[SONY] VCP-S50とVCP-S55 [ビデオCDプレーヤー]

2024年9月22日



VCP-S50とVCP-S55 は、SONYのビデオCDプレーヤーである。

ビデオCD

ビデオCDは1993年に登場した。

レーザーディスク(LD)とは異なり、デジタルビデオ規格である。

解像度は352×240ピクセル(NTSC)と低く、映像でありながらビットレートは音楽CD(1411.2kbps)とほぼ等しいため、容量が650MBのコンパクトディスクには、音楽CDと同じ長さである74分の映像が収録できる。

日本ではレーザーディスクがあり、その後、2000年前後にDVD-Videoに登場したため、ビデオCDは普及することなく消えていった。

VCP-S50

VCP-S50
↑VCP-S50(1996年) 33,000円

前面の表示が日本語となっている(例:POWER→電源)。

映像出力はRCAの黄色(コンポジット)。

背面_VCP-S50

デジタル音声SN比:92dB以上(EIAJ)
ダイナミックレンジ:90dB以上(EIAJ)

消費電力は13W。

重量は約3.5kg。

ワイヤレスリモコン(RMT-S50J)が付属する。

ブラックだけでなく、シルバーモデルもあった模様。

VCP-S50

・デジタル光出力(音楽CDのみ)
・シャッフルプレイ
・3モードリピート
・つづき機能
・ダイジェスト機能
・シーン再生機能
・スロー再生機能
・お助けガイド機能
・日本語表示

2001年6月の「Hi-Fiオーディオカタログ」にも掲載されていた。

関連:[SONY] Hi-Fiオーディオ 総合カタログ [2001年6月]

VCP-S55

VCP-S55にはS映像出力端子があり、RCAの黄色(コンポジット)より高画質な映像出力が可能。

VCP-S55_カタログ
↑VCP-S55(1995年) 43,000円

前面の表示が英語となっている。

SN比:105dB以上(EIAJ)
ダイナミックレンジ:97dB以上(EIAJ)

消費電力は17W。

重量は約3.2kg。

ワイヤレスリモコン(RM-V55)が付属する。

お助けガイド機能:操作中のモードや状況を画面に日本語で表示。
プレイバックコントロール機能付きソフトも簡単操作で楽しめます。

スロー再生:アクションシーンやゴルフのスイングなど、素早い動きもじっくり研究できます。

ブックマーク機能:ディスク1枚に最大5箇所までマークを付けて、マークの番号を選ぶだけで、その場面から再生。このブックマークはディスク172枚分まで登録でき、ソフト毎に見たい場面をすぐに呼び出せます。

ダイジェスト機能:各トラック冒頭の映像を9分割画面に表示するディスク・ダイジェスト、1トラックの展開が9分割画面で分かるトラック・ダイジェストで、ディスクの内容を簡単にチェックできます。

ディスク・ダイジェスト_VCP-S50_VCP-S55

高精細静止画をより美しく楽しめるS映像出力を装備。

背面_VCP-S55

MDでデジタル録音&編集が楽しめる光デジタル出力(音楽CD再生時のみ使用可能)を装備。

止めた場面から続けて見られるつづき機能。

シーン番号で見たい場面を直接呼び出せるシーン再生。

VCP-S55は、「SONY レーザーディスクプレーヤー ビデオCDプレーヤー 総合カタログ 1995年9月」に掲載されている。

VCP-S55

上述のように2001年6月まで残っていたVCP-S50よりも早く消えた模様。

共通点

サイズは幅280×高さ82.5×奥行285mm。

音楽CD(CD-DA)も再生可能。

8cmの音楽CDも、アダプターなしで再生可能。

光デジタル出力端子があるが、ビデオCD再生時は出力不可で、音楽CDの再生時のみ。

解像度は、

・352×240画素(動画/標準静止画)
・704×480画素(高精細静止画)

であり、当時(ブラウン管TV時代)はギリギリOKかもしれないが、令和時点では低すぎる…

# DVD-Videoの約4分の1の画素数。

ピックアップはKSS-213Bであるが、KSS-213BはKSS-213Cと互換性があり、2024年時点でも入手は容易である。

関連:[SONY] CDプレーヤーのピックアップ対応一覧 [KSS-150A/KSS-151A/KSS-190A/KSS-200A/KSS-210A/KSS-211A/KSS-213B/KSS-213C/KSS-240A/KSS-270A/KSS-271A/KSS-272A/KSS-273A/KSS-273B/KSS-274A/KSS-281A]

海外機

海外には、MCE-S50という、PALとNTSCに対応したビデオCDプレーヤーがある。

MCE-S50
↑MCE-S50(1996年)

背面に、PALとNTSCの切替SW、電圧の切替SW(110-120V/220-240V)がある。

出力は、

・ヘッドホン(3.5mm) 音量調整可能
・光デジタル出力(角型)
・音声出力(RCA)
・コンポジット映像出力

であり、S端子はない。

消費電力は16W。

ピックアップはKSS-213B

何れも、外観は、CDプレーヤーであるCDP-S35(1995年)やCDP-A39(1998年)と似ている。

CDP-S35
↑CDP-S35(1995年) 22,000円

CDP-A39
↑CDP-A39(1998年) 24,000円

関連:[SONY] CDP-S35(1995年発売)のレビュー [CDプレーヤー]

関連:[SONY] CDP-A39(1998年発売) [CDプレーヤー]

ビデオCDの再生機

なお、ビデオCDの再生機だが、以前はDVDプレーヤーでも再生できたが、現行のDVDプレーヤーでは、その多くで再生不可である。

ビデオCD

# 中華品の何でも再生可能なものは除く。

SONYの現行機で唯一のDVDプレーヤー(他はブルーレイディスク/DVDプレーヤー)であるDVP-SR20(2012年10月発売)でも、ビデオCDは対象外となっている。

生産完了品を追うと、

DVP-SR200P(2010年10月発売)
DVP-NS700H(2008年4月発売)

が、ビデオCDの再生に対応している。

但し、DVP-SR200PはHDMI出力がなく、D端子(D2出力)とコンポジット映像出力(RCAの黄色)のみである。

DVP-NS700HはHDMI出力、S映像出力、コンポジット映像出力がある。

デジタル音声出力は両機とも装備だが、

・DVP-SR200P:光(角型)×1
・DVP-NS700H:光(角型)×1、同軸×1

となっている。

オーディオ機器とは異なり、リモコンがないとまともな操作ができない機種が多いので、中古で手に入れる際は、リモコンの有無に注意。

ゲーム機の対応

ゲーム機のビデオCDの対応であるが、以下のように、ほとんどが非対応である。

・PlayStation:非対応
・PlayStation2:非対応
・PlayStation3:非対応
・PlayStation4:非対応(そもそもCDに非対応)
・PlayStation5:非対応(そもそもCDに非対応)

・ネオジオCD:非対応
・PC-FX:非対応

・XBOX 360:非対応
・XBOX ONE:非対応

以下の2機種は、別売のオプションを装着すると、ビデオCDの再生が可能となる。

3DO
・「ビデオCDアダプター(FZ-FV1)」:FZ-1専用
・「ビデオCDアダプター(FZ-FV10)」:FZ-10専用

セガサターン
・「ムービーカード(HSS-0119)
・「ビデオCDオペレーター(RG-VC1)」
・「ツインオペレーター(RG-VC2)」:ビデオCD Ver.2.0に対応
・「ツインオペレーター(RG-VC3)」:海外版PAL方式に対応

日立から出た「ハイサターン」は、標準でビデオCDとフォトCDの再生が可能である。



Posted by nakamura