[SONY] ATRACのバージョンとMDLP対応機 [MiniDisc]
ATRACとは
ATRAC(アトラック:Adaptive TRansform Acoustic Coding)とは、SONYが開発したオーディオ非可逆圧縮、及び可逆圧縮の技術・規格名、及び後年開発された関連技術群の総称で、音楽用のミニディスク規格等で採用された。
関連:ATRAC (SONY)
取扱説明書にもATRACのバージョンが明示されていないことがあるので、面倒だが分解し、基板(メカ部)上のIC(CXD****)を見るのが確実である。
↑CXD2650R
バージョン間で互換性があるため、例えば、最初期のMD機器で録音されたMDディスクを、最後期の「ATRAC TYPE-S」搭載機で再生することは可能である。
その逆(新しい機器で録音されたディスクを最初期の機器で再生)も可能だが、MDLPで録音されたディスクは、MDLP非対応機種では再生できない。
ATRACのバージョン
・Ver.1.0:CXD2527
エラー制御に容量を割いていたため、録音時のビットレートが低く音が悪い。
MDS-101(1993年):CXD2527R-1
↑MDS-101(SONYのMDデッキ1号機)
・Ver.2.0:CXD2531
MDS-102(1994年):CXD2531BR
MDS-501(1994年)
↑MDS-102
MDS-102のカタログには「第2世代」とある。
MDS-101の低音質を認めることになるので、「第2世代でより高音質に」等の文字はない(笑)
・Ver.3.0:CXD2535/CXD2536
MDS-S30(1994年):CXD2536
MDS-S35(1995年):CXD2535AR/CXD2535BR
MDS-302(1994年):CXD2536
MDS-303(1995年)
MXD-D1(1996年) CD+MD一体型
MDS-S1(1994年):CXD2536
↑MDS-S30
↑MDS-S1
・Ver.3.5:CXD2536
MDS-JA3ES(1995年):CXD2536AR
MDS-503(1995年):CXD-2536B
↑MDS-503
・Ver.4.0:CXD2650/CXD2652
MDS-S37(1996年):CXD2650R
MDS-S38(1997年):CXD2650R/CXD2652AR
MDS-JE500(1996年):CXD2650R
MDS-JE510(1997年):CXD2650R/CXD2652AR
MDS-JE700(1996年):CXD2650R
MDS-J3000(1996年):CXD2650R
↑MDS-S37
関連:[SONY] CDP-S35とMDS-S37のレビュー [CD/MD]
↑MDS-S38
関連:[SONY] MDS-S38のレビュー [MiniDisc]
↑CXD2652AR(MDS-S38)
・Ver.4.5:CXD2537/CXD2654
MDS-S39(1998年):CXD2654R
MDS-S40(1999年):CXD2654R
MDS-JE330(1999年):CXD2654R
MDS-JE520(1998年):CXD2654R
MDS-JA30ES(1997年):CXD2537R
MDS-JA50ES(1996年):CXD2537R
MDS-JB920(1998年):CXD2654R
MDS-W1(1998年):CXD2654R ダブルデッキ
MXD-D2(1998年) CD+MD一体型
MDS-PC1(1997年)
MDS-PC2(1999年):CXD2654R
↑MDS-S39
・Type-R:CXD2656
MDS-JA22ES(1998年)
MDS-JA33ES(1998年)
MDS-JE630(1999年)
MDS-JB930(1999年)
MDS-JA555ES(1999年)
MDS-DL1(1999年):CXD2656R i.LINKに対応
----- MDLP対応の壁 -----
・Type-R(MDLP対応):CXD2662R
ATRAC3に対応
MDS-S50(2000年)
MDS-JE640(2000年)
MDS-JE770(2001年)
MDS-JB940(2000年)
MDS-JA333ES(2000年)
MXD-D3(2000年) CD+MD一体型
MXD-D5C(2000年) CD5枚+MD一体型
MXD-D40(2001年) CD+MD一体型
MDS-PC3(2000年)
MDS-NT1(2001年) USB以外の入力端子がない
LAM-1(2001年) CD+MD一体型 USB以外の入力端子がない
LAM-Z1(2001年) CD+MD一体型(SP付) USB以外の入力端子がない
↑MXD-D40
・Type-S:CXD2664R
MDLP対応
MDS-JE580(2005年)
MDS-JE780(2002年)
MDS-S500(2003年)
↑MDS-S500
MXD-D400(2003年) CD+MD一体型
MDS-DAV1(2002年):CXD2664R DVDシステム(DAV-S880/DAV-S550)のオプション
ONKYO MD-133(2005年) 光デジタル出力なし
↑MDS-JE580
2008年に発売されたMDS-JE580は、SONY最後の据置型MDデッキ?
MDS-JE580(2005年) 55,000円
・製造打切年:2009年3月
・補修用性能部品保有期間:8年
・修理対応終了年:2017年3月
2022年10月時点で修理対応終了年は過ぎているが、故障箇所によっては修理を受けてくれる。
関連:[SONY] 製造打切年/補修用性能部品保有期間/修理対応終了年 [オーディオ]
機種選択
上述のように、MD最初期の機種(ATRAC Ver.1.0)は録音時のビットレートが低く音が悪いので、コレクターでもない限りオススメできない。
ステレオでも長時間録れるMDLP(MiniDisc Long-Play mode)対応機種がオススメだが、中古価格が高め。
あと、MDLP対応機はシルバーやゴールドモデルが大半なので、ブラックで合わせている人は困る。
Type-S搭載機は2002年以降の発売であるが、MDが既に衰退期に入っていたため、数が少なく、中古市場でも価格は高い。
光デジタル入力やサンプリングレートコンバーター、その他のポイントについては、以下記事下部「機種選択のポイント」を参照のこと。
関連:[SONY] MDデッキと対応リモコン一覧 [MiniDisc]
関連:[SONY] MDS-S37のレビュー [MiniDisc]
関連:[SONY] MDS-S38のレビュー [MiniDisc]
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