中華激安テスター(DT-830B)の改良メンテナンス

2021年12月30日

当サイトには広告が含まれています。



500円以下で購入した、激安の中華デジタルマルチメータである、DT-830Bについて。

当方の範囲では普通に使え、重宝しているのだが、いくつか不満点がある。

DT-830B

①モード切替が上手くいかず、ダイヤルの微調整が必要な時がある(接触不良)
②モード切替にギシギシ感がある(摩擦)
③導通チェックの音がない(仕様)
④テストリードが切れた(損耗)

ということで、分解する。

ネジ2個で簡単に開く。

DT-830B

9V電池を外し、基板を固定しているネジ3個を外す。

この時点で驚いたのが、基板と液晶の接続。

DT-830B
↑基板側

DT-830B
↑液晶側

なんと、導電ゴムを押し付けているだけ!

導電ゴムは液晶側に付いているが、これが外れると即アウトになるかもしれないので、扱いは慎重に…

接触不良を避けるため、基板側の接点を、アルコールを付けた綿棒で拭いておこう。

基板表面に、同心円状のパターンがある。

DT-830B

ダイヤル側には、接点がある。

DT-830B

カセットデッキのロータリーエンコーダーと、仕組みは同じ。

関連:[SONY] ロータリーエンコーダー(1-466-238-11,1-466-525-11)の分解と清掃 [カセットデッキ]

アルコールを付けた綿棒で基板側とダイヤル側の接点を拭き、基板側に綿棒で接点復活剤を塗る。

DT-830B

接点復活王

関連:接点復活王(ポリコールキング,サンハヤト)

コンタクトグリスでもいいのだが、粘度が高く広げにくい。

コンタクトグリス

関連:コンタクトグリス(サンハヤト)

接点復活剤も油風(αオレフィン)なので、接触不良だけでなく、接点の摩耗保護にはなるだろう。

次に、ダイヤルの受け側に、シリコングリスを塗る。

シリコングリースメイト

関連:シリコングリースメイト ペースト

本体側のギザギザによりクリック感を出しているのだが、

DT-830B

その摩擦でギシギシするので、接触部分にシリコングリスを塗るのだ。

DT-830B

摩擦があるのは上端だけなので、グリスを付けるのも上端だけでよい。

この作業により、①の接触不良と②のギシギシ感は、改善された。

基板を固定している3個のネジがバカになると、液晶とダイヤルの接点が離れ、動作不良となるだろう。

ネジ穴は貧弱なプラスチックなので、ネジを締める際は、バカにならないように適度なところで止めること。

まぁ、価格が価格なので、バカになったら買い替えればよい。

③の導通チェックの音がない(仕様)については、後継のDT-830Dだと音が出るので、それを買えばよい。

DT-830B_DT-830D

価格も、DT-830Bと同等か、逆に安い場合もある。

④については、テスト棒を廃し、ミノムシクリップ仕様に改造したが、

やはり先端の細いテスト棒の方が適している。

テストリードだけ売っているのか?と考えるも、それならDT-830Dを買えば「付いてくる」ね(笑)

関連:DT-830B

関連:DT-830D

左下にある、青いトランジスタ用の端子が、接触不良か何かでうまく使えないが、このテスターでhFEは測らないので問題はない。

トランジスタは、以下の電子部品テスター(判別機)を使って調べる。

関連:電子部品テスター ケース付



Posted by nakamura