[SONY] TC-S1/TC-TX9/TC-TX77/TC-TX717/TC-PX100/TC-TX373/TC-TX11/TC-TX333/TC-TX595/TC-TX515/TC-TX313/TC-TX21 [カセットデッキ]
オプションのカセットデッキ
コンポの「専用オプション」として発売されたカセットデッキを挙げる。
「TC-S1」を除き、「TC-TXxxx」という型式が付いている。
「専用」とはあるものの、単体使用できる機種も多いが、親機であるコンポからでないと操作できない機能もあるので、購入する前に確認が必要。
以下に挙げるどの機種にも、ヘッドホン端子やボリューム(音量調整)はないので注意。
高さを下げるため、ほぼ全ての機種で水平ローディングメカが採用されているので、ヘッド周辺をしっかり掃除するには、天板を外さなければならない。
クリーニングテープなら天板を外す必要はないが、撫でているだけなので掃除にはならない。
表示部のない機種とある機種では、動作状況の分かる後者を選びたい。
録音済テープのデジタル化なら、再生させるだけであり、REC LEVELを目視/確認する必要がないので、表示部のない機種でも問題ない。
あとはドルビー(B/C/S)の対応だが、ドルビーS対応の機種は、オプション機ではTC-S1だけ?
そのためか、TC-S1は中古でも高いので、ドルビーCまでの対応となるが、TC-TX77やTC-TX717がオススメ。
テープのデジタル化にしか使わず、デジタル化完了後は使わないのなら表示部のないモデルで安価に済まし、その後も録音で使うのであれば、FL管とREC LEVELのある機種を選択。
単体デッキを置く場所はないが、カセットデッキは持っておきたい、という場合に、小型のオプションデッキは最適かもしれない。
どの機種も、消費電力は10W前後と小さい。
TC-S1
コンポSシリーズのオプションのカセットデッキ。
・発売:1995年
・価格:35,000円
・消費電力:11W
・最大外形寸法:310×90×345mm
・質量:約4.3kg
・日本製(MADE IN JAPAN)
関連:TC-S1(1995年)
電動水平ローディングメカ(「OPEN/CLOSE」ボタンを押すと電動でトレイが出てきて、テープ面を奥にしてテープを寝かせて入れる)。
オートリバース対応。
メタルテープ対応。
REC LEVEL調整可能。
BIASとEQレベルを、テープに合わせて自動調整する、オートレックキャリブレーションを搭載。
AMS(オートマチック ミュージックセンサー)を搭載しており、前後の曲を素早く頭出しできる。
コンポSシリーズは高級シリーズなので、オプションである本機も35,000円と高いが、4.3kgと重く、FL管があり、さらにはドルビーSにも対応している。
関連:[SONY] Dolby S NR 対応機種 [カセットデッキ]
メカ部はKENWOODのKXF-5002と似るが、ヘッドやメカ部は異なる模様。
背面には、ライン入力(RCA)、ライン出力(RCA)、AUバス、電源コンセント(非連動)がある。
2022年時点で、オークションで5千円を超えることがある。
TC-TX9
MDピクシー(DHC-MD9/MD7)のオプションのカセットデッキ。
・発売:1996年
・価格:24,800円
・消費電力:11W
・最大外形寸法:280×85×350mm
・質量:約4.0kg
・日本製(MADE IN JAPAN)
関連:TC-TX9(1996年)
電動水平ローディングメカ(「OPEN/CLOSE」ボタンを押すと電動でトレイが出てきて、テープ面を奥にしてテープを寝かせて入れる)。
オートリバース対応。
メタルテープ対応。
REC LEVEL調整可能。
ドルビーBとCに対応(Sには非対応)。
背面には、ライン入力(RCA)、ライン出力(RCA)、AUバスがある。
中途半端に曲面を取り入れた結果、安物のビデオデッキ風に見え、格好悪い?
TC-TX77
MDピクシー(DHC-MD77)のオプションのカセットデッキ。
親機であるDHC-MD77と同日の、1996年9月10日発売。
↑DHC-MD77
関連:DHC-MD77 報道資料 (SONY)
・発売:1996年
・価格:24,800円
・消費電力:11W
・最大外形寸法:280×90×348.5mm
・質量:約3.6kg
・日本製(MADE IN JAPAN)
関連:TC-TX77(1996年)
電動水平ローディングメカ(「OPEN/CLOSE」ボタンを押すと電動でトレイが出てきて、テープ面を奥にしてテープを寝かせて入れる)。
オートリバース対応。
メタルテープ対応。
REC LEVEL調整可能。
ドルビーBとCに対応(Sには非対応)。
背面には、ライン入力(RCA)、ライン出力(RCA)、AUバスがある。
同年のTC-TX9とは違い、直線主体ですっきりとしたデザイン。
TC-TX717
ミニコンポであるDHC-MD717(3MDピクシー)のオプションのカセットデッキ。
親機であるDHC-MD717と同日の、1997年9月21日発売。
↑DHC-MD717
関連:DHC-MD717 報道資料 (SONY)
・発売:1997年
・価格:24,800円
・消費電力:11W
・最大外形寸法:280×90×348.5mm
・質量:約3.2kg
・日本製(MADE IN JAPAN)
関連:TC-TX717(1997年)
電動水平ローディングメカ(「OPEN/CLOSE」ボタンを押すと電動でトレイが出てきて、テープ面を奥にしてテープを寝かせて入れる)。
テープを入れると、トレイ中央の「TAPE」が赤く光る。
オートリバース対応。
メタルテープ対応。
REC LEVEL調整可能。
ドルビーBとCに対応(Sには非対応)。
背面には、ライン入力(RCA)、ライン出力(RCA)、AUバスがある。
