[SONY] 廉価の3ヘッド機(TC-K600,TC-K700S,TC-K710S) [カセットデッキ]
1982年のTC-K555ESの登場以降で、ES機ではない、廉価な3ヘッド機の一覧。
令和現在、中古市場ではES機は非常に高騰しているので、3ヘッド機が欲しいとしても、手が出ない場合もあろう。
また、クローズドループ デュアルキャプスタンの機種は、メンテナンスが非常に面倒である。
そのような場合に、廉価の3ヘッド機が選択肢になる。
だが、ES機を売るために、廉価な3ヘッド機は売りたくなかったのだろうか、3機種のみと少ない。
関連:[SONY] ESシリーズの変遷と比較(ESG→ESL→ESA→ESJ→KA*ES) [カセットデッキ]
TC-K600
発売:1988年
価格:59,800円
メカデッキ:TCM-CMAY x(xは不明)
シングルキャプスタンの3ヘッド機。
メカデッキがTCM-CMAYであり、テープ窓は光らず、扉は手動式。
扉が「手動式」というのは、OPENボタンを押すと、バネの力で開くが、閉める時はカセットリッドを手で押して閉める必要がある(=再度ボタンを押しても閉じない)ということ。
↑TC-K600(1988年) 59,800円
3ヘッド機だが、CALIBRATIONはなく、(CALIBRATIONの)REC LEVELもないため、録音時にMONITORで比較すると、SOURCEとTAPEの差が生じ、埋めることができない。
3ヘッド機でキャリブレーションができないというのはどうなの?
翌年に出たオートリバース機であるTC-K500Rと外観が似ているので、両機を揃えると見た目は良い。
↑TC-K500R(1989年) 54,800円
関連:[SONY] TC-K500RとTC-RX55の比較 [1989年]
なお、西ドイツでは、リモコン受光部を省いた「TC-K600ES」というモデルで出ていた。
関連:TC-K600
数年の空白
日本では、廉価3ヘッド機はTC-K600(1988年)の後は、1993年のTC-K700Sまで出なかったが、これはもちろん、ES機へ誘導するためである。
もし出ていたら、左メカのTC-K590(海外モデル)のようなものだっただろう。
TC-K700S
発売:1993年
価格:49,800円
メカデッキ:TCM-200Vx(xは不明)
ヘッド:SD(Super High Density=ハードパーマロイのSONYの呼称)(録音/再生とも)
シングルキャプスタンの3ヘッド機。
メカデッキがTCM-200であり、テープ窓は光り、扉は電動式。
Dolby S NRに対応。
関連:[SONY] Dolby S NR 対応機種 [カセットデッキ]
キャリブレーション(BIAS/REC LEVEL)が可能。
海外では、TC-K611S?
関連:TC-K700S
TC-K710S
発売:1995年
価格:49,000円
メカデッキ:TCM-200Vx(xは不明)
ヘッド:SD(Super High Density=ハードパーマロイのSONYの呼称)(録音/再生とも)
メカデッキがTCM-200であり、テープ窓は光り、扉は電動式。
Dolby S NRに対応。
関連:[SONY] Dolby S NR 対応機種 [カセットデッキ]
カセットリッドの形状がTC-K700Sとは異なり、主張強めなので、好みが分かれる。
キャリブレーション(BIAS/REC LEVEL)が可能。
シングルキャプスタンだが、クォーツロックサーボにより、精度の高いテープ送りを実現している。
海外では、TC-K715S?
関連:TC-K710S
製造打切年等
TC-K600
・製造打切年:1989年9月
・補修用性能部品保有期間:8年
・修理対応終了年:1997年9月
TC-K700S
・製造打切年:1995年3月
・補修用性能部品保有期間:8年
・修理対応終了年:2003年3月
TC-K710S
・製造打切年:2000年7月
・補修用性能部品保有期間:6年
・修理対応終了年:2006年7月
3機とも修理対応終了年から15年以上経過しており、SONYは修理を受けない。
関連:[SONY] 製造打切年/補修用性能部品保有期間/修理対応終了年 [オーディオ]
機種選択
キャリブレーション機能のないTC-K600は、何か特別な思い入れでもない限り除外。
となると、TC-K700SかTC-K710Sだが、クォーツロックサーボによる精度の高いテープ送りが可能なTC-K710Sがオススメ。
詳細は、以下のページ参照。
関連:[SONY] TC-K710Sの分解とTC-K700Sとの比較 [カセットデッキ]
だが、2022年10月時点ではTC-K700SもTC-K710Sも高騰しており、状態が良ければ1万円を超えることもある。
ES機(222)が1.5万円くらいから手に入るので、それならES機を手に入れた方が良い?
関連:[SONY] 3ヘッド機対決(比較) [TC-K222ESJ,TC-K710S,TC-K700S]
なお、海外モデルには、廉価なES機や、名前だけESを付したような謎の機種が多数ある。
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