[SONY] ES機の電解コンデンサの液漏れについて [カセットデッキ]
DDモーター基板
ES機のDirectDriveMotor(DDモーター)基板には、2個の表面実装型コンデンサが付いているが、これが液漏れする。
下の写真の中央、白い軸受けの左右にあるのが、それである。
16V 10μF が2個
電解液が漏れて、基板が損傷を受ける。
ESシリーズでは、ESLがダメージが最も大きい模様。
損傷により基板のパターンが切れて不動となるので、パターンを追って別の場所にコンデンサを取り付ける必要が出てくる。
液漏れしていなくても、漏れるとダメージが大きいので、交換しておくのが良い。
コンデンサの種類と極性
本用途で使用できるコンデンサは、以下の通り。
・アルミ電解コンデンサ:極性あり
・タンタルコンデンサ:極性あり(印のある方がプラス)
・セラミックコンデンサ:極性なし
アルミ電解コンデンサで交換するのが安価だが、タンタルコンデンサやセラミックコンデンサ等の固体型にするのもスマート。
部品チェッカーでESR/Vloss/容量を測ってみたが、
関連:電子部品チェッカー(LCR-T4/MTester)の故障と再購入
・セラミックコンデンサ(中華茶色):0.78Ω、0.0%、9.2uF
・セラミックコンデンサ(村田):0.48Ω、0.0%、10.35uF
・アルミ電解コンデンサ(中華25V):3Ω、0.5%、10.73uF
・アルミ電解コンデンサ(中華50V):1.4Ω、0.2%、9.9uF
村田が優秀だが、どれでも問題ない。
コンデンサの除去
元の表面実装型のコンデンサを除去する場合は、ハンダが外れにくいので、ニッパーでコンデンサを縦に切って破壊し、上部を除去、
パターンが剥離しないように注意し、台座と足を除去する。
パターン上のハンダを除去し、ハンダ吸取線とパーツクリーナーでクリーンな状態にする。
パターンを剝がさないように注意。
チップコンデンサの場合
チップコンデンサは小さく、伸びた脚もないので、上手く付けることができれば、見た目的にはこれが最もスマート。
アルミ電解コンデンサとの大きさ比較。
↑上から50V 10μF、25V 10μF、16V 10μF
側面からハンダ付けできるようなチップコンデンサを選ぶこと。
固体型のサイズ表記:1206(inch)=3216(mm)=3.2mm×1.6mm
このサイズのタンタルコンデンサ(16V 10uF)。
タンタルコンデンサには極性がある。
↑黒い印のある方(左側)がプラス
LCR-T4(電子部品テスター)でのチェック結果。
10μFに対して15μFと、静電容量が1.5倍と大きいが、テスターの誤差かは不明。
但し、タンタルコンデンサはショートモードで壊れる点に注意。
関連:コンデンサの基礎知識(2) ~種類・特徴・用途~ (Panasonic)
TC-K222ESJに対し、これを2個使用したが、動作には問題なかった。
チップ型にすると、以下のようにスマートになる。
チップ型を付ける場合は、片方をハンダで仮固定し、もう片方をハンダ付け、仮固定の方を再度ハンダ付けして整える。
タンタルコンデンサでなくても、セラミックコンデンサのチップ型でも良い。
タンタルコンデンサには極性があるが、セラミックコンデンサには極性がないので、極性を示す黒い線がない。
脚付きコンデンサの場合
上述のチップコンデンサは小さすぎる!という人は、脚付きのセラミックコンデンサが楽。
表面に「106」と書いてあるが、これは10×10-6(=マイクロ)を表す。
# つまり10uF
セラミックコンデンサには極性がないので、向きを気にする必要はない。
脚の長さがジャストなので、切る必要もない。
中華品は品質が心配なので、予め部品チェッカーで調べた上で交換する。
ES機の分解は非常に面倒なので、交換後に不良に気付いた場合、再度分解となり、(頭が)キレて破壊する可能性も出てくる。
TC-K222ESA
ロータリーエンコーダーの分解と同時に、コンデンサを交換した記事。
新品の綿棒が真っ黒に!
関連:[SONY] TC-K222ESAの不穏な動き(ロータリーエンコーダーの異常) [修理]
オーディオ基板
ESGは、オーディオ基板のELNA(エルナー)製電解コンデンサが液漏れするので、交換が必要。
非常に手間がかかるので、ES機を入手するならESL以降がよい。
関連:[SONY] ESシリーズの変遷と比較(ESG→ESL→ESA→ESJ→KA*ES) [カセットデッキ]
関連:TC-K222ESJ(1993年発売)
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません