sであるが、では、TC-K411とTC-K415、TC-K511SとTC-K515Sの違いは何?
カセットリッドの違いだけのように見えるが…
TC-K615S
1993年
メカデッキ:TCM-190VB13
3ヘッド
センターメカ(TCM-190VB13)、2モーター
シングルキャプスタン
Dolby B/C/S搭載
MPX FILTER搭載
BIASとREC LEVELのキャリブレーションが可能
クォーツロックサーボ搭載
ヘッドホン端子(金メッキ)はあるが、音量調整不可
ドルビーS、クォーツロック、カセットリッドという点でTC-K710Sに似るが、メカはTCM-190なのでガチャガチャとうるさく、電動扉ではなく、テープ窓も光らない。
↑TC-K615Sの内部
↑TC-K615Sの内部
このように、廉価メカでありながら、クォーツロックサーボ搭載という謎のバランスが、海外機に於いては面白い。
TC-RX300=TC-KE200=TC-KE300=TC-KE400S
1996年-2001年
↑TC-RX300
↑TC-KE200
↑TC-KE300
↑TC-KE300
↑TC-KE400S
↑TC-KE400Sのベルト交換
メカデッキ
・TC-RX300:TCM-190RB12C
・TC-KE200:TCM-190VB22CS
・TC-KE300:TCM-190VB12CS
・TC-KE400S:TCM-190VB12CS
TC-RX300は、日本では最後期(1996年)のオートリバース機であるが、世界では200/300/400と、数字がえらく広い。
メカがTCM-190、かつ、前面パネルもプラスチックの廉価機。
TC-K215
1994年
メカデッキ:TCM-190VB22CS
・片方走行
・カウンターは実時間ではない
・手動扉
・テープ窓は光らない
ヘッドを見るに、かなりの低価格機種?
TC-K315
1994年
メカデッキ:TCM-190VB12CS
TC-K215にAUTO CALを追加した機種。
TC-K311
1993年-1994年
メカデッキ:TCM-190VB12CS
TC-RX311(1995年)のリバースを無効にした機種?
TC-K361
1995年
メカデッキ:TCM-190VB12CS
2ヘッド機だが、片方再生のみ。
電動扉ではなく、テープ窓も光らない。
AUTO CAL搭載。
ヘッドホン端子はあるが、音量調整不可。
TC-RX361
1995年
メカデッキ:TCM-190RB12CL
TC-K361のオートリバース版。
TC-K390
1992年
メカデッキ:TCM-190VB12CS
2ヘッド機だが、片方再生のみ。
電動扉ではなく、テープ窓も光らない。
BIAS調整可能。
ヘッドホン端子はあるが、音量調整不可。
TC-K410
1989年
メカデッキ:TCM-CMAY B-28
片方再生のみ。
ヘッドホン端子はあるが、音量調整不可。
ピークメーターはLEDで、カウンターは回転式。
TC-K420
1990年-1991年
メカデッキ:TCM-CMAY B-28
TC-FX120
↑TC-FX120
押込式(ピアノキー)の廉価機種。
TC-K461S
1995年
メカデッキ:TCM-190VB12CS
Dolby Sを搭載。
TC-K700ES
1987年-1989年
メカデッキ:TCM-110D2
TC-K333ESX(1987年)と同じ?
TC-K730ES
1989年
↑修理の様子
メカデッキ:TCM-110D3
TC-K333ESR(1988年)と同じ?
TC-KE240
2000年-2001年
メカデッキ:TCM-230ASV1
カセットリッドが昔のTEAC風?
TC-RE340
2000年-2001年
メカデッキ:TCM-230ASR4N
カセットリッドが昔のTEAC風?
TC-R503=TC-R503ES
1988年
メカは「TC-CMAY B-12」で、TC-R303と同じメカ。
なので、カセットホルダーがTC-R502のように歪んで閉まりにくいということはない。
TC-RX390
1992年
メカデッキ:TCM-190RB12CJ
TC-RX60ES
1988年-1989年
メカデッキ:TCM-CMAY B-22
外観はTC-RX50に似るが、TC-RX80のように再生ボタン等が光る(自照式)ので異なる。
TC-RX80ES
1988年-1989年
メカデッキ:TCM-CMAY B-22
スペクトラムアナライザーが特長の、TC-RX80(1988年)の海外版。
TC-K561S
1994年
↑TC-K561S
↑TC-K561S(修理の様子)
Dolby S搭載の3ヘッド機。
メカデッキ
・TC-KA1ES:TCM-190VB14
・TC-K561S:TCM-190VB14
テープ窓は光らず、扉も手動式。
ヘッドホン端子があるが、音量調整不可。
外観はTC-K700S/TC-K710S系だが、廉価メカを使った3ヘッド機。
関連:[SONY] TC-K710Sの分解とTC-K700Sとの比較 [カセットデッキ]
TC-KA1ES
1996年
↑TC-KA1ES
TC-K561Sとサービスマニュアルが同じなので、前面パネルが違うだけ?