2年前にコンポ用として出たTC-S1と比べ1万円も安いが、ドルビーS非対応など、機能的に劣る。
MD時代となり、カセットが衰退(コンポに高機能なカセットを求めていない)、ということだろう。
2022年5月、オークションにて、未使用品に2万円超の落札価格が付いた(入札件数24)。
TC-PX100
MDピクシー(DHC-MD777/MD555)のオプションのカセットデッキ。
DHC-MD777は1998年10月21日、DHC-MD555は1998年9月21日、TC-PX100は1998年9月21日発売。
↑DHC-MD777
関連:DHC-MD777/MD555 報道資料 (SONY)
・発売:1998年
・価格:22,000円
・消費電力:10W
・最大外形寸法:215×80×340mm
・質量:約3.0kg
・中国製
電動水平ローディングメカ(「OPEN/CLOSE」ボタンを押すと電動でトレイが出てきて、テープ面を奥にしてテープを寝かせて入れる)。
テープを入れると、トレイ右の「TAPE」が赤く光る。
オートリバース対応。
メタルテープ対応。
REC LEVEL調整可能。
ドルビーBとCに対応(Sには非対応)。
背面には、ライン入力(RCA)、ライン出力(RCA)、テープコントロール端子がある。
コンポの横幅が215mmと狭くなり、オプションデッキも狭くなったためか、表示部(FL管)がなくなってしまった。
レベルメーターは、トレイ下のLEDでの表示だが、5ツしかなく、非常に粗い。
ゴムベルト:平ベルト 直径69㎜ 5㎜幅 0.5㎜厚
1998年にもなるとカセットは斜陽→終焉で機能は求められなくなり、製造も日本製から中国製へとコストダウンが進行、以後令和に向かって、日本自体が滅亡へと向かうのである。
TC-TX373
コンポとAUバスで接続して使うカセットデッキ。
4機種とも、外観はほぼ同じ。
・2ヘッド機
・オートリバース
・ドルビーB搭載
・メタルテープ対応
・AMS(オートマチックミュージックセンサー)搭載
・90分以下のテープ推奨
・発売:1999年8月10日
・価格:16,000円
・当初月産:4千台
・ワウフラッター:0.07% WRMS
・周波数特性:50Hz~15kHz±3dB(ドルビーNR OFF、TYPE II使用時)
・SN比(EIAJ):50dB(ドルビーNR OFF時)
・消費電力:10W
・最大外形寸法:215×60×230mm
・質量:約2.5kg
・中国製
・「DHC-MD373」「DHC-MD333」「FH-MD11」と連動してCDシンクロ録音が可能。
・オートファンクション対応。
関連:TC-TX373
関連:DHC-MD373 報道資料 (SONY)
電源ケーブルもあるので、単体使用も可能だが、当然ながら、本体のボタンで操作できる以外のことはできない。
TC-TX11
・発売:1997年9月10日
・価格:16,000円
・中国製
MDコンポ「FH-MD11」のオプションとして登場。
関連:FH-MD11 報道資料 (SONY)
TC-TX333
・発売:1998年
・ワウフラッター:0.07% WRMS
・周波数特性:50Hz~15kHz±3dB(ドルビーNR OFF、TYPE II使用時)
・SN比(EIAJ):-
・消費電力:10W
・最大外形寸法:215×60×230mm
・質量:約2.5kg
・中国製
関連:TC-TX333
これら(TC-TX373/TC-TX11/TC-TX333)の見た目は同じだが、親(コンポとの対応)が違うだけ?
TC-TX595
・発売:2000年
・ワウフラッター:0.07% WRMS
・周波数特性:50Hz~15kHz±3dB(ドルビーNR OFF、TYPE II使用時)
・SN比(EIAJ):-
・消費電力:10W
・最大外形寸法:215×60×230mm
・質量:約2.5kg
TC-TX373の海外モデル?
TC-TX515
関連:TC-TX515
1997年9月1日に発売されたコンポであるDHC-MD515(85,000円)用のカセットデッキ。
↑DHC-MD515
関連:MDピクシー DHC-MD515 (SONY)
1997年9月1日発売予定で、価格は16,000円。
DOLBY NRはBのみ対応。
背面には、LINE INが1系統と、LINE OUTが1系統、AUバスが1系統。
陽に当たる場所に保管していると、ボタンが黄変する。
TC-TX313
外観は異なるが、サービスマニュアルがTC-TX515と共通なので、機能的には類似と思われる。
TC-TX21
コンポのオプションではないが、小型のカセットデッキ。
最後期のモデルで、カセット終焉滅亡後の2001年6月のカタログにも掲載されている。
関連:[SONY] Hi-Fiオーディオ 総合カタログ [2001年6月]
・発売:不明
・価格:オープン
・消費電力:10W
・最大外形寸法:144×78×277mm
・質量:約2.5kg
・インドネシア製
関連:TC-TX21
水平ローディングメカであるが、トレイ式ではなく、テープを押し込んで入れるタイプ。
テープを入れると、カセット挿入口の左が赤く光る。
オートリバース対応。
メタルテープ対応(再生時のみ)。
ドルビーBに対応。
背面には、ライン入力(RCA)、ライン出力(RCA)がある。
横置きだけでなく、縦置きも可能。
最後期ということで、製造は中国からインドネシアとさらにコストダウンが進み、表示部(FL管)おろか、電動トレイもなくなってしまった。
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関連:[SONY] ESシリーズの変遷と比較(ESG→ESL→ESA→ESJ→KA*ES) [カセットデッキ]
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