AT-SP121(オーディオテクニカ) 小型スピーカー 改造
オーディオテクニカ(audio-technica)の小型スピーカーである、AT-SP121について。
2009年8月の発売で、標準価格は7,350円(税込)!
高くない?
12年前のモデルなので、既に生産完了であるが、探せばまだ新品が手に入る。
販売終了時の実売価格(ヨドバシカメラ)は、5,420円(税込)付近だったらしい。
2012年あたりでは、2-3千円で買えたらしい。
令和現在、中古品なら、2千円くらいで手に入るだろう。
中古なら、既にエージングも済んでいるだろうし(笑)
ACアダプターがない
本機には、ACアダプター(AD-S1210JK)が付属するのだが、手に入れたものにはACアダプターがない。
AD-S1210JKは別売もされているが、2,750円(税込)もする。
AD-S1210JKの出力は、12V 1Aで、センタープラス。
この仕様のACアダプターは、Wi-Fi親機でよく見られるので、適当なものを流用しようかと思ったが、電源コネクタが特殊で、そのままは挿さらないことが判明!
ということで、スピーカー本体を開け、内部基板に直接ハンダ付けすることにする。
コネクタのセンターが、基板上のどこであるかを調べる。
本体側のコネクタが狭く、テスト棒が挿さらないが、縫針をセンターに挿して調べると、本体前側がセンター(プラス)と判明した。
極性を間違わないよう、電源ケーブルをハンダ付けする。
純正ACアダプター(AD-S1210JK)の極性は、センタープラスということが分かっている。
既存のコネクターは残したかったので、外装にドリルで穴を開け、ケーブルを引き出した。
↑中央下端が開けた穴
抜けないように、中で結んでおく。
何かしらの機器に使われていた、12V 1AのACアダプターがあるが、受信機で使用しているので、先端を交換式とし、共用できるようにする。
先端を取り換えることで、本スピーカーにも使えるし、受信機にも使えるようになった。
USB(5V)を12Vにするケーブル(昇圧ケーブル)を持っているので、それを使う予定だったが、
12V 1Aが出せるか不安だったので、今回の方法を採った。
音量大で使うことはないので、昇圧ケーブルでもOKかもしれないが、USBアダプタもそれなりのものが必要となるだろう。
ジャンクで12Vのアダプターを手に入れて専用にするか、昇圧ケーブルにするかは、今後考える。
内部写真等
スピーカーの裏に、粗いスポンジ風のものが入っている。
基板があるのは、向かって右側のみ。
よって、左右の重量が違う(下記仕様参照)。
音や使用感等
上記の経緯で使えるようになったAT-SP121だが、音はどうなのか?
スピーカーユニットがφ40mmと、ダイソーの330円スピーカー(φ50mm)に比べ小さいので期待はしなかったが、ダイソーのスピーカーと比べると、格段に本機の方が良い。
あちらは5Vで、本機は12Vなので、そりゃ違うか…(※)
コンピューター音楽のような高音キラキラ系がフィットする。
もう少し低音が欲しいところだ。
リスニングポイントがずれると、極端にダメになる。
当方の環境では、スピーカーがかなり上方になるので、それだと全くダメ。
ということで、本来の設置場所から下げて使っている。
音量ツマミを時計方向に回すと電源が入る方式。
電源が入ると、ツマミ周辺が青く光るので、ON/OFFが分かりやすい。
ツマミには滑り止めがないので、電源投入時は滑るが、その後の音量調整時は軽いので滑らない。
MDS-S38のLINE OUT(音量固定)と接続して再生すると、12時の位置では音が大きすぎるので、音量は十分。
ダイソーの330円スピーカーとは異なり、本機は高さがあるので、液晶モニターの下に置くのは困難で、寝かす必要がある。
ヘッドホン端子があり、挿すとスピーカーから音は出なくなる。
ヘッドホン端子の音量は小さいので、ボリュームを上げる必要があるが、その状態で抜くと、本体から爆音となるので注意。
底面にゴム脚(4個)あり。
前面が光沢なのがイマイチかと思われたが、実際に置いてみると、これはこれで悪くない。
なお、本機にはホワイトモデルもあるが、経年で黄ばむので避けた方が良い。
マンション等で、爆音を出せない環境なら、この程度で十分では?
昔のコンポ的な大きなスピーカーがあっても、大音量を出せないのなら意味ないし…
接続図
入力コードは、本体から直出しで、外せない。
ケーブル(2本)の先端は、金メッキされている。
その他
ツマミが抜けやすいからと言って接着すると、分解後、基板が外れず困ることになる。
入力コードの金メッキ端子が劣化しやすく、接触不良でバリバリ音が出る。
それを避けるために、入力コードを交換しようにも、
根元がケース内で固められているので注意。
この接着を破壊するか、別に穴を開けるか、入力コードを途中で切って先だけ換えるか…
歪み問題
以下のMDデッキの問題を調べていて気付いたのだが、
関連:[SONY] MDデッキの再生が歪(ひず)む現象 [MDS-S37/MDS-S38]
このスピーカー、入力レベルが高いと、小音量でも歪(ひず)んでしまう。
MDデッキのLINE OUTから入れた時、MDの録音レベルが高いと歪む。
LINE OUTの音量は調整できないので、歪みは回避できない。
基板
目視でのコンデンサの劣化はない。
コンデンサ一覧
使われているコンデンサは4種類、合計9個。
↑実際にはもう1個ある
上段(太字)はその種類、下段は取り外して調べた実測値。
25V 1000uF 2個
942uF 0.37Ω 1.4%
926uF 0.39Ω 1.3%
25V 470uF 2個
428uF 0.39Ω 0.6%
438uF 0.39Ω 0.6%
25V 100uF 2個
94uF 0.78Ω 1.0%
92uF 0.78Ω 1.1%
35V 10uF 3個
10.05uF 5.4Ω 1.1%
10.08uF 5.4Ω 1.1%
9.9uF 6.1Ω 1.3%
全て、容量的には問題ない。
「35V 10uF 3個」のESRが高いように思えるが、3個とも高いので、そういう仕様なのだろう。
「35V 10uF 3個」のESRが高いのが気になったので、50V 10uF 1.7Ωのコンデンサに交換したが、歪むのは変わらず…
となると、ACアダプターが原因とも思えるが、仕様的には12V 1Aで同じなのよね…
用意した方はスイッチング式、純正(AD-S1210JK)はトランス式なのが原因?
ポータブル型のCDプレーヤーのLINE OUTは、音量調整できないが歪まない。
MDデッキのLINE OUTのレベルが高すぎるということになるが、そんな故障あるの?
なお、MDデッキのLINE OUTをケーブル変換してヘッドホンをつなげると、レベルは高いが歪まない。
ということは、本機(スピーカー)が原因(=敏感すぎる)ということになるが…
出力レベルの高くない機器や、レベルが調整できる機器(パソコンなど)では問題なく使えるので、そちらで使うか…
オーディオ関連は、CDもチューナーもMDデッキを通しているので、歪む本機を使うことはできない。
ただ、時間によって歪む時と歪まない時があるような感じ(レベルが変わる)が…MDデッキ側の問題か?
仕様
・型式:アンプ内蔵スピーカーシステム
・スピーカーユニット:φ40mm フルレンジ
・入力インピーダンス:10kΩ
・実行最大出力:4W+4W
・電源:DC12V(ACアダプター)
・ACアダプター:AD-S1210JK
・入力コード長:0.8m
・入力端子:φ3.5mm ステレオミニプラグ
・左右接続コード長:1.0m(φ2.5mm アナログプラグ)
・外形寸法:高さ148×幅65×奥行88mm(突起部除く)
・重量:左240g(アンプなし)、右290g(アンプあり)
前モデル
AT-SP101:2008年12月5日発売
・価格:6,300円(税込)
・ユニット:φ35mm フルレンジ
・入力インピーダンス:10kΩ
・出力:2.5W×2
・エンクロージャ:バスレフ型
・ケーブル長:音声入力が0.8m、左右間が1m
・付属品:ACアダプター(12V)
・外形寸法:幅55×奥70×高110mm(突起部除く)
・重量:右が160g、左が125g
向かって右側の前面に、電源/ボリューム用ノブとヘッドフォン出力端子がある。
AT-SP121との主な差は、以下の通り。
・型式:AT-SP101 AT-SP121
・発売:2008年12月 2009年8月
・価格(税込):6,300円 7,350円
・ユニット:φ35mm φ40mm
・出力:2.5W×2 4W×2
・外形寸法(幅x奥x高):55x70x110mm 65x88x148mm
・重量(右/左):160/125g 290/240g
・価格が1,050円上がった。
・ユニットが5mm大きくなった。
・出力が片方あたり1.5W増えた。
・サイズが大きくなった。
・重量が増えた。
・パスレフポート(穴)の形状が円形→横長になった。
・電源ランプがスピーカー下からノブ奥になった。
謎モデル
型式が近いAT-SP120であるが、
↑AT-SP120(2006年10月発売、標準価格税別10,000円)
こんな最悪なデザイン、使いたくない(笑)
PRAC(Power Reserving Amplifier Circuit)
最近は、400-SP082など、USB(5V)でもコンデンサを使って高出力(36W)するスピーカーがある。
「コンデンサ内に電力を蓄え、必要な場合に高出力を可能とする『PRAC(Power Reserving Amplifier Circuit)回路』を搭載しています。」
↑PRAC(Power Reserving Amplifier Circuit)回路
昔の小型スピーカーは、有名メーカーのものでも貧弱だったが、最近は無名メーカーの中華品でも、それなりの音が出せるようになっているが、何が変わったのだろうか?
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