[Pioneer] DV-220Vのリージョンフリー化 [ファームウェア更新]
PioneerのDV-220Vは、2010年5月下旬に発売されたDVDプレーヤーである。
HDMI端子を搭載しているため、現行も使用可能である。
関連:[Pioneer] DVDプレーヤーの一覧 [パイオニア]
これをリージョンフリー化する方法を、以下に記す。
確認事項
2011年より後(2012年以後)に製造されたものに対しては適用できない模様。
製造年は、本体背面の右端、バーコードの下に書かれている。
# DV-220Vには、2013年製も存在する。
量販店専用モデルのDV-225Vに対しても適用可能かと思われる。
ファームウェアの更新方法
リージョンフリー化後は、設定がデフォルトに戻るので、必要であれば設定を確認しておく。
ネット検索により「Pioneer_DV220_V10_CP1252.zip」を得る。
それを解凍して得られた「YKD9615B.BIN」をCD-R/CD-RWに焼く。
その時のディスク名は「PIONEER」(大文字で括弧無し)とする。
DV-220Vの電源を入れ、焼いたディスクを入れて閉じると、「Upgrade ?」と訊かれるので、
Upgrade File DETECTED
Upgrade ?
Press Play To Start
再生ボタンを押して実行。
しばらく待つ。
ディスクが出てくるので、トレイを閉じないようにディスクを外す。
トレイを開けたまま待つ(2分程度)。
再起動されるので、更新は終了。
更新されているかの確認だが、
リモコンの「ホームメニュー」>「初期設定」>「オプション」で、リモコンの「画面表示」を押す。
ROM VERSION:YKD9615B.V1.0 By StM
となっていれば更新は成功している。
表記上のリージョンは「2」のままだが、リージョンフリー化されている模様。
当方の手元にはリージョン2以外のDVD-Videoがないので、フリー化の確認はできないけど(笑)
音楽CDの取り込み
なお、ファームウェアを更新すると、リージョンフリー化だけでなく、音楽CDをUSBメモリーにmp3ファイルとして取り込む機能が追加される。
↑フリー化前
↑フリー化後(右下に増えている)
この機能は、同時期に発売されたDV-420Vにある機能だ。
関連:DVDプレーヤー2機種を新発売 – 2010年4月20日 (パイオニア)
音楽CDとUSBメモリーを入れると、本機能が実行できる。
取り込むトラックと、ビットレートの指定が可能だ。
実際に試してみたが、問題なく機能した。
取り込む速度は等倍ではないが、非常に遅いので、パソコンと光学ドライブがあるなら、本機ではなく、断然パソコンを使うべき。
USBメモリー内には「PIONEER」というフォルダーが作られ、その中に「PIONEER01」「PIONEER02」が作られ、その中に「TRACK01」「TRACK02」というmp3ファイルが置かれる。
当然、それらは本機で再生可能である。
本機はCD-RやCD-RWも読めるので、自作の音楽CDも取り込める。
この機能を使い、128kbpsで取り込んだmp3を再生してみたが、めちゃくちゃ音が悪い!
シャリシャリしているのが明らかに分かる。
パソコンで128kbpsで取り込んだものはもっとマシな音なので、原因はビットレート不足ではなく、エンコーダーの質が悪いためだろう。
音質を求めるなら、音楽CDとして(CD-R/CD-RWで作成して)再生するか、パソコンでエンコードしたmp3ファイルをUSBメモリーに入れて再生させる必要がある。
DV-420VやDV-220Vの特長である「高圧縮の音楽ファイルをCDのような豊かな音で再生する『アドバンスド・サウンドレトリバー』」が悪さをしているかもしれないと思いきや、オフにしてある。
関連:「サウンドレトリバー」の開発 (パイオニア)
音楽CD取り込みに関する詳細は、DV-420Vのマニュアルを見るがよい。
関連:DV-420V 取扱説明書 (パイオニア)
ファームウェアの確認方法
上述と重なるが、ファームウェアの確認方法は、
リモコンの「ホームメニュー」>「初期設定」>「オプション」で、リモコンの「画面表示」を押す。
である。
ファームウェア更新前のバージョンは、「YKD1113A」であった。
情報によると、このバージョンには画面が右にずれる不具合があるとのこと。
関連:画面が右にずれています (価格コム)
パイオニアに修理に出すと「YKD1817A」になって返ってきたとある。
残念ながら、公式のファームウェアは公開されていないので、自分で上げることはできない。
既に発売から14年以上が経過しており、パイオニアは光ディスク事業(ドライブやプレーヤー)から撤退しているので、ファームウェアを上げてもらう依頼も受け付けられないだろう。
関連:パイオニアが光ディスク事業から撤退 (インプレス)
製品情報や取扱説明書等、サイトにある情報もいつ消されるか分からないので、必要であれば今のうちに保存しておこう。
関連:DV-220V/DV-225V/DV-120 取扱説明書 (パイオニア)
関連:取扱説明書ダウンロード (パイオニア)
関連:カタログダウンロード (パイオニア)
夢のDV-420V化
