[SONY] MDS-S38のレビュー [MiniDisc]

2022年8月25日

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SONYのMDレコーダーである、MDS-S38について。

MDS-S38
↑MDS-S38(1997年)

MDS-S38:46,000円(1997年)
 MDLP非対応
 大きさ:幅280×高さ90×奥行283mm
 重量:2.8kg
 消費電力:13W

前モデルであるMDS-S37(49,000円)よりも、3千円値下げされている。

デザインが変わり、サイズは高さと奥行が若干大きくなった。

MDS-S37
↑MDS-S37(1996年)

関連:[SONY] CDP-S35とMDS-S37のレビュー [CD/MD]

ATRACのバージョンも、MDS-S37と同じVer.4.0である。

関連:[SONY] ATRACのバージョン [MiniDisc]

リモコンも、MDS-S37と同じRM-D8Mである。

関連:[SONY] MDデッキと対応リモコン一覧 [MiniDisc]

1曲内の、指定した2点間を消去できる「A-B ERASE機能」が追加された。

MDS-S37でこれをやろうとすると、DIVIDE(分割)→ERASE(消去)→COMBINE(結合)と、面倒な作業が必要となる。

内部_MDS-S38

ELNAのコンデンサが使われてはいるが、音質はいたって普通。

コンデンサ_MDS-S38

ヘッドホン出力では、迫力不足を感じるかもしれない。

光デジタル入力端子が1系統増えて2系統となり、オーディオバス(AUバス)は廃止された。

背面_MDS-S38

光デジタル入力(角型)×2
光デジタル出力(角型)×1
RCA(IN/OUT)

ヘッドホン端子(3.5mm)が前面にあり、音量調整可能。

MDS-S37同様、デジタル入力のレベル調整は不可。

# デジタル入力のレベル調整ができるのはMDS-S40(1999年)以降。

操作時のビープ音が気になる場合は、背面のスイッチでOFFにできる。

待機状態で、MDを挿入すると、電源が入る(ディスクイン・オートパワー)。

ディスクを入れたまま電源を切った後(待機状態)で、イジェクトボタンを押すと、電源が入りディスクが排出され、即座に電源が切れる(待機状態)。

電源ONの状態でコンセントを抜き、再度挿すと自動的に電源ONとなる(最後の状態を覚えているいうこと)。

設定はコンセントを抜いても保持されるが、この電池(VL2020 3V)により保持されているようなので、

電池_MDS-S38

毎回リセットされてしまうなら、これを交換しよう。

BA501 1-528-739-11 BATTERY, LITHIUM (VL2020 3V)

リモコン:RM-D8M

信号の入力を検知して自動的に録音を開始する「ミュージックシンクロ録音」は、リモコンの「MUSIC SYNC」ボタンで行うので、リモコンがないとできない。

MDの録音を開始してから手動で機器の再生を開始しても録音はできるが、再生がすぐに始まらない場合、曲の頭に無駄なスペースができてしまう。

再生側がCDプレーヤーの場合、停止状態から再生するのではなく、一時停止から再生すると即座に再生が始まるため、この問題を回避できる。

曲の消去(ERASE)

MDデッキで曲を消そうとした時、よくあるのが「リモコンでないと消せない」問題だが、本機は本体のみで消去可能。

というか、リモコンでは消せない(EDITボタンがないため)。

なので、過去に録音したMDのデータ化後に、データを消去し売却するなどの目的で本機を手に入れる場合、リモコンはなくても構わない。

もちろん、全削除(ALL ERASE)も可能だ。

なお、MDS-S39対応のリモコンであるRM-D28Mなら、リモコンでの消去も可能だが、MDS-S38で使えるかは分からない。

インプットモニター機能

各入力に入れている音声を、録音せずにモニターすることが可能(インプットモニター機能)。

1.MDを取り出す。
2.前面のINPUTスイッチで、OPT1/OPT2/ANALOGを選ぶ。
3.録音ボタンを押す。

ANALOGの場合、背面のLINE INに入れた音が、A/D変換されてDigital OUTに出る。
さらにD/A変換され、LINE OUTとヘッドホン端子に出る。

