テープの継目とスプライシングテープ

2022年1月5日



テープがデッキに巻き込まれ、
クシャクシャになる事案。

テープ冒頭がダメになることが多いので、
リーダー部分をカットし、リールに詰める。

だが、この方法だと、
リーダー部分が失われるので、
クイックリバースが動作しない。

関連:[SONY] クイックリバース(QUICK REVERSE) [カセットデッキ]

クイックリバースというのは、
リーダー部分を検知し、即座に反転する機能。

テープ終端まで待たないので、
音切れが少ないという利点がある。

リーダー部分の検知は、
左側のテープガイドの底にある
センサーが使われている。

なので、ここが汚れていても
クイックリバースは機能しない。

で、リーダー部分とテープ部分の継目は、
どのようになっているのかを調べた。

日本の誇る、高度な技術を駆使した、
ノーベル賞レベルの特殊な方法で
接合されているのかと思われ、

当方レベルの技術では
解析不可能かと思われたが、

現物を見るに、単なる薄いテープが
使われているだけだった(笑)

裏側に薄いテープを貼り、
互いをつなげているのね。

表側
裏側

これは「スプライシングテープ」
(splicing:「継ぐ」の意)
というもので、市販もされているようだ。

裏側なので、スプライシングテープは
ヘッドには触れないことになる。

薄いテープであれば、
セロハンテープでも良さそうだが、

ノリが出てくると悪影響なので、
やはり専用のテープがよさそう。

だが、大した価値のないテープのために
スプライシングテープを買うのも何なので、

残骸から、リーダーテープと
スプライシングテープを再利用してみる。

残骸からテープを剥がし、
リーダー+スプライシングの状態にする。

そこに、カセット本体のテープ部分を継ぐ。

ケースが溶着されてて
開けられないものは、

該当箇所を引き出して継ぐ。

こうして、失われたリーダーテープを
いくつか「復活」させた。

しかし、真っ直ぐに貼るのは
非常に難しいし、

この段差が気になる…

この部分。

テープを貼ってからカットしてるので、
ここに段差ができやすい。

一度剥がしたスプライシングテープであり、
粘着力が落ちているから、

テープの巻き取り負荷や
ヘッドとの摩擦等により、

この段差から、
徐々に剥がれる可能性大!

それが、溶着ケースだと、
ケース内にテープが巻き取られ、
先端にアクセスできなくなるから、

ケースを破壊しないと
修復することは困難になってしまう。

関連:スプライシングテープ



Posted by nakamura