[SONY] VCP-S50とVCP-S55 [ビデオCDプレーヤー]
VCP-S50とVCP-S55 は、SONYのビデオCDプレーヤーである。
関連:ビデオCD (Wikipedia)
ビデオCDは1993年に登場した。
# 1987年に登場した「CDビデオ」とは別物。
レーザーディスク(LD)とは異なり、デジタルビデオ規格である。
映像でありながら、ビットレートは音楽CD(1411.2kbps)とほぼ等しいため、容量が650MBのコンパクトディスクに、音楽CDと同じ長さである74分の映像が収録できるが、解像度は352×240ピクセル(NTSC)と、非常に低い。
日本ではレーザーディスクがあり、その後、2000年前後にDVD-Videoが登場したため、ビデオCDは普及することなく消えていった。
VCP-S50
↑VCP-S50(1996年) 33,000円
ボタンの表示が日本語となっている(例:「POWER」ではなく「電源」)。
映像出力はRCAの黄色(コンポジット)。
関連:コンポジット映像信号 (Wikipedia)
・デジタル音声SN比:92dB以上(EIAJ)
・ダイナミックレンジ:90dB以上(EIAJ)
消費電力は13W。
重量は約3.5kg。
ワイヤレスリモコン(RMT-S50J)が付属する。
ブラックだけでなく、シルバーモデルもあった模様。
・デジタル光出力(音楽CDのみ)
・シャッフルプレイ
・3モードリピート
・つづき機能
・ダイジェスト機能
・シーン再生機能
・スロー再生機能
・お助けガイド機能
・日本語表示
2001年6月の「Hi-Fiオーディオカタログ」でも掲載されていた。
関連:[SONY] Hi-Fiオーディオ 総合カタログ [2001年6月]
VCP-S55
VCP-S55にはS映像出力端子があり、RCAの黄色(コンポジット)より高画質な映像出力が可能。
↑VCP-S55(1995年) 43,000円
関連:S端子 (Wikipedia)
ボタンの表示が英語となっている。
・SN比:105dB以上(EIAJ)
・ダイナミックレンジ:97dB以上(EIAJ)
SN比とダイナミックレンジとも、VCP-S50に比べてえらく上がっているが…
消費電力は17Wで、VCP-S50よりも4W増。
重量は約3.2kgで、VCP-S50よりも0.3kg軽い。
ワイヤレスリモコン(RM-V55)が付属する。
お助けガイド機能:操作中のモードや状況を画面に日本語で表示。
プレイバックコントロール機能付きソフトも簡単操作で楽しめます。
スロー再生:アクションシーンやゴルフのスイングなど、素早い動きもじっくり研究できます。
ブックマーク機能:ディスク1枚に最大5箇所までマークを付けて、マークの番号を選ぶだけで、その場面から再生。このブックマークはディスク172枚分まで登録でき、ソフト毎に見たい場面をすぐに呼び出せます。
ダイジェスト機能:各トラック冒頭の映像を9分割画面に表示するディスク・ダイジェスト、1トラックの展開が9分割画面で分かるトラック・ダイジェストで、ディスクの内容を簡単にチェックできます。
高精細静止画をより美しく楽しめるS映像出力を装備。
MDでデジタル録音&編集が楽しめる光デジタル出力(音楽CD再生時のみ使用可能)を装備。
止めた場面から続けて見られる「つづき機能」。
シーン番号で見たい場面を直接呼び出せるシーン再生。
VCP-S55は、「SONY レーザーディスクプレーヤー ビデオCDプレーヤー 総合カタログ 1995年9月」に掲載されている。
上述のように、2001年6月まで残っていたVCP-S50よりも早く消えた模様。
共通点
サイズは幅280×高さ82.5×奥行285mm。
音楽CD(CD-DA)も再生可能。
8cmの音楽CDも、アダプターなしで再生可能。
光デジタル出力端子があるが、ビデオCD再生時は出力不可で、音楽CDの再生時のみ。
解像度は、
・352×240画素(動画/標準静止画)
・704×480画素(高精細静止画)
であり、当時(ブラウン管TV時代)はギリギリOKかもしれないが、令和時点では低すぎる…