DIGITALの場合、背面のDigital INに入れた音が、Digital OUTに出る。
さらに、D/A変換され、LINE OUTとヘッドホン端子に出る。

3ヘッドのカセットデッキの「MONITOR」のような機能だが、MDを出しておくのが少し面倒ではあるが。

このモニターをしている時、背面のLINE OUTとDigital OUTからは常時出ている。

この時に前面にヘッドホンを挿しても、そのまま出続ける。

レンズのクリーニング

MDS-S37同様、天板を外すだけで、ピックアップのクリーニングが可能。

レンズ_MDS-S38

エタノールを付した綿棒で拭くと良い。

関連:無水エタノール 500ml

マルチジョグダイヤルが接触不良となった場合、エンコーダーに接点復活剤を流し込んで対処する。

接点復活王

関連:接点復活王(ポリコールキング,サンハヤト)

MDS-S37同様、電源をOFFにしても、一次側が切れない(リモコンでONにできる状態)ので、コンセントを抜かない限り、待機電力がかかる点には注意。

オーディオバスが不要なら、光デジタル入力端子が2系統となったMDS-S38の方を選ぶべきだが、デザインがね…

デザインは、後継のMDS-S39(1998年)も同じだが、

MDS-S39
↑MDS-S39(1998年)

次のMDS-S40(1999年)でさらに劣化!

MDS-S40
↑MDS-S40(1999年)

MDS-S40とMDS-S50(2000年)は、FL管の内容も大幅劣化!

MDS-S50
↑MDS-S50(2000年)

MDS-S50は、このサイズのデッキでMDLPに対応した初の機種だが、これでは選べないでしょ…

海外モデル

海外モデルのMDS-S38には、デジタル入力が1系統しかないものがある模様。

海外モデル_サービスマニュアル_MDS-S38

ユーザーマニュアルの図にも、デジタル入力が1系統しか描かれていない。

MDデッキの修理

MDS-S38のメカ部(ピックアップ含む)が逝った場合は、以下のメカ部を移植する方法がある。

メカ部同一機
MDS-S37(1996年発売)
MDS-JE700(1996年発売)
・MDS-MS77(1996年発売) 単体使用不可機

同一か不明
MDS-S39(1998年発売) PUはKMS-260Aで同じ
MDS-S40(1999年発売) PUはKMS-260Aで同じ

移植不可
・MDS-S30(1994年発売) PUはKMS-210
MDS-S35(1995年発売) PUはKMS-210
MDS-S50(2000年発売) PUはKMS-260B MDLP対応

MDS-MS77はコンポとセットでしか使えず(単体使用不可)、コンセントもないので、安価に手に入る可能性が高く、メカ取りには狙い目。

KMS-260A

メカは正常で、ピックアップだけを交換する場合、KMS-260Aを手に入れる必要がある。

ピックアップに「KMS-260A」が使われているとされる機種(未確認)

MDS-S37(1996年発売)
MDS-S38(1997年発売)
MDS-S39(1998年発売)
MDS-S40(1999年発売)
・MDS-S41(海外モデル)
MDS-J3000(1996年発売)
・MDS-J3000ES(海外モデル)
・MDS-JA20ES(海外モデル)
MDS-JA22ES(1998年発売)
MDS-JB920(1998年発売)
・MDS-JE320(海外モデル)
MDS-JE330(1999年発売)
MDS-JE500(1996年発売)
MDS-JE510(1997年発売)
MDS-JE520(1998年発売)
MDS-JE700(1996年発売)
・MDS-M100(海外モデル)
MDS-PC1(1997年発売)
MDS-SD1(1998年発売) コンポのオプション
・MDS-S707(海外モデル)
MDS-W1(1998年発売) MD×2のダブルデッキ
・MDS-E52(業務用)
MDS-E55(業務用)

