[SONY] TC-RX70(1990年発売) レビュー [カセットデッキ]
動作動画
関連:[SONY] TC-RX70(1990年発売) [39,800円]
掲載カタログ
関連:[SONY] カセットデッキ 総合カタログ [1990年9月]
「Hi-Fi オーディオ 1990年3月」にも掲載されている(上の画像)。
TC-RX70
・発売:1990年:米米CLUB「浪漫飛行」
・価格:39,800円
・メカデッキ:TCM-200D2
・キャプスタンモーター:MMI-6S2LKS
・ヘッド:LC-OFC巻線レーザーアモルファスヘッド
・大きさ:幅430x高さ125x奥行285mm
・重量:4.6kg
・消費電力:21W
TC-RX55(1989年)の翌年に登場したオートリバース機、価格は2,900円上昇(36,900円→39,800円)。
メカデッキにTCM-200を採用した、最初のオートリバース機である。
↑TCM-200D2(TC-RX70)
関連:[SONY] メカデッキ(TCM-110/TCM-CMAY/TCM-170/TCM-200/TCM-190)について [カセットデッキ]
メカ部は向かって左。
前面パネル
・TIMER
・DIRECTION
・COUNTER(RESET/MEMORY)
・FADER
・AUTO REC LEVEL
・DISPLAY MODE
・REC LEVEL
・MPX FILTER
・DOLBY NR(B/C)
・BALANCE
・MICROPHONE(L/R)
・HEADPHONES(音量調整不可)
背面
・LINE IN(L/R)
・LINE OUT(L/R)
解説
動作状況は表示パネル内ではなく、操作ボタン上部のLEDで示す。
テープ種別は、FL管の外(左側)に、LEDによる独立表示。
カセットホルダーは引き込み式(カセットスタビライザー)。
↑写真上部に引き込み機構が見える
表示部の右に表示モード切替ボタン(DISPLAY MODE)がある(フル表示/時間のみ/全消灯)。
AUTO REC LEVEL搭載。
関連:カセットデッキでの録音レベルの調節/調整と、ARL(Auto Rec Level)について
BIAS調整不可。
ヘッドホン端子はあるが、音量ツマミがない(=爆音)。
新メカ(TCM-200)となり、大きく変わったはずのTC-RX70に音量調整がないのは、ハマりやすい罠なので注意。
↑TC-RX70:右下のヘッドホン端子の上にあるのは音量ではなくBALANCE!
音量調整が付くのは、翌年(1991年)登場のTC-RX77からである。
関連:[SONY] ヘッドホン端子と音量調整が可能なオートリバース機 [カセットデッキ]
端子(ヘッドホンとマイク)は、金メッキではない。
表示部が小さく、レベルメーターが詰まっている。
↑TC-RX55からの流用?
操作ボタンが直線的で角ばっていて、デザイン的に古い。
表示部やボタン周辺に深い溝があり、ホコリが溜まりやすい。
AMS(オートマチックミュージックセンサー)が追加されたが、前後1曲のみ。
ダンパーは緑色。
↑3-712-786-41 DAMPER, OIL
LINE IN/OUT端子はメイン基板とは別で、背面から見て左上部に位置(TC-RX77以降は背面左下部)。
側面両端にゴムが貼られ、天板の振動を抑えている(TC-RX77以降は廃止)。
TC-RX55から、消費電力が5Wも上がっている(16W→21W)。
時期的に、1989年発売のES機であるTC-K222ESG(59,800円)に、なんとなく似ている。
↑TC-K222ESG
但し、TC-K222ESGは操作ボタン内が光るが、TC-RX70は操作ボタン外である。
TC-K222ESGとTC-RX70の価格差は2万円。
カセットリッド
「LC-OFC」の文字が見られる。
関連:[SONY] LC-OFC/PC-OCC巻線レーザーアモルファスヘッド [カセットデッキ]
FL管(蛍光表示管)
非常に小さく、情報量も少ない。
前機種であるTC-RX55(1989年)と同じかと思われる。
内部
不具合
搭載されているキャプスタンモーターはMMI-6S2LKSなので、古くなると異音が出やすい?