TC-KA2ES=TC-KE600S
1996年-1999年
↑TC-KA2ES
↑TC-KE600S
メカデッキ
・TC-KA2ES:TCM-200V21
・TC-KE600S:TCM-200V21
ヘッドホン端子があるが、音量調整不可。
TC-WR670
1991年-1992年
↑TC-WR670
メカデッキ:TCM-190RB12C(両デッキとも)
・ダブルデッキ
・AMS
・DOLBY HX PRO
・電動扉ではない
・カウンターはアナログ式
・ヘッドホン端子あり(音量調整は不可)
・AC 120V 60Hz 29W
1991年という時期ながら、ピークメーターはLED、カウンターは回転式なので、相当な廉価機種だと思われる。
TC-WA9ES
1995年
メカデッキ:TCM-200R12(両デッキとも)
ダブルデッキであるTC-WR965S(1995年)の海外モデル。
↑TC-WR965S
海外モデルではないが、TC-WR965Sのプロオーディオ(業務用機)として、SRP-CT3Wが存在する。
↑SRP-CT3W
色が灰色になっている。
TC-WE405=TC-WR661=TC-WR350Z
1996年-1997年
↑TC-WE405
↑TC-WR661
↑TC-WR350Z
メカデッキ
・TC-WE405:TCM-220WR1(両デッキとも)
・TC-WR661:TCM-220WR4E(両デッキとも)
・TC-WR350Z:TCM-220WR4E(両デッキとも)
TC-RX300=TC-KE200=TC-KE300=TC-KE400Sをダブルデッキ化したような機種。
TC-WE435(1999年)などとは異なり、デッキが中央に隣接して並んでいるので、見た目が悪い。
TC-KA1ESA=TC-KE500S
1996年-1997年
↑TC-KA1ESA
↑TC-KE500S
メカデッキ
・TC-KA1ESA:TCM-190VB14
・TC-KE500S:TCM-190VB14
廉価メカの3ヘッド機。
外観は、TC-RX300に似ている。
TC-KA1ESAは、右下に金色のESロゴあり。
TC-K611S=TC-K700S
TC-K700S(1993年)の海外モデル。
メカデッキ:TCM-200V15
・3ヘッド
・センターメカ
・シングルキャプスタン
・Dolby S搭載
関連:[SONY] TC-K710Sの分解とTC-K700Sとの比較 [カセットデッキ]
TC-K715S=TC-K710S
TC-K710S(1995年)の海外モデル。
メカデッキ:TCM-200V18
・3ヘッド
・センターメカ
・シングルキャプスタン
・Dolby S搭載
・クォーツロックサーボ
関連:[SONY] TC-K710Sの分解とTC-K700Sとの比較 [カセットデッキ]
TC-KB820S QS
1998年
メカデッキ:TCM-190VB12CSS
2ヘッド機だが、オートリバースはできない。
AUTO CALあり。
左下にヘッドホン端子があるが、音量調整不可。
右下にQS(Quality Series)ロゴあり。
TC-KB920S QS
1997年-1998年
メカデッキ:TCM-190VB14
廉価メカの3ヘッド機。
扉は手動で、テープ窓も光らない。
3ヘッド機にしては珍しく、AUTO CALがある。
左下にヘッドホン端子があるが、音量調整不可。
右下にQS(Quality Series)ロゴあり。
ブラックとシルバーモデルがある。
廉価メカにESやQSを付けているのは、いかにも誤魔化しが通じる海外らしい(笑)。
日本での最後の3ヘッド機は、1995年のKAシリーズ(TC-KA3ES/TC-KA5ES/TC-KA7ES)とTC-K710Sであるが、海外では1997年になっても3ヘッド機を出しているのは、海外ではまだまだカセットが使われていたからだろう。
TC-K444ESII
3ヘッド機。
日本ではTC-K444(1982年)は存在するが、そのESやESIIは存在しない。
外観は、日本のTC-K333ES(1984年)に非常に似ているが…
↑TC-K333ES(1984年) 79,800円
TC-FX150
1987-1988年
押込式(ピアノキー)の操作ボタン、機械式のカウンター、LEDのピークメーターと、本当にSONY?と思わせる機種。
下の動画を見ると分かるが、基板は全て前面パネルに付いており、ケース内にはない(笑)
AC 120V 60Hz 10W
だが、日本製(MADE IN JAPAN)という衝撃の事実!
