[SONY] CDP-S35(1995年発売)のレビュー [CDプレーヤー]
CDP-S35(CDプレーヤー)
↑CDP-S35(1995年発売)
90年代に主流になった、パルスD/Aコンバーターを搭載している。
関連:[SONY] パルスD/Aコンバーターとは? [CDプレーヤー]
CDP-S35:22,000円(1995年発売)
ヘッドホン出力レベル:10mW(32Ω)
大きさ:幅280×高さ82.5×奥行285mm
重量:2.2kg
消費電力:8W
コンデンサ含め高級品は使われていない。
ヘッドホン出力では、迫力不足を感じるかもしれない。
オペアンプは、三菱の5218Aが1個、JRCの4558Dが2個。
コンデンサを高級品に交換、オペアンプはソケット式にし、他のオペアンプに交換するかは、各自の判断で。
関連:JRC 4565D (汎用オペアンプ)
関連:JRC 4580D (Hi-Fiオペアンプ)
ゴムベルトあり(トレイ用)
ゴムベルトを交換するには、この隙間からは無理で、分解が必要。
交換方法は、CDP-597と同様なので、以下参照のこと。
関連:[SONY] CDP-597(1991年発売)のレビュー [CDプレーヤー]
背面
光デジタル(IN) 角型
RCA(IN)
ヘッドホン端子(3.5mm)が前面にあり、音量調整可能。
CD-R再生可能、CD-RWは認識不可(no disc)。
電源を切ると、一次側も切れる(=リモコンではON不可)。
リモコン:RM-D320
信号の入力を検知して自動的に録音を開始する「ミュージックシンクロ録音」は、リモコンの「MUSIC SYNC」ボタンで行うので、リモコンがないとできない。
MDの録音を開始してから手動で機器の再生を開始しても録音はできるが、再生がすぐに始まらない場合、曲の頭に無駄なスペースができてしまう。
再生側がCDプレーヤーの場合、停止状態から再生するのではなく、一時停止から再生すると即座に再生が始まるため、この問題を回避できる。
シンクロ録音
TC-RX70以降の一部のカセットデッキと組み合わせた場合、カセットデッキのリモコン(RM-J501/RM-J510)を使うことで、CDプレーヤーがCDのピーク音量をサーチし、それに合わせてカセットデッキのREC LEVELを調整、録音開始という作業ができる!
カセットデッキのリモコンで、CDプレーヤーとカセットデッキの両方が同時に操作できるのだ。
上記説明には「アンプの入力切り替えを…」とあるが、CDP-S35とカセットデッキをRCAケーブルで直結すれば、アンプは不要。
但し、REC LEVELが電動ではない機種(ES機や廉価3ヘッド機など)は対象外。
レンズのクリーニング
天板を外すとレンズが見えるので、複雑な分解は不要でクリーニングができる。
エタノールを付した綿棒で拭くとよろしかろう。
使用されているピックアップはKSS-213Bである。
↑KSS-213B
読み取り不良で、クリーニングしてもダメなら、下に見える半固定抵抗(332)を回して出力調整をするが、直るとは限らないし、直ってもすぐにダメになるので、ピックアップ交換が早い。
KSS-213Cも互換性があるようだが…
音質
CDP-S35単体で聴くと、「まぁこんなもんだろう…」だが、CDP-597と前面のヘッドホン出力同士で聴き比べると、CDP-597の方がキラキラ感が高い。
・CDP-S35(1995年) 22,000円
・CDP-597(1991年) 29,800円
CDP-S35は何かコモっているというか、微妙な感じ。
但し、CDP-S35のデジタル出力でMDS-S37(MDデッキ)へ録音したものを聴くと、キラキラ感が補われているので、デジタル部は大差ないのだろう。
関連:[SONY] CDP-S35とMDS-S37 [CD/MD]
比較には、ゼンハイザーのHD 599を使用。
・型式:ダイナミック・オープン型
・周波数特性:12-38,500Hz
・インピーダンス:50Ω
・感度:106dB
CDP-S35の方が4年後発であり、より低コストで高音質が出せるのだろうが、CDP-S35は小型の最廉価モデルなので、意図的に音質を落としている可能性がある。