関連:[SONY] キャプスタンモーター(MMI-6S2LKS/MMI-6S2LK/MMI-6H2LWK) [カセットデッキ]
カセットスタビライザー(CASSETTE STABILIZER)の内側のスポンジが経年劣化でボロボロになり、
散った粉がヘッド周辺を汚すので、完全に除去してしまおう。
故障例
ヒューズ抵抗が切れる。
関連:[SONY] トレイが開かない(ヒューズ抵抗) [TC-RX70]
オーディオ用コンデンサ
PB(PlayBack)
・C118 ELNA 50V 10uF
・C318 ELNA 50V 10uF
POWER
・C703 ELNA 25V 4700uF
・C704 ELNA 25V 4700uF
SYSCON
・C809 ELNA 16V 6800uF
オペアンプ
PB(PlayBack)
・IC501 NEC C4570C (PB EQ AMP)
・IC505 JRC 4558P (AMS AMP)
・IC506 JRC 4558P (AMS AMP)
SAF
・IC805 JRC 4558P (SAF AMP)
・IC806 JRC 4558P (SAF AMP)
ヘッドホン
・IC651 三菱 5218A (HEADPHONE AMP)
調整
METER LEVEL単体の調整はできず、PB(PlayBack) LEVELで調整することになる。
TC-RX70の主な特長
録音・再生(クイック)リバース機構
片面だけの録音・再生、両面1回の録音・再生、両面連続再生の3種類が選べます。
また、リーダーテープで反転するクイック機構を持っています。
ノイズを低減するドルビーNRを装備
プログラムソースに応じて、OFF、B、Cの3タイプを選ぶことができます。
ドルビーHX PRO搭載
高域でのリニアリティが高められ、ひずみの少ない録音ができます。
テープの走行時間が一目で分かるリニア電子カウンター
テープの走行時間(分、秒)をデジタル表示。
減算機能付きですから、録音や再生時のテープ残量も一目で分かります。
高音質LC-OFC巻線レーザーアモルファスヘッド採用
優れた磁気特性を持つアモルファス合金のコア材とLC-OFCを使用したコイル巻線の採用により、デジタルソースなどの録音・再生でも音質劣化の少ない音を楽しめます。
関連:[SONY] LC-OFC/PC-OCC巻線レーザーアモルファスヘッド [カセットデッキ]
ラインとマイクの自動切り換え
マイクプラグをジャックに挿し込むと自動的にMIC入力モードに、プラグを抜くと自動的にLINE入力モードに切り替わります。
マイク入力ジャックは、LEFT・RIGHTの2チャンネルです。
ディスプレイON/OFF機能
通常表示、カウンターのみ表示、全消灯の3通りに切り替えできます。
録音レベルを高次元で自動調節するサウンドオートフォーカス(Sound Auto Focus)機能
録音・再生のための充実した機能
・徐々に音を大きくしたり小さくしたりするフェードイン、フェードアウト録音機能
・曲の頭出しができるAMS機能
・曲間にブランク(あき)を作る録音ミューティング
・カセットテープの無駄な振動を抑え、より良い音質が得られるカセットスタビライザー搭載。
ドルビーノイズリダクション及びHX PROヘッドルームエクステンションは、ドルビーラボラトリーズライセンシングコーポレーションからの実施権に基づき製造されています。
HX PROは、バングアンドオルフセンの考案です。
ドルビー、DOLBY,ダブルD記号及びHX PROは、ドルビーラボラトリーズライセンシングコーポレーションの登録商標です。
TC-RX70の主な仕様
トラック方式
4トラック2チャンネルステレオ
録音方式
交流バイアス
ヘッド
録音・再生×1(LAヘッド)
消去×1(F&Fヘッド)
補足
LA=レーザーアモルファス
F&F=フェライト&フェライト=オールフェライト構造
関連:[SONY] LC-OFC/PC-OCC巻線レーザーアモルファスヘッド [カセットデッキ]
モーター
キャプスタンモーター(DCサーボモーター)×1 (MMI-6S2LKS)
リールモーター(DCモーター)×1
メカ駆動用モーター(DCモーター)×1
関連:キャプスタンモーター(MMI-6S2LKS/MMI-6S2LK/MMI-6H2LWK)
ワウ・フラッター
0.05% WRMS
±0.09% W.Peak(EIAJ ※)
早巻き時間
約90秒(C-60にて)
周波数特性
ドルビーNRスイッチOFFにて
TYPE IV カセット(ソニーMETAL-S)
25-19,000Hz±3dB(EIAJ)
30-15,000Hz±3dB(OVU録音)
15-20,000Hz
TYPE II カセット(ソニーUX-S)
25-17,000Hz±3dB(EIAJ)
15-18,000Hz
TYPE I カセット(ソニーHF-X)
25-16,000Hz±3dB(EIAJ)
15-17,000Hz
SN比
ひずみ率
315Hz、3次高調波ひずみ率 0.5%(ソニーMETAL-S) (EIAJ)
総合ひずみ率 1.0%(ソニーMETAL-S)
入力端子
ライン入力(ピンジャック)×1系統
最小入力レベル 77.5mV(-20dB)
入力インピーダンス 50kΩ
出力端子
ライン出力(ピンジャック)×1系統
規定出力レベル 0.44V(-5dB)
負荷インピーダンス 47kΩ時
適合負荷インピーダンス 10kΩ以上
ヘッドホンジャック(ステレオ標準ジャック)
規定出力レベル 0.3mW(32Ω)
-28dB(8Ω負荷時)
参考:SONYのスタジオモニターヘッドホンであるMDR-CD900STのインピーダンスは63Ω、最近のゲーミングヘッドホンのインピーダンスは65Ω。
電源
AC100V 50/60Hz
消費電力
21W
最大外形寸法
430×125×285mm(幅/高さ/奥行き)
重量
4.6kg
付属品
音声信号用接続コード (2)
リモートコマンダー (1)
ソニー乾電池 SUM-3(NS) (2)
取扱説明書 (1)
サービス窓口・ご相談窓口のご案内 (1)
保証書 (1)
本機の仕様および外観は改良のため予告なく変更することがありますが、ご了承ください。
※ EIAJ(日本電子機械工業会)規格による測定値です。
製造打切年等
・製造打切年:1991年1月
・補修用性能部品保有期間:8年
・修理対応終了年:1999年1月
修理対応終了年から20年以上経過しており、SONYは修理を受けない。
関連:[SONY] 製造打切年/補修用性能部品保有期間/修理対応終了年 [オーディオ]
海外機
・TC-RX70ES
ES付きの方が、メタルテープ時の周波数特性が良い。
・TC-RX70:25Hz-19kHz ±3dB
・TC-RX70ES:20Hz-20kHz ±3dB
後継機
関連:TC-RX77(1991年発売)
関連:[SONY] TC-RXシリーズの変遷と比較 [オートリバース機]
関連:[SONY] TC-RX55とTC-RX70の比較 [カセットデッキ]
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