[SBX 1610-59] リモコン受光部の不具合と互換品との交換 [VS1838B]

2022年1月12日

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リモコンの誤反応

TC-RX70(1990年発売)が、全く関係のないリモコンで反応してしまうという現象。

エアコンや扇風機のリモコンで反応し、誤作動してしまうのだ。

SONYの他機では生じないので、このデッキの問題(不良)だと思われる。

# TC-RX70の純正リモコンであるRM-J501は他機でも使えるので、TC-RX70の信号が特殊ということはない。

RM-J501
↑RM-J501

100%誤動作することもあれば、全く反応しないこともあるので、振舞が謎である。

関連:[SONY] ワイヤレスリモコン(RM-J701/RM-J702/RM-J703/RM-J710/RM-J501/RM-J510) [カセットデッキ]

勝手に停止

また、リモコンの誤動作とは別に、再生を続けていると、いきなり止まってしまうことがある。

リモコンの受光部の不良により、勝手に停止とされる可能性も考えられる。

# 電源スイッチの不具合ではないことは確認済。

ということで、分解し、リモコン受光部を取り外すことにした。

リモコン受光部(SBX 1610-59)

TC-RX70のリモコン受光部は、FL管の右隣の、「R」マークの部分にある。

「R」マーク_TC-RX70

天板を開け、FL管を含む基板一式を、前面パネルから取り外す。

FL管を含む基板一式_TC-RX70

「IC 902」とある部分の、丸穴の開いた銀色のケースが、リモコン受光部だ。

FL管を含む基板一式_TC-RX70

サービスマニュアルでは、以下の通り。

DISPLAY BOARD_TC-RX70
↑左下にある「IC 902」がその箇所

リモコン受光部:8-741-100-48 IC SBX1610-59

基板に付いた状態では何もできないので、外す必要がある。

ハンダ5点で固定されているので、これを外す。

ハンダ5点_SBX1610-59

両端の2点は鉄ケースであり、熱が逃げるので外しにくい。

ケースには「SBX 1610-59」と記されている。

SBX1610-59

鉄製のケースを開けると、内部が確認できる。

SBX1610-59の内部

電解コンデンサが3個、並んでいる。

SBX1610-59の電解コンデンサ

左から、

・6.3V 47uF
・50V 3.3uF
・50V 1uF

(u=µ=マイクロ)

である。

液漏れの類は確認できなかったが、劣化するとすれば、やはり電解コンデンサだろう。

交換してみようかと思ったが、手持ちの電解コンデンサは、耐圧が大きく、サイズが大きいので、物理的に格納できないことが判明。

大きすぎてケースに格納できない
↑大きすぎてケースに格納できない!

曲げても格納は困難そう。

搭載品は、φ4mm、高さ7.5mmと、かなり小さい。

このためだけに小型の電解コンデンサを入手するのも面倒であり、そもそもリモコンを使わないので、受光部を取り外して様子を見ることにする。

その結果…

1.エアコン等のリモコンによる誤作動はなくなった(受光できないので当然)。

2.勝手に再生が止まる問題も、今のところ、生じていない。

ということで、リモコンを使わないのであれば、ここで終了である。

保守部品

後に作られた、保守部品。

・8-742-018-10(SBX 1810-59):フィリピン製:600円

電解コンデンサが1個になっている。

2010年前後までは手に入ったようだが、令和現在では、既に入手不可。

関連:[SONY] カセットデッキの修理について [サービスセンター]

互換品に交換

この受光部(SBX 1610-59)は、SONYの他機や、ES機にも使われている。

正常動作の他機から移植してもよいが、互換品に交換してしまうという手もある。

VS1838Bの現物

・互換品①:VS1838B
・互換品②:VS1838B
・互換品③:VS1838B

10個で700円とか、それ以下で手に入るので、こちらの方が手軽で安い!

SBX 1610-59に比べるとえらく簡素だが、これは技術の進歩という理解でOK?

VS1838Bのサイズ

ただ、交換には注意点がある。

3本脚のピンアサインが異なるのだ。

SBX 1610-59のピンアサインは、

SBX1610-59のピンアサイン

・上:GND
・中:OUT
・下:VCC

一方、VS1838Bのピンアサインは、

VS1838Bのピンアサイン

・上:VCC
・中:GND
・下:OUT

となっているので、脚を曲げて付ける必要がある。

つまり、この状態の基板に対し、

IC 902_TC-RX70

受光部を表に向けて、

・上の脚を、下の穴に、
・中の脚を、上の穴に、
・下の脚を、中の穴に、

図示すると、

VS1838Bの接続

という具合に、脚を曲げて取り付けるということである。

予め、先の細いペンチで、以下のように脚を曲げておく。

VS1838Bの脚を曲げる

受光部の裏面に厚みのある両面テープを貼って固定すると、ハンダ付けの際に楽。

VS1838Bと両面テープ

3点のハンダ付けをする。

VS1838Bをハンダ付け

仮組し、手持ちのリモコンで動作を確認し、問題がなければ完了。

VS1838Bの頭が左を向いているせいか、リモコンの受信範囲は、本体向かって左側の角度が若干狭い感じだが、通常使用では問題ない。

気になるなら、脚に線を追加する必要が出てくるが、頭を上にし、縦方向に搭載すると、左右対称になろう。

エアコンや扇風機のリモコンで誤反応することもなくなったし、いきなり止まることもなくなった。

VS1838B

アマゾンでのVS1838Bの販売は10個程度からであり、10個も不要!という人がいるかもしれないが、安いし、今は問題のない受光部が、今後ダメになっていく可能性を考えると、予備に持っていても問題はないだろう。

上述のように、ES機でも同じ互換品が使用でき、少なくとも、ESG(1989年)~KA(1995年)は同じである。

・互換品①:VS1838B
・互換品②:VS1838B
・互換品③:VS1838B

不良受光部の放置は危険!

リモコン受光部が不良となると、リモコンで操作可能なあらゆる命令がランダムでデッキに伝わるため、下手をすると、勝手に録音開始(=上書きで消去)、ということも考えられる。

リモコン操作部
↑リモコンで録音(赤●)も可能(RM-J501)

なので、不穏な動作を感じたら、撤去するか、交換するべきだろう。

不穏な動作は、リモコン受光部だけでなく、ゴムベルト、ピンチローラー、モーター、エンコーダー、アイドラー、電源スイッチ、ハンダ割れが原因となることもある。

症状から問題箇所を推察することもできるが、推察しながらも、全てを一斉に手入れする方が確実である。

SONYが修理を受けていた頃だと、関連箇所を交換して修理完了、となるのだが、2021年時点で、既に修理を受け付けていない。

関連:[SONY] カセットデッキの修理について [サービスセンター]

生産から30年以上経過しており、各部の劣化は確実にあるので、自力で対処できるだけの知識や道具は持っておきたい。

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2022年1月12日

Posted by nakamura