AT-SP121(オーディオテクニカ) 小型スピーカー 改造

2023年5月23日



オーディオテクニカ(audio-technica)の小型スピーカーである、AT-SP121について。

AT-SP121 BK

2009年8月の発売で、標準価格は7,350円(税込)!

高くない?

12年前のモデルなので、既に生産完了であるが、探せばまだ新品が手に入る。

販売終了時の実売価格(ヨドバシカメラ)は、5,420円(税込)付近だったらしい。

2012年あたりでは、2-3千円で買えたらしい。

令和現在、中古品なら、2千円くらいで手に入るだろう。

中古なら、既にエージングも済んでいるだろうし(笑)

ACアダプターがない

本機には、ACアダプター(AD-S1210JK)が付属するのだが、手に入れたものにはACアダプターがない。

AD-S1210JKは別売もされているが、2,750円(税込)もする。

AD-S1210JKの出力は、12V 1Aで、センタープラス。

この仕様のACアダプターは、Wi-Fi親機でよく見られるので、適当なものを流用しようかと思ったが、電源コネクタが特殊で、そのままは挿さらないことが判明!

電源コネクタ_AT-SP121

ということで、スピーカー本体を開け、内部基板に直接ハンダ付けすることにする。

コネクタのセンターが、基板上のどこであるかを調べる。

本体側のコネクタが狭く、テスト棒が挿さらないが、縫針をセンターに挿して調べると、本体前側がセンター(プラス)と判明した。

本体前側がセンター_AT-SP121

極性を間違わないよう、電源ケーブルをハンダ付けする。

純正ACアダプター(AD-S1210JK)の極性は、センタープラスということが分かっている。

既存のコネクターは残したかったので、外装にドリルで穴を開け、ケーブルを引き出した。

ドリル穴_AT-SP121
↑中央下端が開けた穴

抜けないように、中で結んでおく。

結び目_AT-SP121

何かしらの機器に使われていた、12V 1AのACアダプターがあるが、受信機で使用しているので、先端を交換式とし、共用できるようにする。

先端交換式_AT-SP121

先端を取り換えることで、本スピーカーにも使えるし、受信機にも使えるようになった。

USB(5V)を12Vにするケーブル(昇圧ケーブル)を持っているので、それを使う予定だったが、

昇圧ケーブル_USB_5V_12V

12V 1Aが出せるか不安だったので、今回の方法を採った。

音量大で使うことはないので、昇圧ケーブルでもOKかもしれないが、USBアダプタもそれなりのものが必要となるだろう。

ジャンクで12Vのアダプターを手に入れて専用にするか、昇圧ケーブルにするかは、今後考える。

内部写真等

スピーカー_AT-SP121

スピーカーの裏に、粗いスポンジ風のものが入っている。

スポンジ_AT-SP121

基板があるのは、向かって右側のみ。

基板_AT-SP121

よって、左右の重量が違う(下記仕様参照)。

音や使用感等

上記の経緯で使えるようになったAT-SP121だが、音はどうなのか?

スピーカーユニットがφ40mmと、ダイソーの330円スピーカー(φ50mm)に比べ小さいので期待はしなかったが、ダイソーのスピーカーと比べると、格段に本機の方が良い。


あちらは5Vで、本機は12Vなので、そりゃ違うか…(※)

コンピューター音楽のような高音キラキラ系がフィットする。

もう少し低音が欲しいところだ。

リスニングポイントがずれると、極端にダメになる。

当方の環境では、スピーカーがかなり上方になるので、それだと全くダメ。

ということで、本来の設置場所から下げて使っている。

音量ツマミを時計方向に回すと電源が入る方式。

電源が入ると、ツマミ周辺が青く光るので、ON/OFFが分かりやすい。

ツマミには滑り止めがないので、電源投入時は滑るが、その後の音量調整時は軽いので滑らない。

MDS-S38のLINE OUT(音量固定)と接続して再生すると、12時の位置では音が大きすぎるので、音量は十分。

ダイソーの330円スピーカーとは異なり、本機は高さがあるので、液晶モニターの下に置くのは困難で、寝かす必要がある。

ヘッドホン端子があり、挿すとスピーカーから音は出なくなる。

ヘッドホン端子の音量は小さいので、ボリュームを上げる必要があるが、その状態で抜くと、本体から爆音となるので注意。

底面にゴム脚(4個)あり。

前面が光沢なのがイマイチかと思われたが、実際に置いてみると、これはこれで悪くない。

なお、本機にはホワイトモデルもあるが、経年で黄ばむので避けた方が良い。

AT-SP121 WH

マンション等で、爆音を出せない環境なら、この程度で十分では?