TC-FX211
1993年頃に出た、究極の廉価機種で、マレーシア製。
押込式(ピアノキー)の操作ボタン、機械式のカウンター、LEDのピークメーターと、本当にSONY?と思わせる機種。
上の動画を見ると分かるが、内部はスカスカどころではない(笑)
ワウ・フラッター
・±0.16% W.peak(IEC)
・0.11% W.RMS(NAB)
・±0.20% W.peak(DIN)
デザインもメチャクチャであり、中華製のニセモノ(例:SQNY)と言われても違和感がない(笑)
それでもBIASは調整できるという、謎仕様。
TC-W365
1995年発売のダブルデッキ。
メカデッキ
・デッキA:TCM-180VA-H6
・デッキB:TCM-180VB-H6
カセットデッキ最後期ながら、ボタンが押込式(ピアノキー)という廉価具合!
そのチープさは、以下動画で確認されたい。
関連:[SONY] TC-W365 – 1995年発売の最廉価ダブルデッキ [海外モデル]
日本と海外の逆転
海外モデルには、TC-K370のような圧倒的な低価格機や、TC-K490/TC-K570/TC-K590のような3ヘッドの廉価機が存在する。
1995年あたりまでの日本人にはカネがあったので、「低価格機よりもES機」という誘導がされていたが、海外は逆だったので、低価格機/廉価機が目に付くのだろう。
その後、海外は順調に成長する一方、日本は悪政により没落、平成から令和にかけて見事に貧乏国に転落、人口減少で滅亡必至の日本など、世界企業は相手にしていない。
「ES」の謎
日本では、型式に「ES(Extremely High Standard)」が付くES機は上位機種であるが、海外ではそうとも限らない。
例えば、TC-RX70は、海外ではTC-RX70ESという型式で出ているし、
同様に、TC-RX77はTC-RX77ES、
TC-RX79はTC-RX79ESという型式で出ている。
ご存じのように、TC-RX70/TC-RX77/TC-RX79はただのオートリバース機なので、日本の感覚だと「どこがESだ!」となるが、このような小手先で外国では通用したのだろう。
↑TC-RX77ES
↑TC-RX77ES
TC-RX77とTC-RX77ESの外観上の違いは、
・カセットリッド(TC-RX77ESはESL風の光沢のあるもの)
・TC-RX77ESは、前面のマイク端子とヘッドホン端子が金メッキ
・TC-RX77ESには、右下に「ES」のロゴがある
やはり海外では、安易に「ES」を振りすぎ!
TC-RX70とTC-RX70ES、TC-RX77とTC-RX77ESは、ES付きの方が、メタルテープ時の周波数特性が良い。
・TC-RX70:25Hz-19kHz ±3dB
・TC-RX70ES:20Hz-20kHz ±3dB
・TC-RX77:25Hz-19kHz ±3dB, IEC
・TC-RX77ES:20Hz-20kHz ±3dB, IEC
また、
・TC-K333ESL=TC-K970ES
・TC-K222ESL=TC-K870ES
・TC-K333ESA=TC-K990ES
・TC-K222ESA=TC-K890ES
・TC-K222ESJ=TC-K909ES
からも分かるように、日本のES機は2/3/5/7であるが、海外では8や9が使われている。
↑TC-K870ES=TC-K222ESL
下位モデルは5/6/7なので、結果としてES機は8や9となったのだろう。
探せばまだまだある!
海外モデル、探せばまだまだある。
追加は、ページ最下部のコメント欄までご一報を…
(但し、メカデッキがTCM-200、TCM-190の機種に限る)
(以下、TCM-200以降)
-----
・TC-K850ES=TC-K222ESG:1989年:3ヘッド:左メカ:クローズドループ デュアルキャプスタン
-----
・TC-K950ES=TC-K333ESG:1989年:3ヘッド:センターメカ:クローズドループ デュアルキャプスタン
↑TC-K950ES
上の動画にもあるが、日本のTC-K333ESG同様、ELNAのコンデンサの液漏れで基板のパターンが破壊される。
-----
・TC-K750ES:1989年:3ヘッド:左メカ:クローズドループ デュアルキャプスタン
↑TC-K750ES
-----
・TC-K770ES:1990年:3ヘッド:左メカ:クローズドループ デュアルキャプスタン:TC-K222ESLからDolby HX PROのON/OFFボタンを抜いたもの?
-----
・TC-K790ES:1991年:3ヘッド:左メカ:クローズドループ デュアルキャプスタン:TC-K222ESAからDolby HX PROのON/OFFボタンを抜いたもの?
-----
・TC-K808ES:1992年:3ヘッド:センターメカ:クローズドループ デュアルキャプスタン:Dolby S搭載:TC-K222ESJからDolby HX PROのON/OFFボタンを抜いたもの?