筐体の大きいCDP-597であるが、以下のように中身はスカスカなので、小型だからといって高音質にできないことはないだろう。
↑CDP-597の内部
関連:[SONY] CDP-597(1991年発売)のレビュー [CDプレーヤー]
幅280mmの組み合わせ
本機と同じ幅(280mm)であるMDS-S37(MDデッキ)と組み合わせると、デザインも近く非常に良い。
↑上がCDP-S35、下がMDS-S37
関連:[SONY] CDP-S35とMDS-S37 [CD/MD]
1995年発売のCDP-S35と完全にマッチするのは、1996年発売のMDS-S37ではなく、CDP-S35と同年発売のMDS-S35なのだけど。
↑MDS-S35(1995年発売)
関連:[SONY] MDデッキと対応リモコン一覧 [MiniDisc]
関連:[SONY] ATRACのバージョンとMDLP対応機 [MiniDisc]
後継機(CDP-A39)
CDP-A39という、銀色の後継機が出ている。
関連:[SONY] CDP-A39(1998年発売) [CDプレーヤー]
1998年の発売で、価格は24,000円。
CDP-S35(1995年発売)の3年後の発売だが、価格は2千円上昇。
音質的な向上はあるのだろうか?
・ハイブリッド・パルス D/Aコンバーター
・ハイプレシジョン・デジタルサーボ
・光デジタル出力
とあるが、これはCDP-S35にも搭載されている。
PCリンク(PCLK-MN10要)に対応した、「S-リンク コントロールA1」端子が背面に追加され、CDテキストデコーダーが搭載されたが、この分の値上げ?
2001年6月の「Hi-Fiオーディオカタログ」には掲載されていたが、さすがに令和時点では生産終了である。
派生機(VCP-S50/VCP-S55)
また、VCP-S50という、外観がほぼ同じのビデオCDプレーヤーもある。
1996年の発売で、価格は33,000円。
ブラックだけでなく、シルバーモデルもあった模様。
ビデオの出力は、黄色RCAの映像端子。
もちろん、CDも再生できる。
光デジタル出力端子があるが、ビデオCD再生時は出力不可で、音楽CDの再生時のみ。
前面の表記が日本語となっている(例:POWER→電源)が、好みの分かれるところ。
上述の「CDシンクロ録音」をするためには、MDのリモコン(RM-D8M)の設定を切り替える必要がある。
# リモコンのPOWERボタンを押しながら、数字ボタンの「2」を押す。
これがDVDプレーヤーなら、令和現在でもまだ需要はあったのだろうが、ビデオCDて…
2001年6月の「Hi-Fiオーディオカタログ」には掲載されていたが、さすがに令和時点では生産終了である。
関連:[SONY] Hi-Fiオーディオ 総合カタログ [2001年6月]
さらに、その前後機種としてVCP-S55が存在する。
↑VCP-S55(1995年)
形状は同じで色違い程度に見えるが、表記が英語になり、Sビデオ出力端子が追加されている。
消費電力も、17Wと、4W高い(VCP-S50は13W)。
そして価格は…43,000円と、1万円も高い!
というか、
・VCP-S50(1996年)
・VCP-S55(1995年)
VCP-S55の方が先に出た?
なお、海外には、MCE-S50という、PALとNTSCに対応したビデオCDプレーヤーがある。
↑MCE-S50(1996年)
背面に、PALとNTSCの切替SW、電圧の切替SW(110-120V/220-240V)がある。
出力は、
・ヘッドホン(3.5mm) 音量調整可能
・光デジタル出力(角型)
・音声出力(RCA)
・コンポジット映像出力
であり、S端子はない。
消費電力は16W。
関連:[SONY] VCP-S50とVCP-S55 [ビデオCDプレーヤー]
関連:[SONY] MDS-S37のレビュー [MiniDisc]
関連:[SONY] CDP-597(1991年発売)のレビュー [CDプレーヤー]
関連:[SONY] CDP-591(1990年)とCDP-597(1991年)の比較 [CDプレーヤー]
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