昔のコンポ的な大きなスピーカーがあっても、大音量を出せないのなら意味ないし…

接続図

接続図_AT-SP121

入力コードは、本体から直出しで、外せない。

ケーブル(2本)の先端は、金メッキされている。

その他

ツマミが抜けやすいからと言って接着すると、分解後、基板が外れず困ることになる。

入力コードの金メッキ端子が劣化しやすく、接触不良でバリバリ音が出る。

それを避けるために、入力コードを交換しようにも、

入力コードの根元_AT-SP121

根元がケース内で固められているので注意。

この接着を破壊するか、別に穴を開けるか、入力コードを途中で切って先だけ換えるか…

歪み問題

以下のMDデッキの問題を調べていて気付いたのだが、

関連:[SONY] MDデッキの再生が歪(ひず)む現象 [MDS-S37/MDS-S38]

このスピーカー、入力レベルが高いと、小音量でも歪(ひず)んでしまう。

MDデッキのLINE OUTから入れた時、MDの録音レベルが高いと歪む。

LINE OUTの音量は調整できないので、歪みは回避できない。

基板

基板_AT-SP121

目視でのコンデンサの劣化はない。

コンデンサ一覧

使われているコンデンサは4種類、合計9個。

コンデンサ一覧_AT-SP121
↑実際にはもう1個ある

上段(太字)はその種類、下段は取り外して調べた実測値。

25V 1000uF 2個
 942uF 0.37Ω 1.4%
 926uF 0.39Ω 1.3%

25V 470uF 2個
 428uF 0.39Ω 0.6%
 438uF 0.39Ω 0.6%

25V 100uF 2個
 94uF 0.78Ω 1.0%
 92uF 0.78Ω 1.1%

35V 10uF 3個
 10.05uF 5.4Ω 1.1%
 10.08uF 5.4Ω 1.1%
 9.9uF 6.1Ω 1.3%

全て、容量的には問題ない。

「35V 10uF 3個」のESRが高いように思えるが、3個とも高いので、そういう仕様なのだろう。

「35V 10uF 3個」のESRが高いのが気になったので、50V 10uF 1.7Ωのコンデンサに交換したが、歪むのは変わらず…

となると、ACアダプターが原因とも思えるが、仕様的には12V 1Aで同じなのよね…

用意した方はスイッチング式、純正(AD-S1210JK)はトランス式なのが原因?

ポータブル型のCDプレーヤーのLINE OUTは、音量調整できないが歪まない。

MDデッキのLINE OUTのレベルが高すぎるということになるが、そんな故障あるの?

なお、MDデッキのLINE OUTをケーブル変換してヘッドホンをつなげると、レベルは高いが歪まない。

ということは、本機(スピーカー)が原因(=敏感すぎる)ということになるが…

出力レベルの高くない機器や、レベルが調整できる機器(パソコンなど)では問題なく使えるので、そちらで使うか…

オーディオ関連は、CDもチューナーもMDデッキを通しているので、歪む本機を使うことはできない。

ただ、時間によって歪む時と歪まない時があるような感じ(レベルが変わる)が…MDデッキ側の問題か?

関連:オーディオ構成/接続図(2021年10月)

仕様

・型式:アンプ内蔵スピーカーシステム
・スピーカーユニット:φ40mm フルレンジ
・入力インピーダンス:10kΩ
・実行最大出力:4W+4W
・電源:DC12V(ACアダプター)
・ACアダプター:AD-S1210JK
・入力コード長:0.8m
・入力端子:φ3.5mm ステレオミニプラグ
・左右接続コード長:1.0m(φ2.5mm アナログプラグ)
・外形寸法:高さ148×幅65×奥行88mm(突起部除く)
・重量:左240g(アンプなし)、右290g(アンプあり)

前モデル

AT-SP101:2008年12月5日発売

AT-SP101

・価格:6,300円(税込)
・ユニット:φ35mm フルレンジ
・入力インピーダンス:10kΩ
・出力:2.5W×2
・エンクロージャ:バスレフ型
・ケーブル長:音声入力が0.8m、左右間が1m
・付属品:ACアダプター(12V)
・外形寸法:幅55×奥70×高110mm(突起部除く)
・重量:右が160g、左が125g

向かって右側の前面に、電源/ボリューム用ノブとヘッドフォン出力端子がある。

AT-SP121との主な差は、以下の通り。

・型式:AT-SP101 AT-SP121
・発売:2008年12月 2009年8月
・価格(税込):6,300円 7,350円
・ユニット:φ35mm φ40mm
・出力:2.5W×2 4W×2
・外形寸法(幅x奥x高):55x70x110mm 65x88x148mm
・重量(右/左):160/125g 290/240g

・価格が1,050円上がった。
・ユニットが5mm大きくなった。
・出力が片方あたり1.5W増えた。
・サイズが大きくなった。
・重量が増えた。
・パスレフポート(穴)の形状が円形→横長になった。
・電源ランプがスピーカー下からノブ奥になった。

謎モデル

型式が近いAT-SP120であるが、

AT-SP120
↑AT-SP120(2006年10月発売、標準価格税別10,000円)

こんな最悪なデザイン、使いたくない(笑)

PRAC(Power Reserving Amplifier Circuit)

最近は、400-SP082など、USB(5V)でもコンデンサを使って高出力(36W)するスピーカーがある。

400-SP082

「コンデンサ内に電力を蓄え、必要な場合に高出力を可能とする『PRAC(Power Reserving Amplifier Circuit)回路』を搭載しています。」

PRAC
↑PRAC(Power Reserving Amplifier Circuit)回路

昔の小型スピーカーは、有名メーカーのものでも貧弱だったが、最近は無名メーカーの中華品でも、それなりの音が出せるようになっているが、何が変わったのだろうか?

関連:AT-SP91(オーディオテクニカ) 小型スピーカー

関連:[SONY] SRS-55(スピーカー)と改造 [BeSIDE]

関連:小型スピーカー各種

関連:[SONY] MDS-S38のレビュー [MiniDisc]

関連:[SONY] CDP-S35とMDS-S37 [CD/MD]



Posted by nakamura