# DVD-Videoの約4分の1の画素数。
ピックアップはKSS-213Bであるが、KSS-213BはKSS-213Cと互換性があり、2024年時点でも入手は容易である。
ワイヤレスリモコン
両者の機能的な差は、映像出力端子くらいかと思われるが、リモコンもが異なっている。
・VCP-S50:RMT-S50J
・VCP-S55:RM-V55
VCP-S50は、ボタンが日本語表記であるため、リモコン(RMT-S50J)の表記も日本語となっているだけかと思いきや、RM-V55の方にはトレイ開閉ボタンがない。
一方、RM-V55の方にしかないボタンもある。
・BOOKMARK(=ブックマーク機能)
・ERASE
・FADER
・RESUME PLAY(=つづき機能)
ということから推測するに、映像出力端子以外の、機能的な差があるということだろう。
海外機
海外には、MCE-S50という、PALとNTSCに対応したビデオCDプレーヤーがある。
↑MCE-S50(1996年)
背面に、PALとNTSCの切替SW、電圧の切替SW(110-120V/220-240V)がある。
出力は、
・ヘッドホン(3.5mm) 音量調整可能
・光デジタル出力(角型)
・音声出力(RCA)
・コンポジット映像出力
であり、S端子はない。
消費電力は16W。
ピックアップはKSS-213B。
何れも、外観は、CDプレーヤーであるCDP-S35(1995年)やCDP-A39(1998年)と似ている。
↑CDP-S35(1995年) 22,000円
↑CDP-A39(1998年) 24,000円
関連:[SONY] CDP-S35(1995年発売)のレビュー [CDプレーヤー]
関連:[SONY] CDP-A39(1998年発売) [CDプレーヤー]
ビデオCDの再生機
なお、ビデオCDの再生機だが、以前はDVDプレーヤーでも再生できたが、現行のDVDプレーヤーでは、その多くで再生不可である。
# 中華品の何でも再生可能なものは除く。
SONYの現行機で唯一のDVDプレーヤー(他はブルーレイディスク/DVDプレーヤー)であるDVP-SR20(2012年10月発売)でも、ビデオCDは対象外となっている。
生産完了品を追うと、
・DVP-SR200P(2010年10月発売)
・DVP-NS700H(2008年4月発売)
が、ビデオCDの再生に対応している。
但し、DVP-SR200PはHDMI出力がなく、D端子(D2出力)とコンポジット映像出力(RCAの黄色)のみである。
DVP-NS700HはHDMI出力、S映像出力、コンポジット映像出力がある。
デジタル音声出力は両機とも装備だが、
・DVP-SR200P:光(角型)×1
・DVP-NS700H:光(角型)×1、同軸×1
となっている。
オーディオ機器とは異なり、リモコンがないとまともな操作ができない機種が多いので、中古で手に入れる際は、リモコンの有無に注意。
ゲーム機の対応
ゲーム機のビデオCDの対応であるが、以下のように、ほとんどが非対応である。
・PlayStation:非対応
・PlayStation2:非対応
・PlayStation3:非対応
・PlayStation4:非対応(そもそもCDに非対応)
・PlayStation5:非対応(そもそもCDに非対応)
・ネオジオCD:非対応
・PC-FX:非対応
・XBOX 360:非対応
・XBOX ONE:非対応
以下の2機種は、別売のオプションを装着すると、ビデオCDの再生が可能となる。
3DO
・「ビデオCDアダプター(FZ-FV1)」:FZ-1専用
・「ビデオCDアダプター(FZ-FV10)」:FZ-10専用
セガサターン
・「ムービーカード(HSS-0119)」
・「ビデオCDオペレーター(RG-VC1)」
・「ツインオペレーター(RG-VC2)」:ビデオCD Ver.2.0に対応
・「ツインオペレーター(RG-VC3)」:海外版PAL方式に対応
日立から出た「ハイサターン」は、標準でビデオCDとフォトCDの再生が可能である。
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