DV-220Vのファームウェアを更新することで、音楽CDの取り込み機能が追加され、上位機種であるDV-420Vに近づくということだが、ソフト的に完全にDV-420Vになるわけではない。
DV-420Vが持つ、動画ファイルであるWMV(Windows Media Video)の再生機能は、ファームウェアを更新しても追加されない。
USBメモリーにWMVを入れても、ファイルが表示されないのだ。
動画ファイルが、DivXだけでなく、WMVに対応していたとしても、2025年の段階ではどちらもマイナー過ぎて使い物にならない。
DivXは、エンコードする際のプロファイルが「HOME THEATER」でないと再生できない。
DV-420Vは1080pの出力に対応しているが、プロファイル「HD 1080p」や「HD 720p」には非対応。
コンポジット出力された場合に、解像度不足になるためだと思われる。
「HOME THEATER」は720×576以内の解像度になるため、画質は良くない。
なお、音楽ファイルであるMPEG4-AAC(Advanced Audio Coding)に関しては未検証であるが、対応したとしてもmp3の方が汎用的なので意味がない。
2025年時点で使い物になるには、
・動画ファイル:mp4が再生可能
・音楽ファイル:mp3が再生可能(他は不要)
といった感じだが、2010年発売の機種にそれを求めるのは無理な話だ。
USBメモリー
USBメモリーのファイルシステムはFAT16またはFAT32しか対応しておらず、exFATは非対応で、これも難が有り過ぎる。
# 当然NTFSも非対応。
FAT32の場合、ファイルの最大サイズは4GBに制限される。
容量の大きいUSBメモリー(64GB)の場合、Windows 11では、exFATかNTFSでしかフォーマットできない。
FAT32でフォーマットするためには、16GBが限度か?
OSの機能ではなく、フォーマットツールを使えば、大容量のUSBメモリーもFAT32でフォーマットできるが…
関連:Disk Formatter (バッファロー)
64GBのマイクロSDXCカードを、USB化するアダプターに入れ、フォーマットツールでFAT32でフォーマット、その中に「HOME THEATER」でエンコードしたDivXを入れてDV-220Vに挿したところ、再生は可能であった。
容量にかかわらず、DivXとmp3を入れたUSBメモリーを挿すと、DivXかmp3かを訊かれ、
どちらかを選択すると、階層構造の画面となるのだが、
先に選んだ片方のみしか表示されないという、使い勝手の悪さ!
もう片方に移るには、リモコンのDVD/USBボタンを押して、再度選択画面を表示させる必要がある。
さらに、階層構造の画面では2バイト文字は表示できず、加えて、14文字程度しか表示できないという貧弱さ!
日本語等を含む2バイト文字がファイル名に付いたものも再生は可能だが、全く読めないので、選択して再生することは不可能。
日本語名をアルファベットに変えるのは大変!
選択して再生するのではなく、大量のファイルをブチ込んで長時間再生させるならOKだが、それならこの機種ではなく、もっと適した、例えばSDカードが再生できるスピーカー等があるのでは?
その他
2007年発売のDV-300(HDMIナシ、USBナシ)も持っているが、それと比べ、DV-220Vは明らかに質が落ちている。
両者とも天板を開け、ドライブを取り外し、詳細を見た上でも、それは明らかである。
双方とも、基板の集積化が進んだ時分の機種であるため、非常に軽く、中身は「スカスカ」だが、DV-220Vはドライブの質が明らかに低い。
・表示部がドット表示から7セグ表示となり、表示内容が減少。
・表示部がFL管からLEDとなり、表示が暗くなった(DV-220Vは緑、DV-225Vは赤)。
↑DV-220V(LED、表示内容少)
↑DV-300(FL管、表示内容多)
・本体にある操作ボタンが減った。
・音楽CDはそうでもないが、DVDは「ゴロゴロ」と音がする。
・トレイが薄すぎるため、ディスクを置く凹みがなく、慎重にディスクをセットしないと凹みに入っておらず、閉じるとディスクを噛んでしまう。
・DV-300では読めるが、DV-220Vでは読めないディスクがある(焼いたDVD)。
・光デジタル音声出力がない(同軸のみ)。
DV-300のドライブは、オリオン電機の「A2-1」である。
共に2025年の中古入手であるため、新品時の状態を知らず、また、劣化度にも差があるが、ディスクのゴロゴロ音は、先人のレビューに散見されるので、新品時から生じていた模様。
機能的な追加
・HDMI端子搭載
・USBメモリーに対応
以外は、全てに於いて劣化していると言える。
より後発の機種
・DV-2020:2011年発売(HDMIナシ、USBナシ)
・DV-3030V:2014年発売(HDMIアリ、USBアリ)
・DV-2030:2015年発売(HDMIナシ、USBナシ)
については、リモコンも劣化し、さらに動作も緩慢になっているという…
関連:[SONY] CDプレーヤーの比較 [1987年-1989年]
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