[SONY] ICR-S71の修理(電源SW/バリコン/ボリューム) [ラジオ]

2022年1月5日



SONYのAM専用ラジオである、ICR-S71について。

ICR-S71

長年販売されてきた機種であり、評価は高いようだが、

当方の個体は、次から次へと不具合が発生する、非常に難儀なラジオ!


チューニングがバリバリ、電源も切れなかったり、切っても勝手にONになり夜中に音が出る怪奇現象!

電源の不具合は、電源SWの不良だ。

電源SW内部の銅板(レール)と、その上に載る摺動子が腐食するのが原因。

防滴仕様を謳いながら、この質の低さは何?

分解する。

内部_ICR-S71


基板を取り外す。

基板(表)_ICR-S71
↑基板(表)

基板(裏)_ICR-S71
↑基板(裏)

基板(表)の左上にあるのが電源SWなので、これを取り外す。

電源SW_ICR-S71

今回の個体は、電源SWを過去に取り外して手を入れてあるので、ハンダ箇所が少ない(必要箇所のみ)が、

スイッチハンダ面_ICR-S71

元々は全部固定されている。

取り外した電源SWを分解する。

電源SW_ICR-S71
↑上のコの字型の部品が摺動子

電源SW_ICR-S71

摺動子は、本来は4個あるのだが、腐食で1個消失/消滅したので、3個しかない。

だが、動作には最低1個あれば済むので、まだ「予備」があることになるが…

# 信頼性の面では最低2個必要。

表面に生じた錆び(緑青)を除去するため、接点ブライトを付け、銅板(レール)を磨く。

接点ブライト

関連:接点ブライト(サンハヤト)

歯間ブラシで摺動子の間を磨く。

電源SW_ICR-S71

摺動子は非常に弱いので、変形させないように注意。

電源SW_ICR-S71

磨いた後、コンタクトグリスを塗って保護する。

電源SW_ICR-S71

保護しないと、再び錆が出ての繰り返しとなるだけでなく、銅が薄くなって復帰不能となる。

コンタクトグリス

関連:コンタクトグリス(サンハヤト)

腐食が進むと時既に遅しで、コンタクトグリスを塗布しても、当然ながら接触不良は完全には直らない。

この電源SW(部品)は手に入らないので、ケースに穴を開けてスイッチを増設するか?

防滴仕様なので、それなりの場所で使うには、それに準じたスイッチを用意する必要があるが。

チューニングがバリバリは、バリコンは分解できないので、パーツクリーナーを流し込んで対処。

関連:KURE パーツクリーナー プラスチックセーフ

本機は無問題だが、ボリュームがバリバリなら、接点復活剤を流し込んで対処する。

電源SW_ICR-S71

接点復活王

関連:接点復活王(ポリコールキング,サンハヤト)

作業が終わったら組み立てるのだが、本機のチューニングは糸掛け式なので、それを戻したり、指標を合わせるのが大変だが…

指標_ICR-S71

電源SWの腐食は、ICR-S40でも発生しており、

関連:[SONY] ICR-S40(通電不可)の修理 [1990年]

チューニングのバリバリは、ICF-801でも発生している。


ICR-S71ICF-801も、生産終了となる数年前の購入なので比較的後期のものであるが、部品の質が低いのだろう。

平成末期に於いても、ソニータイマーは健在であった!

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Posted by nakamura