[SONY] CDP-997(1991年発売) レビュー [CDプレーヤー]
(2023年5月)
CDP-997は、1991年に発売された、SONYのCDプレーヤーである。
↑CDP-997(1991年) 39,800円
90年代には、2万円付近/3万円付近/4万円付近/ES機(6万円以上)という価格分布で、本機は上から2番目の、4万円付近に属するモデル。
↑1993年2月の某店のチラシ
メーカー希望小売価格:39,800円の品
特価:税別25,800円=税込26,574円(消費税3%)
90年代に主流になった、パルスD/Aコンバーターを搭載している。
関連:[SONY] パルスD/Aコンバーターとは? [CDプレーヤー]
デザイン
開閉、再生、一時停止、停止ボタン等の形状が、曲面と直線の組み合わせ。
テンキー等、ボタンが多数付いているが、その分、タクトスイッチが搭載されているので、スイッチの接触不良に注意。
テンキーは、ボタン1回で目的のトラックに飛びたいという場合に有効だが、その分、前面パネルが大きくなる。
ボタン連打でも構わないという場合は、CDP-S35や、CDP-A39のような小型モデルの方が、省スペースで済むので良い?
関連:[SONY] CDP-S35(1995年発売)のレビュー [CDプレーヤー]
ヘッドホン端子があり、ボリュームもあるので、ヘッドホンがあれば単体でも使用可能。
ヘッドホン端子は3.5mmではなく6.3mmで、金メッキされている。
ボリュームにはモーターとLEDが組み込まれており、リモコン(RM-D997)で音量調整が可能。
リモコンが無くても、本体のみで一通りの操作が可能。
なお、SONYのカセットデッキと同じく、本体の電源ボタンをOFFにすると一次側で切れるので、リモコンでONにすることはできない。
CD-R再生可能、CD-RWは認識不可(no disc)。
内部
中身はスカスカ。
コンデンサにはELNAのものが使われている。
オペアンプは以下の通り。
・IC202:RC4558P
・IC601:NE5532P
・IC602:NE5532P
・IC661:4556D(JRC)
メカ部も、ES機とは異なり、中華製を想起させる安物。
レールもプラスチックである。
レールがプラスチックだと摩擦で削れ、読取不良につながるので、シリコングリスを塗布しておくこと。
このグリスは、プラスチックやゴムを侵さないので、安心して使用できる。
天板を外すとレンズが見えるので、複雑な分解は不要でクリーニングができる。
エタノールを付した綿棒で拭くとよろしかろう。
レンズを掃除しても、ディスクを認識しない、認識が遅い、音飛びするような場合は、レーザー出力等の調整(後述)をするか、ピックアップユニットを交換(同)。
背面
・LINE OUT(固定)
・LINE OUT(可変)
・光デジタル出力(角型)
LINE OUTは金メッキではない。
固定というのは、音量が前面のボリュームと連動しない一定のもので、可変は前面のボリュームと連動するもののこと。
下位機
同年(1991年)に出た下位機(1万円下)がCDP-597であり、D/A Converterが同じ。
↑CDP-597(1991年) 29,800円
関連:[SONY] CDP-597(1991年発売)のレビュー [CDプレーヤー]
仕様
・D/A Converter:1bit CXD2561AM(CDP-597と同じ)
・周波数特性:2Hz-20kHz ±0.3dB
・全高調波歪率:0.0025%以下(EIAJ) ← CDP-597に比べ-0.0005%(良)
・SN比:115dB以上(EIAJ) ← CDP-597に比べ+10db(良)
・ダイナミックレンジ:100dB以上(EIAJ) ← CDP-597に比べ+2db(良)
・ワウ・フラッター:測定限界(±0.001%W.peak)以下(EIAJ)
・ヘッドホン出力レベル:28mW(32Ω) ← CDP-597に比べ+18mW(良)
・消費電力:15W ← CDP-597に比べ+5W(悪)
・外形寸法:幅430x高さ110x奥行355mm
・重量:4.6kg
DSP機能
DSP(Digital Signal Processor)により、音響効果を追加できる。