-----
・TC-K707ES≒TC-K711S:1992年:3ヘッド:センターメカ:ベルト2本によるクローズドループ デュアルキャプスタン:Dolby S搭載
メカデッキ
・TC-K707ES:TCM-200V16
・TC-K711S:TCM-200V17
ヘッドが異なる(TC-K707ESの方が上)。
TC-K700S(1993年)にクローズドループ デュアルキャプスタンを搭載したような機種。
この外観の3ヘッド機は、日本ではTC-K700S(1993年)とTC-K710S(1995年)であり、クローズドループ デュアルキャプスタンではないが、TC-K707ES≒TC-K711Sはクローズドループ デュアルキャプスタンであり、より上位である。
日本ではES(最上位)にしか搭載しないクローズドループ デュアルキャプスタンを、海外ではベルト2本版ではあるが下位にも搭載する一方で、性能的に劣る機種にも「ES」を付したりと、海外ではESとそれ以外との境が曖昧となっている。
-----
・TC-K717ES≒TC-K815S:1993年:3ヘッド:センターメカ:ベルト2本によるクローズドループ デュアルキャプスタン:クォーツロックサーボ:Dolby S搭載
メカデッキ
・TC-K717ES:TCM-200V19
・TC-K815S:TCM-200V20
ヘッドが異なる(TC-K717ESの方が上)。
TC-K710S(1995年)にクローズドループ デュアルキャプスタンを搭載したような機種。
この外観の3ヘッド機は、日本ではTC-K700S(1993年)とTC-K710S(1995年)であり、クローズドループ デュアルキャプスタンではないが、TC-K717ES≒TC-K815Sはクローズドループ デュアルキャプスタンであり、より上位である。
日本ではES(最上位)にしか搭載しないクローズドループ デュアルキャプスタンを、海外ではベルト2本版ではあるが下位にも搭載する一方で、性能的に劣る機種にも「ES」を付したりと、海外ではESとそれ以外との境が曖昧となっている。
TC-K717ES≒TC-K815Sは、クォーツロックサーボを搭載、クローズドループ デュアルキャプスタンはベルト2本によるものだが、日本のES機に迫る性能ではないだろうか。
-----
・TC-RX611S=TC-RX606ES:1993年:2ヘッド:センターメカ:Dolby S搭載
AUTO CAL(自動キャリブレーション)がある。
TC-RX715(1994年)からARL(Auto Rec Level)などを廃す一方、ドルビーSを搭載したような機種?
日本では、ドルビーSを搭載した通常型のオートリバース機は1台も存在しないので、これは貴重だが、カセットリッドの表記が
・LASERAMORPHOUS HEAD
・3 MOTOR TRANSPORT MECHANISM
・QUICK REVERSE
・DOLBY-S NR
と多すぎて目障り。
関連:[SONY] Dolby S NR 対応機種 [カセットデッキ]
-----
・TC-K661S:1994年:3ヘッド:センターメカ:シングルキャプスタン:Dolby S搭載
メカデッキ:TCM-200V21
キャリブレーション(BIAS/REC LEVEL)はできるが、何か安物臭がする…
-----
・TC-KA6ES:1995年:3ヘッド:センターメカ:クローズドループ デュアルキャプスタン:Dolby S搭載
-----
発売年は国によって異なるので、おおよそのもの。
デュアルキャプスタンとあっても、BSLモーターによるダイレクトドライブとは限らず、TC-K690=TC-K679ESのように、平ベルト2本によるデュアルキャプスタンという機種もある。
日本のES機は、1995年のTC-KA3ES/TC-KA5ES/TC-KA7ESで終了となったが、海外モデルのTC-KA6ESが気になるね…
↑TC-KA6ES
TC-KA6ESはおそらく、TC-KA3ESからDolby HX PROのON/OFFボタンを抜いたものと思われる。
気になること
TC-RX711/TC-RX715の系統のセンターメカのモデルが海外機に多数あるが、
↑TC-RX711
日本とは異なり、ほとんどが3ヘッド機であり、2ヘッド(オートリバース)機はTC-RX611S=TC-RX606ESくらいしか存在しない?
関連:[SONY] ESシリーズの変遷と比較(ESG→ESL→ESA→ESJ→KA*ES) [カセットデッキ]
関連:[SONY] TC-RXシリーズの変遷と比較 [オートリバース機]
関連:[SONY] 3ヘッド機対決(比較) [TC-K222ESJ,TC-K710S,TC-K700S]
関連:[SONY] メカデッキ(TCM-110/TCM-CMAY/TCM-170/TCM-200/TCM-190)について [カセットデッキ]
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません