[SONY] TC-K222ESAの基板修理 [カセットデッキ]
1991年に発売された、SONYのカセットデッキである、TC-K222ESAに関する件。
何も入力していないのに、レベルメーターが動く、怪奇現象。
怪奇現象の様子は、以下の動画を見てもらうとして、
関連:[SONY] TC-K222ESAの分解修理と怪奇現象 [カセットデッキ]
基板上の銅板のハンダ割れが原因ではないかということなので、
基板を取り出した。
各所のケーブルを外す必要があるので、面倒。
基板を取り出し、裏面の銅板部分を見る。
10点のハンダ箇所があるが、数箇所にハンダ割れが見られた。
ハンダ割れしていない部分も含め、10点全てをハンダし直す。
他にも、背面のRCA端子(LINE IN/LINE OUT)部分もハンダ割れしやすいので、
割れてはいなかったが、ハンダし直しておく。
基板を外したついでに、前面パネル内の基板も見ておく。
基板にアクセスするには、正面左のPHONE LEVELと、右下のDOLBY NRとBIASのツマミを外す必要がある。
3個とも、引くだけで外れるが、非常に固い場合がある。
固くて抜けない場合は、傷が付かないよう、ゴムシートで挟み、ペンチ掴んで抜く。
前面パネルに到達したら、FL管を拭き、その手前の窓(Window)の内側も拭く。
喫煙環境にあった場合など、汚れている場合があるからだ。
これらが汚れていると、FL管の表示が暗く見えてしまう。
さらに、タクトスイッチに接点復活剤を吹き込み、
ボタンの押し下げを繰り返して馴染(なじ)ませる。
本来はタクトスイッチを交換すべきなのだが、軽い不良なら、これで直る。
タクトスイッチに不良が生じると、勝手に動いたり、押したボタンとは違う動作をしたりする。
PHONE LEVELに軽いガリがあったので、その裏のボリュームに、同じく接点復活剤を吹き込む。
Eリングや、その周辺の穴に拭き込み、ボリュームを何度か回すとガリは消える。
前面には他にもツマミがあるが、接触不良がある場合は、同様に処理しておく。
また、FL管の隣にあるリモコン受光部がNGの場合は、互換品に交換しよう。
関連:[SBX 1610-59] リモコン受光部の不具合と互換品との交換 [VS1838B]
仮組し、動作に問題がなければ、閉じて完了。
その後、しばらく動かしてみたが、レベルメーターが動く怪奇現象は発生していないので、やはり銅板のハンダ割れが原因だったのだろう。
ハンダ割れの原因
動作中、銅板に触れてみたが、熱くはなっていないので、放熱の役目はない模様。
放熱の役目があるのなら、熱による膨張でハンダ割れが生じたと考えられるが、そうでないのなら、何故何箇所も割れているのだろう?
この銅板は、前モデルのTC-K222ESLにもあるので、そちらも再ハンダしておく必要がある。
# 後継のTC-K222ESJには、銅板がないので対策不要。
リサジュー図形
必要なら、アジマス調整を行う。
ギシギシ感の対策
なお、今回は行わなかったが、MONITORボタンの触感が「ギシギシ」と悪いので、摩擦面にシリコングリースを塗っておくと、マシになるだろう。
「ギシギシ」は、横並びのCOUNTER RESET、COUNTER MEMORY、AMS(巻き戻し)、AMS(早送り)にも生じる。
なお、後継のTC-K222ESJは、ボタン配置が換わっているので、「ギシギシ」は生じないが、AMS(巻き戻し)、AMS(早送り)が非常に押しにくくなっている。
# 正面から奥に押すのではなく、上から下に「下げる」感じに押さないとダメ。
関連:[SONY] DOLBY NRの不良 [TC-K222ESA]
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