[TC-RX55] メンテナンス(2022年10月) [TC-RX77]

2022年10月19日



2022年10月、SONYのオートリバース機であるTC-RX55とTC-RX77のメンテナンスを行った。

積んでいるものは、上の機材を避ける必要があり、それなりに面倒。

TC-RX55(平成元年)

33年前の機種。

TC-RX55_カタログ
↑TC-RX55(1989年) 36,900円

関連:[SONY] TC-RX55(1989年発売)のレビュー [カセットデッキ]

久々に分解したが、メカ部が前面パネルに付いているので、分解が面倒!

音にフラつきがあるので、ピンチローラーを別のもの(中古)に交換。

再生のレベルが大きいので、Playback Levelを調整。

# 録音に使ったTC-RX77のRec Levelが高すぎたのかも。

場所は、メイン基板上ではなく、メカ部裏のRV61(R)とRV41(L)。

速度調整_TC-RX55

写真左にあるU字型の切り込みのところだ。

PBL調整_TC-RX55

組んだ後だと、非常に回しにくい!

電源トランスが間近にあるので感電に注意!

1989年_TC-RX55
↑1989年(平成元年)同士

メンテ後の再生中にこれを書いているが、ピンチローラー交換により多少マシになった気がする。

交換前のピンチローラーも、それほど悪くはないように見えたが、正円を目視で知るのは無理だ。

だが、B面の最後の方はフラフラだ。

TC-RX55はメカデッキがTCM-170と古く、キャプスタンベルトが平型ではなく角型なのが原因?

関連:[SONY] メカデッキ(TCM-110/TCM-CMAY/TCM-170/TCM-200/TCM-190)について [カセットデッキ]

角型は平型に比べ接触面が格段に狭いので、安定してフライホイールを動かすのに難が?

なお、本機にはヘッドホン端子はあるが、音量調整ができないので、音量調整のできるヘッドホンやスピーカーが必要。

でないと、爆音で耳がダメになるだろう。

関連:[SONY] ヘッドホン端子と音量調整が可能なオートリバース機 [カセットデッキ]

動作音がガチャガチャと大きく、「サー」というテープ走行音も気になるレベル。

FL管が小さいため、ピークメーターが短く、再生中の見た目は良くない。

FL管_TC-RX55
↑ピークメーターが短い!

カウンターが実時間(分:秒)ではなく単なる数字であり、そのカウントが早いので、見ていて落ち着かない。

見た目で良いのは、「PAUSE」がオレンジ色なところかな(笑)

REC_PAUSE_MUTE_TC-RX55

見た目なら、FL管の長いTC-K222ESG/TC-K222ESL/TC-K222ESAあたりか、VUメーターのTC-K55(1979年)等であるが、

TC-K55_カタログ
↑TC-K55(1979年) 59,800円

古い機種に手を出すと、スペース的に大変なことになる!

ES機は知らないが、やはり1990年以降のTCM-200以降の機種でないと、動作的に厳しい。

TC-RX77(平成3年)

31年前の機種。

TC-RX77_カタログ
↑TC-RX77(1991年) 39,800円

関連:[SONY] TC-RX77(1991年発売) レビュー [カセットデッキ]

メカが一新されたTC-RX70(1990年)の次の機種。

新メカも、TC-RX55の短いピークメーターを引き継いだTC-RX70であったが、TC-RX77になってFL管が大きくなり、ピークメーターも長くなった。

関連:FL管(蛍光表示管)について

本機にはヘッドホン端子があり、音量調整も可能なので、現在メインで使っている。

左右とも、真鍮製の中華ピンチローラーに交換済。

以前のB面で速度が徐々に低下する問題は、ベルト交換で直った模様。

関連:[SONY] 反転すると速度低下する不具合 [TC-RX77]

質の悪いテープを再生しているからか、ヘッド周辺が非常に汚れている。

掃除_TC-RX77

キッチリとした掃除は、説明書のような掃除では無理で、やはり分解しないとできない。

関連:カセットデッキのヘッド部のクリーニング

当然、ヘッドも掃除し、

ヘッド掃除_TC-RX77

クイックリバースの反射用ミラーも掃除。

クイックリバース反射用ミラー_TC-RX77

関連:[SONY] クイックリバース(QUICK REVERSE)機能 [カセットデッキ]

本機は、フラつきも感じず、音質も良好なのだが、早送り/巻き戻し時に「ガガガ」という音が出て回り出さないことが稀にあったので、メカ部を分解。

アイドラーギアが気になったのだが、ギア欠けもなく状態は良い。

アイドラーギア_TC-RX77

アイドラーの振れが左右のギアに届いていないためにギアに掛からず「ガガガ」となると推測し、アイドラーを分解して抵抗/テンションを調整、合わせてグリス塗布。

アイドラーを分解_TC-RX77

組んで早送り→巻き戻し→早送り→巻き戻し…を繰り返すと、異音はしなくなったが、5回に1回くらいの頻度で、ギアが掛かるまで時間を要したり、掛からずに動かないことが多々。

関連:[SONY] アイドラーの動作不良 [カセットデッキ]

このアイドラーの調整は微妙であり、非常に面倒な作業。

グリスの馴染みもあろうから、しばらく様子を見る。

まぁ、ギア欠けでなくてよかった、ということかね…

関連:[SONY] アイドラーのギア欠け(X-3356-641-1) [カセットデッキ]

SONYのカセットデッキは、既にSONYは修理を受けないので、自分で何とかするしかない。

関連:[SONY] カセットデッキの修理について [サービスセンター]

関連:[SONY] 製造打切年/補修用性能部品保有期間/修理対応終了年 [オーディオ]

追記:以下で改善したが、完全に直ったのか?

関連:[SONY] アイドラー動作不良→改善 [カセットデッキ]



Posted by nakamura