1.HALL(ホール):2千席のコンサートホール
2.CHURCH(チャーチ):硬い壁、ステンドグラスのインテリア、高い天井の教会
3.JAZZ CLUB(ジャズクラブ):モダン(現代風)のジャズクラブ
4.STADIUM(スタジアム):3万席の屋外競技場
5.DISCO(ディスコ):重低音を伴った強い反響音
6.LIVE ROOM(ライブルーム):小部屋やヘッドホンに適する
7.BGM:BGM向けに音を柔らかくする(ホテルのロビーのような)
設定方法は、以下の通り。
「DSP/1-20」ボタンを押す。
DSPランプ(LED)が光る。
1-7のボタンを押す。
FL管内の「DSP」が点灯する。
再度「DSP/1-20」ボタンを押す。
DSPランプ(LED)が消える。
2回目の「DSP/1-20」ボタンを押さずに30秒経過すると、DSPランプ(LED)は消える(=決定)。
無効果(フラット)にするには、上記手順の「1-7のボタンを押す」のところで、「DISCO」の右隣にある「FLAT」を選択すればよい。
各々の効果については、右上にある「EFFECT」ツマミで強弱を変えられる。
「EFFECT」ツマミにはクリック感があり、効果にも段階があるのでデジタルなのだろう。
ツマミの段階は、MINからMAXまで9段階あるが、画面(FL管)には表示されないので、ツマミの位置で判断することになる。
DSPの「デモモード」があり、再生ボタンを押しながら「DSP/1-20」ボタンを押すと、「FLAT」を含めた効果が5秒毎に切り替わる。
その間は、DSPランプ(LED)が点滅する。
気に入った効果の時に再生ボタンを押すと、そのモードで設定され、デモモードは解除され、点滅していたLEDも消える。
だが結局、このような特殊効果的なものはどれもイマイチなので、フラットに落ち着く(笑)
後継機であるCDP-911(1993年)では、このDSP機能は載らず、CDP-997の一代限りで消えてしまった。
なお、後述する「カスタムファイル機能」により、ディスク毎にDSPの内容を保持できる(強弱は物理ツマミなので保持不可能)。
重低音に慣れた耳とかで、音に迫力がないと感じる場合、JAZZ CLUBかDISCOが効果的なこともある。
JAZZ CLUBは広がりも付加した低音付加だが、DISCOは狭い低音付加という感じ。
当方の場合、他(HALL、CHURCH、STADIUM、LIVE ROOM、BGM)は、まず使うことはないだろう。
DSPの種類に、Discman D-223に搭載の、DBB(DYNAMIC BASS BOOST)のようなものがあってもよかったのだが…
関連:[SONY] Discman D-223のレビュー [CDプレーヤー]
様々な設定が記憶できる
本機には「カスタムファイル機能」が搭載されており、後述のメモリーが可能。
プログラム再生などは下位機種にも搭載されているが、ディスクを取り出すと設定がクリアされてしまうし、電源を切ると、その内容は消えるのが普通。
だが、本機はディスク毎に設定が可能で、電源を切っても保持されるのが特長。
但し、メモリー(記憶)の保持には、基板上のスーパーキャパシタの電力が必要なため、スーパーキャパシタが劣化すると、短時間で記憶が消えたり、全く記憶されなかったりする。
↑C215(スーパーキャパシタ,電気二重層コンデンサ)
この場合は、スーパーキャパシタの交換が必要となる(後述)。
カスタムファイル機能
レベルファイル機能
ディスク毎に異なる再生レベルを設定。
ディスクメモ
ディスク毎に10文字以内のタイトルを付けることができる。
使えるのは、アルファベットの大文字/小文字、数字、記号、スペース等の78文字。
カスタムインデックス
ディスク上の任意の場所に、最大10箇所のインデックスポイントが付けられる。
±0.15秒ステップの微調整が可能。
プログラムバンク
再生順序を記憶。
デリートバンク
不要な曲を除外することにより、必要な曲のみを再生させる。
DSPファイル
ディスク毎に音響効果を指定。
カスタムファイルで記憶できるのは、最大で185枚まで。
だが、条件によってはディスク1枚で2枚分のメモリーを必要とするため、最小で90枚程度になることもある。
ディスクメモリが2枚分必要になる場合
・1枚のディスクに対し、ディスクメモ、カスタムインデックス、プログラムバンク、デリートバンクを記憶させた場合。
・1枚のディスクに9箇所以上のカスタムインデックスとディスクメモを記憶させた場合。
・1枚のディスクにカスタムインデックス、プログラムバンク、デリートバンクを記憶させた場合。
ゴムベルト交換
メカ部にゴムベルトが1本使用されており、これが劣化すると、トレイ開閉不可や、開閉可能であっても、閉じた後にトレイを引き上げることができないためにディスクを読めず、再度開くことになる。
↑交換前
交換方法は、CDP-597と同じなので、以下参照のこと。
関連:[SONY] CDP-597(1991年発売)のレビュー [CDプレーヤー]
ピックアップの調整
ピックアップ(KSS-240A)の調整用の半固定抵抗は、3個ある。
ディスクが認識できない時は、右の半固定抵抗を回す(半時計回転でレーザー出力が強くなる)。
下の写真のように、半固定抵抗の白いプラスチックが劣化しており、回すとボロボロになる。
再生音が濁る/飛ぶ場合は、左と中央を調整する。
当方が入手した個体は、ディスクの認識はできるようになったが、
・市販の音楽CD:再生可能
・CD-R:音の濁りが消えず
という状況。
同じKSS-240A搭載のCDP-597はCD-Rの再生が可能なので、本機も再生できるはず。
だが、市販の音楽CDも、曲の途中から濁ったり、後ろのトラックで濁ったり、しばらくすると戻ったりと、振舞が不安定。
調整限度を超えており、交換が必要であるが、「しばらくすると戻る」ということから、ピックアップユニットにあるコンデンサを疑う。
↑6.3V 100uF
関連:SONY CDP-P91 ピックアップユニットのコンデンサの交換
6.3V品が手持ちになかったので、16V 100uFに交換。
極小箇所かつ、付近にはフィルムケーブルがあるので、ハンダ付けには細心の注意を。
交換の結果、市販の音楽CDはOK(50分のCDを最後まで再生して無問題)となった。
コンデンサの劣化が原因か、と思われたが、取り外したコンデンサを調べると…
劣化していない?
CD-Rは相変わらずダメなので、やはりピックアップの交換が必要。
ピックアップの交換
ピックアップはKSS-240Aなので、令和時点でも、互換品が容易に手に入る。
関連:KSS-240A 互換品
関連:KSS-240A 互換品
関連:KSS-240A 互換品
ピックアップ(KSS-240A)搭載機種
・CDP-P91(1993年)
・CDP-391(1993年)
・CDP-597(1991年)
・CDP-997(1991年)
・CDP-911(1993年)
・CDP-XA3ES(1994年)
KSS-240Aの互換品は、2023年5月現在、1,500-3,500円程度で買える模様。
ピックアップを交換するには、軸(下図353)を前方に引き抜く必要があるが、
この時、前側の押さえを割らないように注意。
スーパーキャパシタの交換
上述のように、本機には「カスタムファイル機能」があり、ディスク毎に各種記憶ができるが、その保持にはスーパーキャパシタによる電力が必要である。
↑C215(スーパーキャパシタ,電気二重層コンデンサ)
・C215 1-125-622-11 CAP, DOUBLE LAYERS 0.1uF 5.5V
EDLC:Electric Double-Layer Capacitor
搭載されているスーパーキャパシタは、水平の「H型(Horizontal)」である。
電源が入っている間にスーパーキャパシタに充電され、電源オフの間は充電された電力で記憶を保持する。
製造から30年以上が経過しており、スーパーキャパシタは劣化しているので、記憶に係る機能を使うのであれば、スーパーキャパシタを交換しよう。
同じく局のメモリー用にスーパーキャパシタが必要な「チューナー」を参考に。
関連:[SONY] メモリー保持用のスーパーキャパシタを交換 [ST-S222ESA]
前面パネル
前面パネルの基板には連結部があり、外す時に悩むが、
これは以下のように、部品側を内側にしてL字型に折ることができる。
テンキー付近のボタンは各々分離しているので、基板を外す時にバラけないように注意!
