[SONY] Dolby S NR 対応機種 [カセットデッキ]
ドルビーノイズリダクションの種類
ドルビーBタイプ
高域のノイズ(「シャー」というヒスノイズ)を低減。
ドルビーCタイプ
Bタイプを2回通したのと同じで、効果も2倍。
高音に加え、中音域のノイズ低減も実現。
ドルビーSタイプ
低音域のノイズ低減も実現。
原理的にパンピング(動的副作用)が発生しない。
市販の録音済の音楽テープにドルビーのマークがある場合は、Bタイプである。
Dolby B NRに対応したICの生産終了に伴い、現在ではDolby B NR搭載カセットデッキの新規生産はできない状況だが、TEACのW-1200には、Dolby B NR相当の効果がある独自のノイズリダクションシステムが搭載されている。
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Dolby S NRの登場
ドルビーSタイプ(Dolby S NR)は、1990年に登場。
1991年に発売された、AIWAのXK-S9000が、民生用初のドルビーS搭載機である。
↑XK-S9000(135,000円)
ドルビーSタイプが出た時は、既にカセットデッキ末期であり、B/Cタイプほどは普及せずに終わってしまった。
Sタイプで録音したテープは、Bタイプでもさほど違和感なく再生できる(=簡易再生)。
低音域から高音域まで、ノイズをガッツリ抑え込めるドルビーSタイプは、非常に魅力である。
TC-K222ESJやTC-K710Sのように、「ドルビーSシール」が貼られている機種もある。
↑ドルビーSシール(TC-K222ESJ)
ハイポジテープ(TYPE II)は、ヒスノイズの小ささが利点だが、令和の現在、入手は困難である。
ノーマルテープしか手に入らない現在、ドルビーSタイプの重要性がますます高まっているかは知らない。
以下、ドルビーSタイプを搭載するSONY機を挙げる。
ES機
1993年のESJ以降の6機種。
・TC-K222ESJ(1993年)
・TC-K333ESJ(1993年)
・TC-K555ESJ(1993年)
・TC-KA3ES(1995年)
・TC-KA5ES(1995年)
・TC-KA7ES(1995年)
↑TC-KA7ES
KAシリーズは、最後のES機であり高いので、ドルビーS対応のES機を狙うなら、ESJしかない。
関連:[SONY] ESシリーズの変遷と比較(ESG→ESL→ESA→ESJ→KA*ES) [カセットデッキ]
廉価3ヘッド機
以下の2機種が対応。
・TC-K700S(1993年)
・TC-K710S(1995年)
↑搭載されているドルビーSの基板(CXA1417Q)
A-2006-954-A DOLBY(S) BOARD, COMPLETE
A-2007-173-A DOLBY(S) BOARD, COMPLETE
手に入れるなら、クォーツロックのあるTC-K710Sの方だ。
関連:[SONY] 廉価の3ヘッド機(TC-K600,TC-K700S,TC-K710S) [カセットデッキ]
オートリバース(シングル)機
意外なことに、通常型のデッキでは1台も存在しない!
# 海外ではTC-RX611S=TC-RX606ESが存在する。
コンポ向けのデッキでは存在する。
・TC-S1(1995年)
Dolby S NR対応の通常型のデッキと、RXシリーズを併用している場合、困るかもしれないが、ドルビーSで録音し、RX機で再生する場合、上述のように、ドルビーBにして再生すると、さほど違和感なく再生できる。
関連:[SONY] TC-RXシリーズの変遷と比較 [オートリバース機]
ダブルデッキ
以下の6機種?
・TC-WR705S(1994年)
・TC-WR905S(1994年)
・TC-WE805S(1996年)
・TC-WR965S(1995年)
・SRP-CT3W(TC-WR965Sの業務用バージョン)
・TC-WE825S(1998年)
↑TC-WR965S
1993年以降の機種でも、非対応がかなりあるので注意。
関連:[SONY] カセットデッキ/DATデッキ 総合カタログ [1996年10月]
関連:[SONY] ヘッドホン端子と音量調整が可能なオートリバース機 [カセットデッキ]
関連:[SONY] メカデッキ(TCM-110/TCM-CMAY/TCM-170/TCM-200/TCM-190)について [カセットデッキ]
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