[SONY] 謎の異音、そして混迷へ [TC-RX1000T]
ピンチローラーやゴムベルト交換で、
安定した動作を得た、
SONYのカセットデッキである、TC-RX1000T。
1994年から2003年8月まで生産された。
だが、本機で録音したテープを聴いていると、
音が震える箇所が発見された。
ワウ・フラッターを調べてみる…
快調時
(ビリビリ音は録音機器が原因)
不調時
(ビリビリ音は録音機器が原因)
φ70mmが適するキャプスタンベルトに、
φ65mmを使ったのが原因か?
回転を見ても、テンション的にも、
φ65mmでも問題なさそうなのだが…
フライホイールの割れや変形もない。
ということで、新たに得ていた
中華ベルト(4mm)の中から
φ70mmのものを探し出し、交換した。
千石ゴム(5mm)
中華ゴム(4mm)
中華ゴムの回転は、やはりムラがある?
ワウ・フラッター的にも悪い。
ということで、
千石ゴム(φ65)に戻す…
ワウ・フラッターは良いが、
周波数が100Hzも低い。
数日前に合わせたばかりであり、
暖機運転した上で、この有様だ。
面倒すぎる!
で、動作チェックをしていると、
謎の異音が!
は?
非常に不快な音!
何かが擦れる音?
カセットを入れなくても、電源ONだけで鳴るので、
フライホイールやキャプスタンベルト関連?
だが、ベルトを外すと異音は出ないから、
モーターは正常なはず(罠)。
摩擦を疑い、キャプスタンが通る穴に、
グリスを追加。
キャプスタン受けの両端の山が、
フライホイールに接触していないか?
キャプスタン受けの変形を疑い、
手で曲げておく。
元々、触れてはないようだが…
さらには、異音と関係ない箇所に
グリス特盛の大サービス!
だが、グリス特盛にすると、
早送りと巻き戻しが激遅に(笑)
該当箇所(アイドラーとその下層)の
グリスを除去。
アイドラーのギアが、隣と中途半端に
接触しての異音ではないか?
アイドラーを分解、抵抗を調整するが、
結果、再生、早送りと巻き戻しが不可に、
テープが引き出される事案!
(63年が経過…)
長期に渡る闘いの結果、
原因はモーターしかない!ということで、
モーターの分解に着手。
モーターを板に固定している
ネジ(2個)を外す。
このネジは非常に固く、
先端サイズ(1.5)で慎重に外すこと。
ネジをナメると終了するので注意。
分解解説は、別動画(別機)で
上げているのでそちらに譲るが、
本機のモーターは、
ここのハンダを外す必要がある。
ブラシの触れる部分(整流子)を磨き、
接点復活剤(動画説明欄参照)を塗布する。
そして、後部の軸受けや軸、
穴にグリスを特盛!
組み立て…
ワウ・フラッターも許容範囲。
その後、
90分テープ往復するも、
異音は出ていない。
先の
「モーターは正常」は
何だったのか!
負荷時のみ異音、ということ?
原因はモーターだとしても、
モーター内部の何が原因?
音的に、軸の抵抗であのような
異音を出すとは思えないので、
ブラシか?
ブラシなのか?
異音の傾向:
いきなり鳴り出すのではなく、
先に、何かが擦るような音がする。
電源を切って再度入れると、
異音は消えるが、
しばらくすると、再び出てくる。
軸がブレる→ブラシが接触→異音発生?
ブラシ自体には、変形はなかったが…
ハッキリしないが、
モーター分解で消えたので、
モーターが原因かと思われる。
これで再び異音が出たら、
その時の対処は、
既に決まっている。
-----
TC-RX1000Tに使用されているモーターは、4線仕様のMMI-6H2LWKであり、2線仕様のMMI-6S2LKではない。
【混迷(こんめい)】
いろいろの事が入り混じって、わけがわからなくなること。
秩序を失い、先の見通しがつかなくなること。
関連:モーター分解と静音化
関連:整流子用:接点復活剤
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません