[SONY] ロータリーエンコーダー(1-466-238-11,1-466-525-11)の分解と清掃 [カセットデッキ]
ロータリーエンコーダー
ES機ならTC-K222ESG(1989年発売)、廉価3ヘッド機ならTC-K700S(1993年発売)/TC-K710S(1995年発売)、オートリバース機であればTC-RX70(1990年発売)以降の、メカデッキにTCM-200を採用したモデルには、ロータリーエンコーダーが使われている。
↑写真下部にある丸い部品がロータリーエンコーダー
関連:[SONY] メカデッキ(TCM-110/TCM-CMAY/TCM-170/TCM-200/TCM-190)について [カセットデッキ]
1-466-238-11 ENCORDER, ROTARY
1-466-525-11 ENCORDER, ROTARY
# 「ROTARY」とは「回転式の」の意。
ロータリーエンコーダーの内部が汚れると、意図した動作をしなかったり、繰り返したりする。
# ヘッドが何度も上下したりとか。
ロータリーエンコーダーの内部には接点とブラシがあり、回転で状況が切り替わるのだが、摩擦で接点が削れ、接触不良を起こすためだ。
これを直すには、ロータリーエンコーダーを分解し、内部を清掃する必要がある。
ロータリーエンコーダーの取り外し
メカを分解し、ロータリーエンコーダーまで到達する。
ロータリーエンコーダーはネジ2個とハンダ(5箇所)で固定されているので、それぞれ外す。
ハンダの間隔が狭いので、(清掃後に取り付けるためにも)先の細いコテ先が必要。
なお、時期により、ロータリーエンコーダーの裏面が異なることがあるが、仕様は同じだ。
ロータリーエンコーダーの分解
不良のロータリーエンコーダーは交換するものなので、分解できるような構造にはなっていない。
しかし、部品供給がない現在では、無理矢理分解するしかない。
裏面にある封止のツメ(白丸4箇所)をナイフで削り、固定を外す。
隙間に刃を入れ、内部を傷つけないように注意しながら、こじ開ける。
3個の部品に分かれる。
・上段:回転するブラシ
・中段:接点(基板)
・下段:土台
ロータリーエンコーダーの清掃
接点は、摩擦により出た屑やグリスで汚れているので、ティッシュで拭き取った後、接点ブライトを塗り、2分放置。
その後拭き取り、コンタクトグリスを塗る。
接点ブライトを塗ることで、接点の酸化膜や硫化膜が除去できる。
コンタクトグリスを付けることで、接点の摩耗を防ぐ。
グリスを塗らないと接点が削れ、使用不能になってしまう。
綿棒を使って塗る場合は、糸くずが残らないように注意。
放置していたコンタクトグリスは、白と透明に分離しているので、容器を傾けて混ぜておく。
# 粘度が非常に高いので、振って混ぜることはできない。
ブラシにも接点ブライトを塗り、2分経過後に拭き取る。
バネが弱くなっていることがあるので、マイナスドライバーでブラシを起こしてやる。
4点の固定部を押さえながらやらないと、外れてしまうので注意。
以上が完了したら、ロータリーエンコーダーを組み立てる。
封止のツメを削り取ってしまっているので、開かないかが気になるが、表はハンダとネジ、裏はメカ側の金属突起があるので、開くことはないだろう。
気になるなら、封止のツメ(4箇所)にドリルで下穴を開け、1mmの極小ネジを使って固定すればよい。
接点ブライト
接点ブライトは、カセットデッキ裏面のRCA端子の白クスミの除去や、手持ちのヘッドホンプラグの清掃、iPhoneのLightning端子の清掃にも使え、利用範囲が広いので、1本あると便利。
酸化膜や硫化膜を除去した後、そのままでは再び白くなるので、ニューポリコールキング(接点復活剤)を塗って保護し、仕上げる。
接点ブライトとニューポリコールキングのセット品も売られているので、両方とも持っていないなら、セット品購入が最適。
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