バラけた場合のために、表側の写真を撮っておくと良かろう。
前面基板には、多数のタクトスイッチがあるが、
接触不良で交換する場合、数が多いので大変だ…
なお、開閉ボタン群や再生ボタン群はつながっており外せるので、水洗いすることが可能。
前面パネルを外すことで、FL管や、その内窓を拭くことができるようになる。
FL管
前面パネルを外し、FL管を拭く。
内窓も拭く。
空気の悪い環境で使われていた場合、これらが黒く汚れ、表示が暗く感じることがある。
LEDの色
本機には以下のLEDがあるが、色は以下の通り。
・再生:緑
・一時停止:オレンジ
・CONTINUE:緑
・SHUFFLE:オレンジ
・PROGRAM:赤
・C.INDEX:黄
・DSP/1-20:アンバー
・LINE OUT:赤
LEDの色は、基板に書いてある。
アンバーとは、オレンジをより赤くした色である。
C.INDEXは「黄」とあるが、実際には黄緑に近い。
LEDを交換する場合、PLAY MODE(CONTINUE/SHUFFLE/PROGRAM/C.INDEX)で色が同じなのはマズいから、LEDを交換するのであれば、「C.INDEX」を青にするとよいかもしれない。
本機が発売された1991年当時は、青色LEDは研究レベルでは存在していたが、量産はされていなかったようだ。
青色LEDは、1985年に赤崎勇氏と天野浩氏が青色LEDに必要な窒化ガリウム(GaN)の単結晶化に成功し、1989年に青色LEDが開発された。
現在のLEDにつながる高輝度青色LEDの量産技術は、中村"アンガー"修二氏によって1993年に開発された。
量産技術が1993年だから、明らかに本機(1991年)には間に合わないよね。
ご存じのように、この3名は2014年のノーベル物理学賞を受賞している。
RM-D997
RM-D997はCDP-997に付属する専用リモコンである。
上述のようにCDP-997にはDSP機能があるので、リモコンにもDSPのボタンがある。
SELECTを押すと種類が順に切り替わり、FLATを押すとSDPがオフになる。
単三乾電池×2本使用。
他のSONYのCDプレーヤーにも使用できるだろうが、DSPなど機能のないものは、当然効かない。
CDP-597との比較
1万円下の下位機種であるCDP-597との、機能以外の比較(=ハード的な差)。
内部は両機ともスカスカ。
FL管のセグメントが、CDP-597のような粗いセグメントではなくドットである。
天板はCDP-597同様ペラペラだが、ネジ止め箇所が上側にもある(CDP-597は側面と裏面)。
天板の裏に振動防止用の錘?が貼られている(CDP-597にはない)。
天板との間に振動防止用のスポンジが貼られている(CDP-597にはない)。
トレイの先端にある化粧板は、サイズが異なるので入替は不可。
ヘッドホン端子(6.3mm)が金メッキされている(CDP-597はメッキなし)。
両機とも、RCA端子は金メッキではない。
ピックアップは、両機ともKSS-240Aで同じ。
メカ部は同じなので、ディスクを挟み込む機構も同じ。
↑入れ替えても動いた(笑)
・CD Mechanism Type:CDM14-5BD8A
・Optical Pick-Up Block Type:BU-5BD8A
再生モード、再生、一時停止にLEDが搭載されている(CDP-597にはない)。
↑緑や橙に光っているのがそれ
音質の差であるが、スペック的には以下の通り。
・D/A Converter:1bit CXD2561AM (CDP-597と同じ)
・周波数特性:2Hz-20kHz ±0.3dB (CDP-597と同じ)
・全高調波歪率:0.0025%以下(EIAJ) ← CDP-597に比べ-0.0005%(良)
・SN比:115dB以上(EIAJ) ← CDP-597に比べ+10db(良)
・ダイナミックレンジ:100dB以上(EIAJ) ← CDP-597に比べ+2db(良)
・ワウ・フラッター:測定限界(±0.001%W.peak)以下(EIAJ) (CDP-597と同じ)
・ヘッドホン出力レベル:28mW(32Ω) ← CDP-597に比べ+18mW(良)
・消費電力:15W ← CDP-597に比べ+5W(悪)
比較には、ゼンハイザーのHD 599を使用。
・型式:ダイナミック・オープン型
・周波数特性:12-38,500Hz
・インピーダンス:50Ω
・感度:106dB
オペアンプがイマイチなのか、プレーヤーの劣化かは不明だが、CDP-997にはクリア感がなく雑味を感じる一方、CDP-597はスッキリとした音に感じ、CDP-597の方が好印象であった。
ハード的な差は微々たるものなので、DSPやカスタムファイル機能等の機能的な差に魅力があれば1万円を追加しても良いだろうが、魅力を感じないならCDP-597で充分。
音質的な向上を求めるなら、CDP-X333ES(59,800円)などのES機を選ぶ必要があるだろう。
↑CDP-X333ES(1990年) 59,800円
その他
基板上のQ206にはヒートシンク(銅色の金属板)が取り付けられているが、ヤバいレベルで発熱するので注意!