KMS-260B/KMS-260E/KMS-262A/KMS-262B/KMS-262Eなどもあるようだが、KMS-260A/KMS-260B/KMS-260Eは互換性がある(但しレーザーパワーの調整が必須)との怪情報もある。

KMSはSONYのピックアップであるが、KENWOODなどにも使われている。

DM-VH7:KMS-260A/KMS-260B
DM-SE7:KMS-260A

KENWOODのDM-VH7にはKMS-260AとKMS-260Bが使われているものがあるが、これは両者に互換性があることを意味するのかは分からない(前期型と後期型とか)。

これらのピックアップは既に生産終了なので、新品の入手は困難。

CDプレーヤーのピックアップのように、中華製の互換品が出回ることもない。

MDは日本でしか普及しなかったため、世界的な需要がないためだ。

新品を謳っていても、中古機から取り出した可能性も否定できない。

なお、ピックアップは下側の部品であり、上側の録音ヘッドは含まないので、録音ヘッドが逝っている場合は他機から移植するしかない。

機体や部品が減っていくのは確実なので、現在の所有機が動作していても、今の間に予備の部品を確保しておくのが賢明だ。

レーザーパワー参考値

・CD再生:0.4mW
・MD再生:0.9mW
・MD録音:7.0mW(最大)
・MD録音(4倍速):8.4mW(最大)

つまり、録音時には再生時の7.7倍ものパワーが必要であり、録音が多いとピックアップはスグに逝く。

ピックアップが劣化すると、出力低下で加熱ができないため録音が不可となり、次いで再生も不可、そしてディスクが認識できなくなる(DISC ERROR)。

ピックアップは消耗品で、この世から正常なピックアップが消失した時、MDはめでたく滅亡となる。

その戦犯は、スグにピックアップが逝くMDを広め、その後知らんふりのSONYに他ならず、東●(トージョー)同様の判決が妥当である。

MDのメディアは、2021年時点でも、SONYが一種だけ(MDW80T)ではあるが、生産している模様。

MDW80T

関連:MDW80T×5枚組

ソニーストアでは税込385円、アマゾンだと330円前後で入手可能。

録音済の古いMDディスクでも、消去すれば再び使え、カセットテープのような劣化もない(理論上では100万回以上の書込み・読込みが可能)ので、

関連:MDディスクの寿命は? (SONY)

不要なディスクがあれば、それを使うのも良い。

メディアは堅牢でも機器が軟弱では意味なし!SONYは間違いなく戦犯、よって●條(トージョー)同様の判決が妥当である。

中古の本体は嫌!新品が欲しい!という場合、TEACのMD-70CDがある。

MD-70CD_カタログ

MDLPにも対応しているが、既に生産終了となっている(2020年12月で販売終了)。

弊社(TEAC)には「録音と再生の技術で今と未来をつなぐ」というポリシーがあります。
他社がMDオーディオ事業から撤退していくなか、我々まで生産・販売を辞めてしまうと、MDを聴けなくなってしまうので、できる限り続けたいという思いがありました。
そのため、(MD-70CDの)生産に必要な部品を買い溜めして細々と続けていたのですが、その在庫が底を尽き、2020年12月で販売を終了することになりました。

関連:「辞書からも削除」MDは完全に消えてしまうのか「最後のMDメーカー」に聞く (ラジオ関西)

このMD-70CD、在庫限りなので、適価で手に入るなら、入手しておきたい。

関連:[SONY] MDS-S37のレビュー [MiniDisc]

関連:MD(MiniDisc)の信頼性

関連:[SONY] MDデッキの再生が歪(ひず)む現象 [MDS-S37/MDS-S38]

関連:MD(MiniDisc)の信頼性

関連:オーディオ構成/接続図(2021年10月)

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2022年8月25日

Posted by nakamura