・Q206 8-729-821-73 TRANSISTOR 2SB1274SA-RS
2SB1274SA-RSは、Q206の手前にあるQ210にも使われているが、そちらにはヒートシンクはない。
レールのプラスチックが劣化し、ヒビが入っている。
ヒビはピックアップとの摩擦部には及んでいないので、現時点では影響はないが…
「ディスクメモ」により、ディスクに10文字のタイトルが付けられるが、10文字は明らかに短すぎ、「作者 – アルバム名」のようなものはまず無理で、ほとんどの場合、アルバム名のみが限度。
10文字というのはFL管のパターンであり、要は「スクロールできない」のだ。
「ディスクメモ」は、ディスクを入れて認識され、総時間が表示された後、しばらくすると表示される。
再生を開始すると経過時間表示となるが、再生ボタン上の「TIME/MEMO」ボタンで再度表示できる。
そのまま放置しても経過時間表示には戻らない。
よって、再生中に「ディスクメモ」を表示していると、その曲の再生中は、表示に何ら動く部分がない。
↑再生中だが表示は何も動かない
FL管のDIMMER(調光)機能があり、再生ボタンの上にある「TIME/MEMO」を押しながら「REPEAT」を押すと、3段階で明るさが変えられる。
明るさを下げておけば、FL管の劣化による明度低下を抑えられるのかは知らない。
CD-TEXTには非対応
本機の「ディスクメモ」は独自の機能であり、CD-TEXTとは異なる。
CD-TEXTはプレーヤーではなくディスクに書き込まれているので、消えることはない。
CD-TEXTは1996年の規定で、本機種のもっと後であり、本機はCD-TEXTには非対応。
CD-TEXTに対応した音楽CDをCD-Rで作って入れても、何も表示されない。
製造打切年等
・製造打切年:1992年12月
・補修用性能部品保有期間:8年
・修理対応終了年:2000年12月
修理対応終了年から20年以上経過しており、SONYは修理を受けない。
関連:[SONY] 製造打切年/補修用性能部品保有期間/修理対応終了年 [オーディオ]
前の機種
デザイン一新で曲面ボタンになった機種。
↑CDP-991(1990年) 39,800円
・D/A Converter:1bit CXD2552Q
・周波数特性:2Hz-20kHz ±0.3dB
・全高調波歪率:0.0025%以下(EIAJ)
・SN比:113dB以上(EIAJ) ← CDP-997に比べ-2db(悪)
・ダイナミックレンジ:100dB以上(EIAJ)
・ワウ・フラッター:測定限界(±0.001%W.peak)以下(EIAJ)
・ヘッドホン出力レベル:28mW(32Ω)
・消費電力:14W ← CDP-997に比べ-1W(良)
・外形寸法:幅430x高さ115x奥行340mm
・重量:4.5kg
開閉ボタンがトレイの横にあるのが、CDP-997と見た目で大きく異なる点。
次の機種
九百番台の最終機。
↑CDP-911(1993年) 39,800円
・D/A Converter:1bit CXD2562Q
・周波数特性:2Hz-20kHz ±0.3dB
・全高調波歪率+ノイズ:0.0025%以下(EIAJ)
・SN比:116dB以上(EIAJ) ← CDP-997に比べ+1db(良)
・ダイナミックレンジ:100dB以上(EIAJ)
・ワウ・フラッター:測定限界(±0.001%W.peak)以下(EIAJ)
・ヘッドホン出力レベル:28mW(32Ω)
・消費電力:13W ← CDP-997に比べ-3W(良)
・外形寸法:幅430x高さ110x奥行355mm
・重量:4.8kg
CDP-997の後継機だが型式が下がっており(CDP-997→CDP-911)、型式が不吉(8年後)。
上述のように、DSP機能が削除された。
# 下位機種のCDP-611(1993年)には搭載された。
CDP-991から引き継がれた、PLAY MODEのLEDが削除され、FL管内の上部に表示されるようになった。
これにより、モードが一目で分かりにくくなってしまった。
スペック上は、CDP-997に比べSN比が+1dbになってはいるが、DSP機能やPLAY MODEのLEDの削除により総合的には劣化、それが型式(数字)の減少(CDP-991→997→911)となっているのだろう。
曲面ボタンから直線部分がなくなり、少し上を向くようになった。
このボタンの形状は、カセットデッキでは
・TC-K700S/TC-K710S
・TC-RX711/TC-RX715/TC-RX1000T/TC-RX2000Tなど
↑上からTC-RX1000T、TC-K700S、TC-K710Sと並ぶ
チューナーでは
と同じである。
↑ST-S510(1995年発売)
関連:[SONY] ST-S510(FM/AMステレオチューナー) [AMステレオ対応]
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